【老後資産の守り方!はじめての債券投資と安心の出口戦略ガイド】②5章~8章

前回は1章~4章までの債券の基本を記載しましたが、今回は債券運用の戦略を中心にお伝えします。

第5章:債券のバーベル戦略とは?特徴とメリット・デメリット

「バーベル戦略(Barbell Strategy)」とは、債券の“短期”と“長期”に重点を置き、“中期”をあえて外す戦略のことです。


🔸 名前の由来はバーベル(ダンベル)から

イメージは筋トレのバーベル:

  • 両端(短期・長期)に重り
  • 中央(中期)はスカスカ

この極端さこそが、柔軟性と安定性のバランスを取る秘訣なんです💪


📊 配分のイメージ(例)

期間投資比率役割
短期債(例:1〜2年)50%流動性・安全性・再投資の柔軟性
長期債(例:10〜30年)50%高利回り・金利低下時のキャピタルゲイン

✅ メリット

  • 金利上昇局面では短期債が即再投資可能
  • 金利下落局面では長期債の価格上昇で利益
  • シンプルで設計しやすい
  • リスクとリターンのバランスが良い

❌ デメリット

  • 中期債の安定性が欠ける
  • 長期債の価格変動はやや大きい
  • リスク許容度の確認が必要(特に長期債の割合)

🎯 向いている投資家

  • 55歳〜65歳のアクティブシニア
  • 「ある程度リスクを取ってインカム+キャピタルを狙いたい」
  • 金利変動にある程度対応したい

第6章:債券のラダー戦略とは?特徴と実践方法

「ラダー戦略(Ladder Strategy)」は、債券を複数の年限に分散させて毎年満期が来るように設計する戦略です。


🔸 名前の由来は“はしご(ladder)”

満期が異なる債券を、1段1段の“はしご”のように揃えていくイメージ。

年限配分例役割
2年債30%流動性確保・すぐ現金化
3年債35%中期支出への備え
5年債35%長期固定利回り・生活費支え

✅ メリット

  • 毎年債券が償還 → 定期収入のように使える
  • 金利が上がれば→新しい債券で再投資し利回りUP
  • 金利が下がっても→過去の高利債券を保持
  • 高齢期に「売らずに回収」できる=安心感抜群

❌ デメリット

  • 初期に複数本の債券購入が必要
  • 短期的なキャピタルゲインは期待しにくい
  • 長期金利が急騰すると、再投資タイミングを逃す恐れも

🎯 向いている投資家

  • 60歳以降の安定志向
  • キャッシュフローを可視化したい人
  • 年金+債券償還で毎年の生活費を整えたい人

🔁 実践例:1,000万円を3段ラダーに分散

債券配分目的
2年債300万円近々の生活資金
3年債350万円家電買い替え、旅行など
5年債350万円安定収益の中核に

※2年後に300万円償還→新たに5年債へ再投資。これを繰り返す。


第7章:バーベル vs ラダー:どちらを選ぶべきか?

どちらの戦略が良いのか?
答えは、年齢・投資目的・リスク許容度によって異なります


✅ 比較表

特徴/戦略バーベル戦略ラダー戦略
投資期間短期+長期に集中短期〜中期〜長期に分散
流動性高(短期債が半分)中(満期到来分のみ)
安定性やや波あり高い(毎年償還される)
金利変化への対応柔軟(再投資+価格変動活用)徐々に対応
リスク水準中〜やや高低〜中
向いている層55歳前後、運用期60歳以降、引き出し期

🔄 ハイブリッドもアリ!

  • 現役時代:バーベル戦略で利回り重視
  • 退職後:ラダー戦略で生活資金設計へ移行

このようにライフステージごとに使い分けるのも非常に効果的です。


第8章:債券中心の多資産ポートフォリオ例

最後に、債券を中核に据えた総合ポートフォリオの一例をご紹介します😊


📊 例:5,000万円の資産で構成する場合

資産クラス割合内容・例
債券(短・中・長期)30%米国債(生債券+ETF)TLT・IEF・SHYなど
日本高配当株20%三菱UFJ・JT・INPEX・KDDIなど
米国株投信・ETF20%eMAXIS Slim米国株、VOO、VYMなど
仮想通貨(BTC, ETH)5%SBI VCトレードやコールドウォレット管理
コモディティ(金銀銅)15%GLD、SLV、PPLT、COPXなど
現金・預金(円)10%住信SBIネット銀行などで管理

🎯 ポイント

  • 債券は収入源&元本安定の役割
  • 株式で成長、コモディティでインフレ対策
  • 仮想通貨はアクセント的に少額
  • 現金は予備資金として機動性を持たせる

債券投資の安定性は皆さまがご存知の通りボラティリティの低さとインカム狙い、年金との併用で安定した収入と精神的にも安定を得ることが出来ます。次回は債券とコモディ(株式、仮想通貨、金などを絡め攻めと守りを意識した投資についてお話しさせていただきます。

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