—高配当株投資家が次に狙うべき“割安・見落とし銘柄”とは?
◆はじめに:総裁交代と株式市場の熱気🔥
自民党総裁選が終わり、高市新政権が誕生しました。市場は「財政出動」や「成長重視政策」への期待を織り込み、日経平均株価は連日で史上最高値を更新しています。
10月に入ってからは、銀行・商社を中心に大幅高となり、投資家の心理も一気に強気に傾きました。
ただ、そんな中で冷静に考えたいのが——
「配当株投資家にとって、今の相場はチャンスなのか?」
「利回りが下がったいま、どこに“割安な宝”が眠っているのか?」
実際、株価上昇に伴い配当利回りは急低下しています。
これまで4.5〜5%で買えていた高配当株も、株価上昇で利回り3%台まで下がり、
「買い増しがしづらい」という声が増えています。
しかし、そんな状況でも“割安放置”されている銘柄や、注目されていないセクターは確実に存在します。
本記事では、“次に狙うべき高配当・割安株”を徹底分析します💡
◆第1章:高配当株投資家が抱える「いま」の悩みとは?
高配当株投資の魅力は、「配当収入を得ながら、長期で資産を育てる」こと。
しかし、相場全体が加熱すると次のようなジレンマが生まれます。
投資家心理 | 影響 |
株価が上昇 → 利回りが下がる | 追加投資をためらう |
既存保有株の含み益が増える | 売却益確定か、長期保有か迷う |
高配当テーマが人気化 | 需給プレミアムで割高化する |
配当性向が高い企業 | 今後の増配余地が減少する |
つまり、「人気になりすぎた銘柄」は魅力が薄れつつあるのです。
では、今どこに“残されたチャンス”があるのでしょうか?
◆第2章:市場環境から読む「見落とされた割安セクター」
まずは現在の市場構造を整理してみましょう。
野村・日経・SBIなど複数のレポートを参照すると、以下のセクターが出遅れ・割安圏にあります。
セクター | 割安根拠 | 備考 |
電力・ガス・インフラ系 | PBRが依然として低位(0.5〜0.7倍台) | 規制・政策次第で再評価余地あり |
運輸・物流・海運 | 海運株が再び低バリュエーション化 | 変動激しいが利回り4%超も |
建設・資材・不動産 | インフラ政策期待、出遅れセクター | 財政出動テーマで再浮上の可能性 |
素材・化学・金属 | コモディティ価格の反転期待 | 景気敏感セクターの循環期に注目 |
非減配・安定配当株 | 不況期でも配当維持 | 守備的投資として有効 |
これらの共通点は、「市場全体が盛り上がっても、注目されにくい」こと。
人気テーマ(AI・半導体・生成AI)に資金が集中する一方で、こうした“地味セクター”が割安のまま放置されている状況です。
◆第3章:実践スクリーニング条件📊
では、どんな条件で割安銘柄を見つけるべきか。
次の条件を設定しました。
スクリーニング条件(仮定)
- 予想配当利回り:3.5%以上
- PER:15倍以下(理想は10倍以下)
- PBR:1倍以下
- 自己資本比率:40%以上
- 減配歴なし(または非減配年数5年以上)
- 業績:黒字かつ営業キャッシュフローが安定
この条件をベースに、複数のレポートから抽出した候補を分析しました。
◆第4章:スクリーニングで浮上した注目銘柄7選
銘柄 | セクター | 配当利回り(予想) | PER | PBR | コメント |
UACJ(5741) | アルミ・軽金属 | 4.8% | 6.7倍 | 0.43倍 | 超割安・金属回復局面で上昇余地大 |
日本郵船(9101) | 海運 | 4.2% | 約9倍 | 0.8倍 | 配当安定・財務改善で魅力度◎ |
商船三井(9104) | 海運 | 4.0%台 | 10倍前後 | 0.7倍 | 海運再評価の波に乗る可能性 |
INPEX(1605) | エネルギー | 3.8% | 9倍台 | 0.7倍 | 原油価格上昇時に恩恵あり |
ホンダ(7267) | 自動車 | 4.2% | 約8倍 | 0.6倍 | EV転換の進展で中期的上昇余地 |
日本製鉄(5401) | 鉄鋼 | 4.0% | 6倍台 | 0.6倍 | 世界インフラ需要の波に乗る |
日本化薬(4272) | 化学 | 4.0% | 10倍前後 | 0.9倍 | 非減配実績・安定志向向き |
これらはいずれも**「低PBR+安定配当」型で、短期での爆発力より中長期の安定収入**に向くタイプです。
◆第5章:注目の2銘柄——日本郵船とUACJ
ここからは、上記候補の中でも特に注目したい2銘柄を深掘りします。
◎日本郵船(9101)——安定配当×グローバル物流の主役
業績概況:
- 2025年3月期:売上2兆5,887億円、純利益4,777億円(大幅増益)
- 2026年3月期予想:経常利益▲48%減と保守的
- 自己資本比率:67.6%と高水準
- 配当利回り:約4.2%
魅力ポイント:
- 海運サイクルはすでに調整期を経ており、底打ち感が出てきている。
- 世界物流の正常化、燃料安定、インフラ再構築の波が追い風。
- 利回り4%超を維持しながら財務改善も進行。
リスク:
- 国際情勢・燃料価格・為替に影響されやすい。
- 海運セクター全体の利益変動が激しい。
見立て:
「配当安定・財務健全・出遅れ感」という3拍子がそろったバランス株。
短期で上昇というより、“じわじわ報われる”タイプ。
◎UACJ(5741)——割安の極み、反発すれば爆発力あり
業績概況:
- 2026年3月期1Q:営業利益▲91%減(厳しいスタート)
- PER:6.7倍/PBR:0.43倍という低バリュエーション
- 配当利回り:約4.8%(予想)
魅力ポイント:
- 世界的なインフラ・電動車・アルミ軽量化需要の追い風。
- 金属市況回復で利益がV字する可能性。
- PBR0.4倍台という“超割安水準”。
リスク:
- 鉄・非鉄価格の変動、為替リスクが大きい。
- 営業利益が急落しているため、回復トレンド確認が必要。
見立て:
割安性はトップクラス。ただし“我慢の時期”を超えた先に真価を発揮するタイプ。
小口・分散投資向けの「ボラティリティ・ハンター株」。
◆第6章:3銘柄比較の結論と順位
評価軸 | 日本郵船 | UACJ | 日本化薬 |
割安性 | ◎ | ◎◎ | ○ |
成長性 | ○ | ◎ | △ |
配当安定性 | ◎ | ○ | ◎ |
リスク耐性 | ○ | △ | ◎ |
総合評価 | A(最有力) | B+(短期リバウンド型) | B(守備型) |
結論:
✅ 第1位:日本郵船(9101)
✅ 第2位:UACJ(5741)
✅ 第3位:日本化薬(4272)
◆第7章:簡易シミュレーション📈
シナリオ | 日本郵船 | UACJ |
強気(+50%上昇+配当4%) | 155万円 | 154万円 |
ベース(+20%上昇+配当4%) | 124.8万円 | 124万円 |
弱気(−20%下落+配当4%) | 82万円 | 82万円 |
どちらも「下値リスク20%・上値ポテンシャル50%」というリスクリワード。
ただしUACJの方がボラティリティが大きいため、短期的には注意が必要です。
◆第8章:投資スタンスアドバイス💬
- 分散×段階買い
- 割安とはいえ、一気に資金を投じるのは危険。
“時間分散”でリスクを平準化しましょう。
- 割安とはいえ、一気に資金を投じるのは危険。
- テーマを意識
- 海運:世界貿易の回復
- 金属:電動化・再エネ・インフラ投資
- 化学:医薬・素材需要
—このように「背景」を持つ銘柄を選ぶのが長期的に有利です。
- 海運:世界貿易の回復
- 財務と配当性向を常にチェック
- 一時的な高配当ではなく、**配当性向40〜50%**が持続的と判断の目安。
- 一時的な高配当ではなく、**配当性向40〜50%**が持続的と判断の目安。
- 出口戦略を設ける
- 目標利回りや株価を設定し、利益確定ライン・損切りラインを明確に。
- 目標利回りや株価を設定し、利益確定ライン・損切りラインを明確に。
◆第9章:配当株の“幸福な持ち方”
高配当株の本質は、「短期で儲けること」ではなく
“長期でストレスなく持ち続けること” にあります。
- 株価が下がっても、毎年の配当が支えてくれる
- 再投資すれば、配当が雪だるま式に増える
- 景気変動に一喜一憂せず、じっくり構える
まさに「配当こそ究極の防御」。
配当収入を年金+αとして設計している方にとって、
この“安定した再投資サイクル”は、非常に理にかなった資産形成法です。
◆第10章:結論とメッセージ🌸
いま日本株市場は“お祭り相場”の様相を呈しています。
しかし、どんな熱気も永遠には続きません。
投資の真髄は「静かなときに動く」「熱狂の中で冷静である」こと。
今回紹介した日本郵船・UACJのように、
- 市場の主役ではないけれど、
- しっかり利益を上げ、
- 配当を欠かさず、
- 財務が健全な企業
こそが、次の上昇波で輝く“本命株”になる可能性があります。
✨まとめ:いま狙える「割安×高配当」銘柄3選(2025年秋版)
順位 | 銘柄 | セクター | 配当利回り | 特徴 |
1位 | 日本郵船(9101) | 海運 | 約4.2% | 財務健全・中期的安定 |
2位 | UACJ(5741) | 素材・金属 | 約4.8% | 超割安・反発期待 |
3位 | 日本化薬(4272) | 化学 | 約4.0% | 非減配・安定配当型 |
◆最後に:必ず覚えておきたい一言⚠️
🧭 投資判断は必ず自己責任で。
本記事はあくまで情報提供・分析・教育目的であり、
特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
株式投資には元本割れや損失のリスクがあります。
最終判断は、必ずご自身の責任でお願いいたします。🙂


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