はじめに:世界経済とコモディティ投資の関係
2025年現在、世界は不安定な経済と政治の中にあります。トランプ氏の大統領復帰の可能性、中東でのイラン・イスラエルの緊張、ロシア・ウクライナ戦争の長期化。そして、ドル信認の揺らぎと中央銀行の金買い増し。
こうした状況では、通貨ではなく “実物” に価値を求める動きが加速しています。 その中心にあるのが「金・銀・銅・プラチナ」などのコモディティ投資です。
本記事では、これら4つの金属資産の役割・特徴・投資方法を初心者向けに詳しく解説し、2025年以降の世界に備える戦略をご紹介します。
第1章:なぜ今「金・銀・銅・プラチナ」なのか?
1-1. 世界情勢と資産防衛の必要性
- 米中対立の激化と関税戦争の再燃
- ウクライナ情勢による欧州リスクの長期化
- 原油高・インフレ継続
- FRBや日銀の金融政策の限界
これらの背景により「紙幣価値への不信」が広がっています。 その結果、資産を守るために選ばれるのが実物資産、つまりコモディティです。
1-2. コモディティの分類と役割
金属名 | 特徴 | 主な用途 |
金(Gold) | 安全資産、無国籍通貨 | 中央銀行備蓄、装飾品 |
銀(Silver) | 準安全資産+工業需要 | 太陽光パネル、医療 |
プラチナ | 希少性が高い+自動車触媒 | 高級装飾、産業用途 |
銅(Copper) | 景気連動型、インフラ用途 | EV、電線、送電網 |

第2章:金(Gold)投資の基礎
2-1. 金の強みとリスク
- 有事に買われる:通貨危機・戦争・金融崩壊時に上昇
- 通貨を超えた信頼:各国中央銀行が金を買い増し
- 配当なし・利息なし:価格上昇で利益を得る
2-2. 金ETFと投資方法
商品名 | 銘柄コード | 信託報酬 | 備考 |
SPDR ゴールド・シェア | 1326 | 約0.4% | 東証上場・円建て |
純金上場信託 | 1540 | 約0.4% | 田中貴金属などと連携 |
SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド | 8931A236 | 約0.22% | 新NISA対応 |
第3章:銀(Silver)の魅力と注意点
3-1. 工業金属としての重要性
- 太陽光パネル、EV、半導体などの成長分野で使用
- 金よりも価格変動が大きく、短期トレードにも向く
3-2. 銀ETFの例
- iShares Silver Trust(SLV):米国ETF
- 日本では「金の果実」シリーズで銀版もあり
3-3. 金銀比率に注目
- 通常は金:銀=70〜80倍
- 比率が広がれば銀の割安感が注目されやすい

第4章:プラチナ(Platinum)の静かな注目
4-1. 供給制限と価格の不安定さ
- 主に南アフリカが産出国で、政治不安が価格に影響
- 自動車の排ガス触媒需要が中心
4-2. 投資方法
- abrdn Physical Platinum Shares ETF(PPLT)
- 日本ではプラチナ先物ETFも一部証券で取扱あり
第5章:銅(Copper)=成長国とインフラの主役
トランプ大統領が50%の関税を!と発言されました。
5-1. “経済の体温計”と呼ばれる理由
- 銅価格は景気の先行指標
- EV、再エネ、スマートグリッドに欠かせない素材
5-2. 銅ETFの紹介
- WisdomTree Copper(1693.T)
- COPX(銅鉱山株ETF)
- JJC(米国銅価格ETF)


第6章:ETFでの投資比較と組み合わせ
金属 | 安定性 | 成長性 | 値動き | 投資難易度 |
金 | ◎ | △ | ○ | 易しい |
銀 | ○ | ○ | △ | 中級者向け |
プラチナ | △ | ○ | △ | 中級者向け |
銅 | △ | ◎ | △ | 初心者可 |
6-1. おすすめポートフォリオ(新NISA活用)
🛡️ 安定重視(60%)
・GLDまたは1326(20%)
・8931A236(20%)
・金の果実シリーズ銀(10%)
・現金またはMMF(10%)
🚀 成長型(40%)
・1693.T(銅ETF) 20%
・COPX(銅鉱山株)10%
・インド株または半導体ETF 10%
第7章:日本での購入方法(SBI証券中心)
7-1. 国内ETF購入の流れ(SBI証券)
- NISA口座を開設
- 成長投資枠でETFを検索(銘柄コードで)
- 指値・成行注文で購入
7-2. NISAの非課税枠の活用ポイント
- 年間240万円の投資枠(成長枠)
- ETFの分配金や売却益も非課税
- ゴールドや銅ETFは成長枠で買付可能
7-3. iDeCoは対象外?
- iDeCoは基本インデックス投信が中心で、金属ETFは非対応
- 老後資産との住み分けが必要
おわりに:資産を守る武器としてのコモディティ
株や債券、為替が混乱しやすい今こそ「変わらない価値」に注目する時期です。 金・銀・銅・プラチナは、時に守り、時に攻めの資産としてポートフォリオに入れる価値があります。
2025年以降、世界経済が再び激動する中、コモディティを理解し、長期視点で備えることが私たち投資家にとっての防衛術。
投資は自己責任。でも、学びは一生の資産です😊


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