逆張りのチャンスは信用評価損益率にあり!底打ちを見極める投資術

信用評価損益信用評価損益率について、基本から応用まで、また相場局面との関係性(慣例的な見方)も含めて詳しく解説いたします。



✅【信用評価損益とは?】

🔸定義

「信用評価損益」とは、信用取引で建てたポジション(買い or 売り)に対して、現在の株価ベースで評価した損益のことです。

🔸ポイント

  • 未確定の損益(含み損益)
  • 実際に反対売買(返済)してはじめて確定損益になる

✅【信用評価損益率とは?】

🔸定義

信用評価損益率は、**信用取引をしている投資家全体が抱えている含み損益の平均値(%)**を表したものです。

🔸計算式

信用評価損益率(%) = 評価損益合計 ÷ 建玉合計金額 × 100

🔸例:

  • 信用買いで建玉合計が1,000億円
  • 評価損が100億円
    → 信用評価損益率 = -10%

✅【信用評価損益率と相場局面の「慣例的サイン」】

信用評価損益率は、投資家心理(センチメント)を測る指標として、以下のように見られることが多いです。

評価損益率相場局面とされる傾向説明
+5% 以上天井圏(過熱)多くの投資家が含み益 → 売り圧力が高まりやすい
0% 付近中立(高値圏 or 調整局面)売り買い拮抗。次の動きを見極める局面
-3% ~ -5%軽い調整局面一部が含み損 → 投げ売り注意
-10%以下追証ライン、底値警戒多くの投資家が含み損 → 強制ロスカットなどで急落が起きやすい
-15% ~ -20%底入れの兆候(反発期待)投資家の大多数が含み損。反発しやすい水準とされる

✅【補足:なぜ-10%が重要?】

証券会社では、一定以上の含み損になると**追加保証金(追証)**が必要になります。
特に-10%を超えると追証発生が増え、市場では強制決済(損切り)が起こりやすく、相場が急落する引き金になることがあります。


✅【信用評価損益率の情報はどこで見られる?】

以下のようなサイトで確認可能です:

  • 松井証券|信用評価損益率(毎営業日更新)
  • 楽天証券|マーケットスピード II
  • 日証金・日証協

✅【活用法:投資家目線でどう使う?】

  • 信用評価損益率が**-15%前後で底入れシグナルとして逆張りの買いタイミング**を計る
  • +5%を超えたら利確の検討、あるいは売り(空売り)のタイミングを探る
  • 全体の「投資家心理」を把握し、過熱 or 悲観のバランスを見る材料にする

✍️ まとめ

用語説明
信用評価損益含み損益。未決済ポジションの損益額
信用評価損益率信用建玉全体の平均的な評価損益の割合
活用法市場のセンチメント指標として使い、過熱や底打ちの判断材料にする

ケーススタディ(NTT)

日本電信電話(NTT、証券コード: 9432)の本日(4月8日)終値時点での信用評価損益率の具体的な数値は、現時点で公開されてません。​

一般的に、信用評価損益率のデータは週次で更新されることが多く、最新の情報が反映されるまでにタイムラグが生じる場合があります。​

参考情報:

  • 信用取引残高(3月28日時点)
    • 信用買残:​225,884,900株(前週比 +644,500株)​
    • 信用売残:​5,181,000株(前週比 +2,046,000株)
    • 信用倍率:​43.60倍​

NTT(9432)における現在の信用取引残高の情報から読み取れる株価の方向性について、テクニカル・センチメントの観点から整理してみます。


✅【前提となるデータ(2024年3月28日時点)】

  • 信用買残:2億2,588万株(+64万株)
  • 信用売残:518万株(+204万株)
  • 信用倍率:43.60倍(=買残 ÷ 売残)

✅【このデータから読み取れること】

📌 1. 信用買残が大きく増えている(高水準)

  • 投資家が「NTT株が今後上がる」と考えて信用買いをしている人が多い状況。
  • しかし裏を返せば「含み損になった場合、大量の売りが出やすい」=需給リスクを内包している状態。

📌 2. 信用売残が急増している(+204万株)

  • 空売りが増えているということは、下落を見込んでいる投資家も増加中
  • これは「下げトレンドへの警戒感」や、「信用買い残が多すぎるために調整を狙った売り」も考えられます。

📌 3. 信用倍率が43.6倍と異常に高い

  • 一般的に信用倍率が5倍を超えると「買い残過多」とされる中、43倍は極端。
  • これは「売り圧力が極端に少ない/買い圧力が過剰」な状態を示し、上昇余地はあるが、崩れると急落しやすい不安定な局面です。

🔍【結論:需給の読みと株価方向性】

ポイント解釈
信用買いが非常に多い投資家の強気心理が反映されているが、反落時の売り圧力になりうる
空売りが増えてきた一部の投資家が天井を警戒しているシグナル
信用倍率が異常に高い買い方にとっては重荷、悪材料での急落リスク

✅【投資家視点での戦略例】

  • 中長期投資家:業績や配当重視で保有しているなら、短期の需給に過剰反応せず継続保有もアリ
  • 短期トレーダー
    • 信用買いが多すぎる=調整リスクに警戒
    • 一時的な押し目狙いならテクニカル指標と合わせて判断
  • 逆張り派(売り方)
    • 信用買い残が重く、かつ下落トレンドに転じたら、空売り戦略を検討する投資家も出てくる水準

トランプ減税発動によりボラティリティが高くなっている日本株式ですが、こんな時も冷静にセンチメント(投資家心理)やテクニカル指標を分析し落ち着いて投資活動を行っていきましょう!

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