🔰はじめに:欧州株に資金が流れる2025年、何が起きている?
2025年の株式市場では、驚くべき現象が起きています。
それは、米国の個人投資家や一部の機関投資家が「欧州株」へと資金を移動させているという動きです。
この背景には以下の要因があるとされています:
- 欧州株の割安バリュエーション(PER、PBRが米国株に比べて低い)
- 為替ヘッジの効果でリスク分散しやすい
- インフレ抑制後の実質金利安定
- トランプ政権の関税政策による米国株の不確実性
しかし、本当に欧州株の優位性は続くのでしょうか?
また、米国のテック・半導体・エネルギー・ヘルスケアの「4大成長セクター」は、本当に今後も魅力が失われてしまうのでしょうか?
本記事では、短期的な市場動向を踏まえつつ、中長期的な成長シナリオの核心に迫ります。
📈1. 2025年前半:欧州株が米国株を上回った背景とは?
💡リターン比較(YTD/2025年上半期)
指数名 | 年初来リターン(YTD) |
MSCI Europe | +23.9% |
S&P 500 | +6.2% |
実際に、MSCI Europe指数は2025年前半でS&P500を17ポイント以上アウトパフォームしており、一時は「米国株オワコン説」までささやかれました。
しかし、このような差はあくまで短期的要因が強いのです。具体的には以下の3点が影響しています。
🔍① トランプ政権の関税政策と政治不安
- 米国では2025年初頭に再登板したトランプ大統領が、対中関税・EU関税を再強化。
- 株式市場では、政策の予見性が下がったとしてリスク回避的な売りが出た。
- その結果、資金が「地政学的リスクの小さい欧州株」へとシフト。
🔍② 欧州株の割安感と高配当
- 欧州株はPBR1倍割れの企業が多数。高配当(4~6%)銘柄も多く、バリュー投資家に好まれやすい。
- 特にVGKやEZUなど欧州株ETFに資金流入が継続。
🔍③ 景気回復期待と原油安
- ドイツ・フランスなどでインフラ投資計画が打ち出され、景気回復への期待感。
- 原油価格の落ち着きで欧州の輸入コスト低下もプラス要因。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスは9月の大幅増産で合意しました。
📊2. 米雇用統計のズレと外国人排除政策の影響
2025年7月に発表された米雇用統計では、次のような“ズレ”が話題となりました。
指標名 | 実績 | 市場予想 |
非農業部門雇用者数(NFP) | +110K | +200K |
失業率(U3) | 3.9% | 4.0% |
一見するとネガティブに見える数字ですが、こう読み解きます👇
🔍「これは外国人労働者の排除政策による労働供給の制限が原因であり、景気後退ではない」
🧠分析ポイント
- 失業率・労働参加率は安定している ➡︎ 雇用需要は維持されている
- 建設業・飲食業などで外国人比率が高く、供給制約により統計に反映
- 一方、テック・医療など高スキル職の雇用は堅調(生成AIに生産効率化で雇用解除するテック企業がふててきています。)
つまり、「米国のファンダメンタルズは傷んでいない」と考えることができます。
🌎3. 欧州と米国の中長期的比較:決定的な成長格差
🏦経済成長率と構造比較
項目 | 欧州 | 米国 |
潜在成長率 | 約1.2% | 約2.5~3.0% |
人口動態 | 高齢化進行 | 人口増加・移民流入 |
労働市場 | 硬直的 | 柔軟・イノベーション重視 |
資本効率 | 低(ROE低) | 高(ROE・ROIC高) |
テック投資 | 出遅れ | 世界最先端 |
これらを踏まえると、中長期ではやはり米国>欧州という構図は揺るぎないとCPは考えます。
🔬4. 中長期成長をけん引する「米国4大セクター」
💻(1)テクノロジー・AI
- 生成AI、クラウド、5G、量子コンピューティングなどの中核はすべて米国発。
- MSFT、GOOGL、AAPL、METAなどが継続的にEPSを2桁成長。
- 欧州企業はAI技術で大きく遅れている。
⚙(2)半導体
- NVDA、AVGO、AMD、INTCなど米国主導で次世代プロセスをリード。
- 米国は先端製造(TSMC誘致含む)+設計+ソフトの垂直統合へ。
- 「CHIPS法」により国内投資と補助金が加速。※米国で半導体産業を振興するための法律
🛢(3)エネルギー
- XOM、CVXなどのLNG輸出企業は、エネルギー安全保障の要として世界的に重宝。
- 欧州がロシア依存から脱却できずにいる一方、米国は供給国として価格主導権を握る。
🏥(4)ヘルスケア
- JNJ、LLY、UNH、PFEなど高収益&連続増配。
- 米国は自由市場+R&D重視でグローバル競争力が極めて高い。
💡5. 欧州株投資のメリットと限界
✅ メリット
- 割安株多し(PBR1倍割れ銘柄多数)
- 高配当銘柄が多く、インカム投資に向く
- 為替ヘッジ付きで分散効果あり
⚠ リスク
- 経済成長の鈍化(人口減少、若者流出)
- EU内の政治的対立(財政、移民、エネルギー)
- テック主導の経済構造への転換が遅い
📣6. 投資家への提言:短期は欧州、長期は米国!
結論としてこう考えます。
🎯「2025年は欧州株が目立っているが、長期投資家にとっては米国株こそが王道である」
- 米国の労働構造と移民政策の動き
- セクター別の成長エンジン
- EPSの継続的成長力
に注目して戦略を組むことで、極めて論理的で先見性ある投資判断が出来ると考えます。
🎁7. おすすめETF&個別銘柄(簡易版)
✅ テック・半導体中心
- QQQ(ナスダック100)
- SOXX(半導体セクターETF)
- NVDA/MSFT/AAPL/AVGO
✅ エネルギー
- XLE(エネルギーセクターETF)
- CVX/XOM/EOG
✅ ヘルスケア
- XLV(ヘルスケアセクターETF)
- JNJ/UNH/LLY
📝まとめ
比較軸 | 欧州株 | 米国株 |
2025年前半の成績 | ◎ | △ |
政策不透明感 | △ | △ |
イノベーション | △ | ◎ |
長期的なEPS成長 | △ | ◎ |
人口動態 | △ | ◎ |
為替・地政学リスク | ◎ | △ |
🔚 最終的には「成長と収益力」がすべてを決定づけるということです。
トランプ大統領は、就任前から「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again)」というスローガンを掲げ、現在もアメリカの利益を最優先する政策を推進しています。アメリカは今後も偉大な国であり、また世界の為にも進化し続けていく必要があるのではないでしょうか。(S&P500を積み立てしているので・・・・😅)

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