日本の金投資完全ガイド|ETF・米国ETF・純金現物投資を徹底比較


はじめに:なぜ今「金投資」が注目されるのか?

近年、世界的にインフレ圧力が高まり、米ドルの信認が揺らぐ場面が増えています。2025年には金価格が1オンス=3,500ドルを突破し、過去最高値を更新しました。背景には、各国中央銀行による金の積極的な買い増しや、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測、そして地政学リスクの高まりがあります。

このような環境下で、個人投資家にとっても「金」はポートフォリオの安定性を高める有力な選択肢となっています。しかし、金投資といっても 「ETF(上場投資信託)」「米国ETF」、さらには 「純金現物(地金)」 など複数の手段が存在し、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。

この記事では、日本の金ETFの特徴を徹底解説し、米国ETFや現物投資との違いを比較しながら、これから金投資を始めたい方に最適な情報をお届けします。


第1章|日本における金投資の全体像

1-1. 日本で金投資をする方法は大きく3種類

  1. 国内ETFを買う
    • 東京証券取引所に上場している金ETFを売買。円建てで手軽に購入可能。
  2. 米国ETFを買う
    • 米国市場に上場しているGLDやIAUなどのETFを海外証券口座経由で購入。コストが低く、流動性が高い。
  3. 純金現物を買う
    • 田中貴金属や三菱マテリアルなどから金地金・コインを購入。実物資産として保有可能。

1-2. 日本人投資家が金に注目する理由

  • 円安が進む中での 通貨価値防衛手段
  • 高齢化に伴い「安全資産」志向が強まっている
  • インフレや金融不安時に「最後に頼れる資産」として期待される

第2章|日本の金ETFを徹底解説

日本の代表的な金ETFを比較します。

2-1. 主な銘柄と特徴

証券コード名称特徴信託報酬NISA対応現物交換
1540純金上場信託国内保管・円建て。一定量で現物交換可0.5%前後対応
1326SPDRゴールドシェア(国内上場版)世界最大級ETFの日本版。流動性高い0.4%程度対応不可
1672WisdomTree 金ETF信託報酬が0.39%と国内最低水準0.39%非対応不可
1328NEXT FUNDS 金価格連動型金先物に連動。短期トレード向き0.5%前後対応不可

2-2. ETF選びのポイント

  • 長期保有なら1540か1326 → 流動性と信頼性のバランスが良い
  • コスト重視なら1672 → ただしNISA非対応に注意
  • 短期トレード派なら1328 → 先物連動のため、長期投資には不向き

2-3. 日本ETFのメリットと注意点

  • ✅ 円建てで取引でき、為替リスクを直接意識せずに済む
  • ✅ 日本の証券会社で簡単に売買できる
  • ❌ 米国ETFに比べると信託報酬がやや高い
  • ❌ 商品によっては流動性が限定的

第3章|米国ETFの特徴と比較

世界的に取引量が多く、低コストなETFが揃うのが米国市場です。

3-1. 代表的な米国ETF

ティッカー名称信託報酬特徴
GLDSPDR Gold Shares0.40%世界最大の金ETF。流動性抜群
IAUiShares Gold Trust0.25%GLDより安く長期投資向き
GLDMSPDR Gold MiniShares0.10〜0.18%超低コスト、小口投資可能
BARGraniteShares Gold Trust0.17%前後低コスト+現物裏付け

3-2. 米国ETFのメリット

  • ✅ 信託報酬が低く、長期投資向き
  • ✅ 流動性が高く、価格乖離が小さい
  • ✅ GLDMなど小口で購入できるETFも存在

3-3. 注意点

  • ❌ ドル建てのため、為替リスクがある
  • ❌ 海外ETFは日本のNISA対象外が多い
  • ❌ 米国課税制度との関係で確定申告が必要なケースも

第4章|純金現物投資(地金・コイン)

4-1. メリット

  • ✅ 実物資産として「手元に残る」安心感
  • ✅ 長期保有での税制メリット(5年以上保有で長期譲渡所得扱い)
  • ✅ コレクション的価値(記念コインやプレミアムコイン)もあり得る

4-2. デメリット

  • ❌ 購入手数料(販売マージン)が高い
  • ❌ 保管コストや盗難リスクがある
  • ❌ 流動性がETFに比べ低い

第5章|どの投資法を選ぶべきか?タイプ別おすすめ

  • 初心者・NISA活用したい人 → 国内ETF(1540・1326)
  • コスト重視・長期運用派 → 米国ETF(GLDM・IAU)
  • 資産の一部を「安全資産」として残したい人 → 現物(金地金・コイン)

第6章|金投資の戦略とポートフォリオ活用

6-1. ポートフォリオでの位置づけ

  • 金は「無配資産」ですが、株式・債券と逆相関の動きをすることが多く、分散投資効果が高い。
  • 一般的には ポートフォリオの5〜10%を金に充てるのが推奨されるケースが多い。

6-2. 世界情勢との関係

  • 米ドルの弱体化 → 金価格上昇要因
  • 中東・東アジアなど地政学リスク → 金需要増加
  • 中央銀行の金買い → 長期的な下支え要因

結論:金投資は「ETF+現物」の組み合わせがベスト

  • 短期流動性・コスト重視 → ETF
  • 安心感・資産防衛 → 現物
  • 米国ETFを組み合わせるとさらに低コスト

金は単体で利益を狙うというよりも、「守りの資産」として長期ポートフォリオの安定性を高める目的で保有するのが最適です。

現在米株、日本株共に割高感と過熱感が出ている中、安全資産(?)寄りにポートフォリオをリバランスするのも良いと考えています。安全資産と言いながら値上がり率は他の米国インデックスより優れていますね。😄

コメント

タイトルとURLをコピーしました