きたー!iDeCoスティルス増税!入り口で掛け金増やして出口で税金回収!

先ずはiDeCoの基本情報 


ご参照:

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資産形成をサポートするための制度として、多くの方に利用されています。掛け金は全額所得控除の対象となり、運用益も非課税と、節税効果が高いとされています。しかし、受け取り時の税制については注意が必要という事は以前お話ししましたが今回、iDeCoの掛け金増額改正し控除額が増える!という裏でひっそりと・・・・・・

iDeCoの受け取りと税制の関係

iDeCoの受け取り方法は主に以下の3つがあります:

  1. 一時金として受け取る:退職所得として扱われ、「退職所得控除」の対象となります。
  2. 年金形式で受け取る:雑所得として扱われ、「公的年金等控除」の対象となります。
  3. 併用して受け取る:一時金と年金形式を組み合わせて受け取る方法です。

特に、一時金として受け取る場合、退職所得控除の適用がありますが、他の退職金との関係に注意が必要です。

ケーススタディ:iDeCoと企業退職金を受け取る場合の税負担

以下の条件でシミュレーションを行います:

  • 企業退職金:1,000万円(勤続30年)
  • iDeCo一時金:1,000万円(加入期間20年)

退職所得控除額は、勤続年数に応じて計算されます。勤続年数が20年を超える場合、控除額は以下の式で求められます:

退職所得控除額 = 800万円 + 70万円 × (勤続年数 – 20年)

このケースでは、勤続年数は30年ですので、退職所得控除額は:

退職所得控除額 = 800万円 + 70万円 × (30年 – 20年)

                 = 800万円 + 70万円 × 10年

                 = 800万円 + 700万円

                 = 1,500万円

企業退職金とiDeCo一時金を同じ年に受け取る場合、これらは合算され、退職所得控除が適用されます。

合計受取額 = 企業退職金 + iDeCo一時金

            = 1,000万円 + 1,000万円

            = 2,000万円

退職所得金額は、以下の式で計算されます:

退職所得金額 = (合計受取額 – 退職所得控除額) × 1/2

                = (2,000万円 – 1,500万円) × 1/2

                = 500万円 × 1/2

                = 250万円

この250万円が課税対象となります。所得税の税率は累進課税であり、課税所得が195万円以下の場合、税率は5%です。

所得税額 = 退職所得金額 × 税率

           = 250万円 × 5%

           = 12万5,000円

さらに、住民税(10%)も加算されます。

住民税額 = 退職所得金額 × 10%

           = 250万円 × 10%

           = 25万円

合計の税負担は:

総税額 = 所得税額 + 住民税額

        = 12万5,000円 + 25万円

        = 37万5,000円

iDeCoと企業退職金を同じ年に受け取ると、退職所得控除の枠を共有するため、課税対象額が増加します。これを避けるためには、受け取り時期をずらすことが有効です。具体的には、iDeCoの受け取りを退職から5年以上後に行うことで、退職所得控除の適用を再度受けることが可能となります。

5年以上後 から 10年以上後!!に改悪

退職所得控除の適用において、退職金とiDeCoの一時金を受け取る時期が5年以内に重なると、控除額が減少する仕組みがありこれを「5年ルール」と言いますがこれが「10年ルール」に変更されます。退職金とiDeCoの受取時期を10年以上離さないと、退職金控除を2度使用できない。

職金とiDeCoの一時金の受取時期を10年以上あけて受け取る事が最も効果的ですが、60歳でiDeCoの一時金を受け取り、退職金は70歳以降に受け取ることで、両方の退職所得控除をフルに活用できます。

受け取り順序による影響

  1. 退職金を先に受け取る場合:
    • 退職金を受け取った後、19年間は退職所得控除の適用に制限があります。この期間内にiDeCoを一時金で受け取ると、勤続年数とiDeCo加入年数の重複期間に対して控除額が減額される可能性があります。(19年ルール)
  2. iDeCoを先に受け取る場合:(こちらの場合が改悪に
    • iDeCoを先に受け取り、その後10年以上経過してから退職金を受け取ると、退職所得控除を満額適用できる可能性があります。この「5年ルール」「10年ルール」により、税負担を軽減できる場合があります。

iDeCoは60歳まで資金ロックされることがデメリットの一つと言われています。それを払しょくするメリットの一つとして退職金控除をフルで使用できる制度がありました。しかしながらこの改正で60歳でiDeCoの一時金を受け取り、10年待って70歳で企業退職金を受給しないと税制メリットがMAXで得られなくなりました。下手をすると70歳まで資金ロックになってしまいます。

そもそも退職金は60歳で受け取ることが前提ですのでiDeCoを一時金として60歳で受け取れても2回目の退職金控除を使う為には70歳まで退職金を受け取る時期を延長しなければなりませんね。この改正は定年60歳で65歳まで就業可能を定年65歳にし70歳まで働いてもらう為の布石に見えてしまうのは筆者だけでしょうか。。。。。。これだとNISA優先で運用するのが良いかもしれません。

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