435Aと1478・1698を相場局面別に徹底比較する
はじめに|「高配当ETFはどれも同じ」ではない
日本株の高配当ETFが増える中で、
最近とくに注目を集めているのが iFreeETF 日本株配当ローテーション戦略(435A) です。
一方で、従来から根強い人気を持つのが、
- 1478:iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF
- 1698:東証配当フォーカス100 ETF
といった「一般的な高配当ETF」です。
一見すると、
「どれも日本株 × 高配当」
という同じカテゴリーに見えますが、中身(設計思想)をよく見ると、実はまったく別の性格を持っています。
そしてこの違いは、
相場が上がるのか、横ばいなのか、下がるのか
によって、はっきり“向き・不向き”として現れます。
この記事では、
- 435Aと1478/1698の違い
- 相場局面別(上昇・横ばい・下落)の勝ち筋/負け筋
- 今の日本株高値圏でどう使うべきか
を、長期投資・高配当投資家の視点で整理していきます。
第1章|3つのETFは「狙っている果実」が違う
① 435A|配当ローテーション戦略(回転型)
435Aの最大の特徴は、
「次回の配当」を重視して銘柄を入れ替える点です。
- 権利確定日が 原則3か月以内
- 次回予想配当利回りが高い銘柄を選定
- 原則、毎月末に銘柄入替
つまり435Aは、
「この先1年の配当」
ではなく
「次にもらえる配当」を取りに行くETF
です。
個人投資家が個別株でやろうとすると非常に手間がかかる
“配当取り+入替”を、
ルール化してETFにしたもの、と考えると分かりやすいでしょう。
② 1478|配当の「持続性」を重視する高配当ETF
1478は、
単に利回りが高い銘柄を集めるETFではありません。
- 財務健全性
- 配当の持続性
- 極端な無理配当の排除
といった 品質フィルター を通過した銘柄だけを組み入れます。
言い換えると、
「今の配当が高いか」より
「この配当は続きそうか」
を重視したETFです。
③ 1698|規模と配当を広く拾う“配当インデックス”
1698は、
- TOPIX1000 + 東証REIT
- 時価総額と配当利回りを考慮
- 100銘柄(株式90+REIT10)
- 入替は 年2回
という、かなりオーソドックスな高配当インデックス型です。
特徴は、
- 分散が効いている
- 値動きが比較的マイルド
- 個別のクセが出にくい
という点にあります。
第2章|相場局面別に見る「勝ち筋/負け筋」
ここからが本題です。
同じ高配当ETFでも、相場局面によって“活きる・死ぬ”がはっきり分かれます。
① 上昇相場(強気相場)
結論
- 有利:1478・1698
- 不利:435A
なぜ435Aは不利になりやすいのか?
上昇相場では、
株価上昇の主役は「成長期待」「テーマ性」「モメンタム」です。
435Aは、
- 権利確定前後で銘柄を入れ替える
- 上昇トレンドを長く持ち続ける設計ではない
ため、
「上がり続ける株に居座る」
ことが苦手です。
権利落ちや入替によって、
値上がり益を取り逃すケースが出やすくなります。
1478・1698はなぜまだマシか?
1478・1698は、
- 基本は「持ちっぱなし」
- 入替頻度が低い
ため、
上昇トレンドに一度乗ると、比較的置いていかれにくい構造です。
とはいえ、高配当株はグロース株ほどは伸びません。
「勝てはしないが、大負けもしにくい」
それが上昇相場での立ち位置です。
② 横ばい相場(レンジ相場)
結論
- 最有利:435A
- 有利:1478・1698
435Aが本領を発揮する局面
株価が上下を繰り返し、
指数としてはほとんど動かない――
こうした相場では、キャピタルゲインが取りづらい一方で、
「配当をどれだけ積み上げられるか」
が効いてきます。
435Aは、
- 権利確定が近い銘柄を狙い
- 配当を受け取り
- 次の配当機会へと乗り換える
という設計のため、
横ばい相場では非常に理にかなった動きをします。
1478・1698も安定して強い
1478・1698も、
- 値上がりはなくても
- 配当が着実に積み上がる
ため、トータルリターンは悪くなりにくいです。
ただし、
- 配当の“回転力”という点では
- 435Aに一歩譲る
という位置づけになります。
③ 下落相場(弱気相場)
結論
- 最も耐えやすい:1478
- 注意:1698
- 最も不利:435A
435Aが苦しくなる理由
下落相場では、
- 高利回りに見える=株価が下がっている
- 実は減配・無配の前兆
というケースが増えます。
435Aは、
- 次回予想配当利回りを重視
- 月次で入替を行う
ため、
下落 → 高利回りに見える → 採用 → さらに下落
という “往復ビンタ” を食らいやすい構造です。
1478は「守りの高配当」
1478は、
- 配当の持続性
- 財務の健全性
を重視しているため、
減配ショックを相対的に受けにくい設計です。
下落相場では、
「利回りの高さ」より
「配当が本当に出るか」
が重要になります。
その点で、1478は最も安心感があります。
1698は「鈍さ」が武器にも弱点にも
1698は年2回入替のため、
- 急落局面での入替が遅れる
- 悪化銘柄をしばらく抱える
という弱点があります。
一方で、
- 短期ノイズで振り回されにくい
- 売り急ぎが起きにくい
というメリットもあります。
第3章|今の日本株高値圏での現実的な使い分け
現在の日本株は、
- バリュエーションは高め
- 高配当銘柄は利回りが圧縮
という状況です。
この環境での結論は明確です。
✔ コア(長期保有)
- 1478 または 1698
理由:
- 高値圏では「ルールが鈍い」方が事故りにくい
- 配当の持続性・分散が効く
✔ サテライト(戦略枠)
- 435A
条件:
- 少額
- 調整局面を待つ
- 横ばい相場を想定
435Aは「主力」にするとブレます。
使うなら“スパイス”としてが正解です。
おわりに|高配当ETFに「万能」はない
高配当ETFは、
- 上昇相場で夢を見る商品ではありません
- 相場環境との相性がすべてです
435Aは悪いETFではありません。
むしろ、ハマる局面では非常に理にかなった設計です。
ただし、
「いつでも勝てる高配当ETF」
ではありません。
だからこそ、
- 相場局面を意識する
- コアとサテライトを分ける
- 自分の役割を明確にする
これが、
高配当ETFと長く付き合うための最大のコツだと考えています。






コメント