〜株高相場の「守り」と「攻め」を両立する国債活用術〜
◆はじめに:日本国債が再び脚光を浴びる時代へ
長いゼロ金利の時代を経て、ついに日本でも金利が動き始めました。
植田日銀総裁の発言をきっかけに、
**「年内に政策金利が1%に届く可能性」**が現実味を帯び、
市場では利上げを織り込む形で国債利回りが急上昇。
その影響で、
- 株式市場は荒れ気味
- 債券価格は下落(=利回り上昇)
- リスク資産に偏ったポートフォリオの見直しが加速
つまり今、
“債券の出番が10年以上ぶりに本気で来ている”
と言って差し支えない状況なのです。
特に、
インフレが続く中で株式一本足打法に不安を覚えている投資家にとって、
日本国債は **「円建ての安全資産」**として再注目されています。
本記事では、
- 今の日本国債は買いなの?
- 債券市場は今後どう動く?
- 生債券/ETF/投信どれが最適?
- 実際どういうスケジュールで買うべき?
などを、やさしく、かつ本質的に解説します。
◆第1章:日本国債とは?投資対象としての本質を整理
まず大前提として、日本国債は
✔ 発行体は「日本政府」
✔ 事実上の無リスク資産とみなされる
✔ 満期まで保有すれば価格変動は関係ない(※生債券の場合)
また、株式や外債との大きな違いは、
| 項目 | 日本国債 | 株式 | 海外債券 |
|---|---|---|---|
| リスク | 小 | 大 | 中 |
| リターン | 小 | 大 | 中〜大 |
| 為替リスク | 無 | 有(海外株の場合) | あり(ヘッジ可能) |
| 価格変動 | 小 | 大 | 中 |
「資産の土台」
= 日本国債+現金
ここが揺らがないことが、
投資家として長く戦い続けるための“勝ち筋”です。
◆第2章:なぜ今、日本国債が注目されているのか?
背景はシンプルでありながら極めて重要。
主に以下の3つです。
① 日本が利上げ局面へ
- 10年国債利回りは1.8〜1.9%
- 20年国債は2.7%前後
リーマン以前の水準です。
「利回り1%未満」が当たり前だった数年間を思い返すと
今がどれだけ“まともな金利”に近づいているかが分かります。
② ゼロ金利の終焉=資産運用戦略が大転換期へ
金利とは「お金の値段」
=全ての投資資産の基準価格。
金利上昇は、
- 株式:割引率上昇 → 理論価値下落
- 円:金利差縮小 → 円高方向へ
- 債券:金利上昇 → 価格下落だが利回り上昇
つまり、
これまでの「株だけでOK」という相場は終わりつつある
③ インフレで現金放置が危険に
インフレ率が1.5〜2%
→ 現金は実質マイナス利回りに。
国債で1.8%の利回りが取れれば、
現金 → 日本国債への置き換えは合理的
◆第3章:日本国債投資の選択肢と特徴
国債と一口に言っても種類はさまざま。
ここで整理します。
▼生債券(市場債)
- 新発国債(10年/20年/30年など)
- 満期まで保有で利回り確定
- 中途売却時は価格変動リスク大
➡ 長期ロックできる資金に向く
▼個人向け国債(変動10年)
特徴:
- 利上げに追随(半年ごと見直し)
- 元本保証
- 中途換金のペナルティが軽い
➡ 今のような局面に最適
▼ETF(236Aなど)
- 少額からリアルタイム売買
- 信託報酬が低い
- 流動性◎
- 価格変動の恩恵(値上がり益)も狙える
➡ 相場を見ながら積み増しする攻めのパーツ
▼投資信託(国内債券インデックス等)
- 積立設定が容易
- 分配金再投資で複利効果
- 信託報酬がETFより高め
➡ 長期の積立には便利
◆第4章:今後の金利シナリオと投資影響
先ずは主にこの3つで考えます。
シナリオA:政策金利1%前後で着地(ソフトランディング)
- 10年利回りは2.0%付近で安定
→ 今の利回りは悪くない
→ 国債保有は十分合理的
シナリオB:さらなる利上げ → 長期金利は2.3〜2.5%
- 債券価格は一時下落
- その代わり将来利回りが上がる
→ 積立購入が成功しやすいシナリオ
シナリオC:景気悪化 → 利下げへ逆回転
- 債券価格上昇!
- ETFは含み益拡大
→ “保険”として機能
◆第5章:最適な日本国債の組み込み方(実践編)
読者の多くは
「株60%:債券30%:現金10%」
くらいが理想だと思います。
この債券30%のうち、
日本国債=5%(全体の1.5%)
これが最も効率的であり“守り過ぎない守り”です。
📌 推奨ポートフォリオ(例:総資産3,000万円)
| 分類 | 組入比率 | 金額 |
|---|---|---|
| 株式 | 60% | 1,800万円 |
| 債券合計 | 30% | 900万円 |
| ┗日本国債 | 5% | 45万円 |
| 現金 | 10% | 300万円 |
分散と成長を両立できるバランス!
◆第6章:購入スケジュール(買い付けカレンダー)
株式とは違い、債券はタイミングが収益を左右しやすい。
そこで提案👇
🔹変動10年 国債(30万円)
| 12/10(会合前) |
|---|
| まずは土台作り |
🔹ETF(236A など)15万円を3回に分散
| 買付日 | ポイント |
|---|---|
| 12/19 | 会合後のショック狙い |
| 1/16 | 金利変動の余波を拾う |
| 2/13 | 春の追加利上げ観測で押し目 |
📌金利が2.1%を超えたら
→ さらに+5万円を追加で「ご褒美買い」
◆第7章:リスク管理と出口戦略
日本国債にも弱点はあります。
- インフレが急拡大 → 実質利回り悪化
- 利上げ継続 → ETF含み損一時拡大
この対策として
変動10年:守り
ETF:攻め
この組み合わせが最適です。
出口方針はシンプル 👇
| 状況 | 行動 |
|---|---|
| 金利低下 → 債券価格上昇 | ETF利益確定→株に回す |
| 金利上昇続く | 積み増し継続(ドルコスト) |
| 株価暴落 | ETF売却せず、現金から株へ |
◆第8章:まとめ|日本国債の時代が再来した
ここ数年、
「債券は儲からない」という誤解が広がっていました。
しかし2025年、
日本国債は輝きを取り戻しつつあります。
📌最重要ポイントおさらい
- 日本は利上げ局面へ
- 国債利回りは歴史的に見ても魅力的水準
- 株価が高い中で、守りの資産として必須
- 変動10年+ETFで攻守バランス最強
- 時間分散で買うことで、負けにくい
お金の安全基地=日本国債
その上に成長資産=株式を積み上げる
この構造が、
投資家として長くリターンを得続ける最短ルートです。
◆終わりに:あなたの資産はまだまだ強くできる
これから間違いなく、
日本の金融環境は数十年ぶりの大転換を迎えます。
その変化に備え、
- 不安に流されない
- 過度なリスクを取らない
- しかし成長も諦めない
そんな“粋な投資家”でありたいですよね😌✨





コメント