2025年3月28日に発表された米国の経済指標により、スタグフレーションへの懸念が高まりました。主な指標は以下のとおりです。
1. 個人消費支出(PCE)価格指数:
- 2月のコアPCE価格指数(食品とエネルギーを除く):前年同月比で2.8%上昇し、前月の2.6%から加速しました。
2. ミシガン大学消費者信頼感指数(3月確報値):
- 消費者信頼感指数:57.0と、前月の64.7から低下し、2年ぶりの低水準となりました。
これらの指標は、物価上昇と消費者信頼感の低下を示し、スタグフレーションへの懸念を強める要因となっています。
この指標を受け米国の主要株価指数は以下の通り下落しました:
- S&P 500:前日比 -112.37ポイント(-1.97%)の5,580.94で取引を終了しました。
- ダウ工業株30種平均:前日比 -715.80ポイント(-1.69%)の41,583.90で終了しました。
- ナスダック総合指数:前日比 -481.04ポイント(-2.70%)の17,322.99で取引を終えました。
さらに週明け(年度末)前場の日本株式市場の日経平均は一時-1500円大幅下落に陥っています。(終値で-1502.77円)
スタグフレーションとは
「スタグフレーション(Stagflation)」とは、以下の2つの経済現象が同時に起こる状態を指します:
✅ 1. 経済の停滞(Stagnation)
景気が悪く、GDPの成長が鈍化、あるいはマイナス成長している状態。
✅ 2. インフレーション(Inflation)
物価が上昇し、生活費が上がっている状態。
🔁 通常の経済理論との矛盾
一般的には、景気が悪ければ物価は下がりやすい(デフレ)とされますが、スタグフレーションは「景気が悪いのに物価が上がる」という異常事態です。
🧠 原因の例
- 原材料(特に石油など)の価格高騰
- 外的ショック(戦争・パンデミックなど)
- 金融政策のミス(過剰な金融緩和など)
🧩 日本や世界での事例
- 1970年代のオイルショック後のアメリカや日本
- 現代でも、エネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱によって「スタグフレーション懸念」がたびたびニュースになります。
⚠️ スタグフレーションのリスク
- 企業の利益が減り、雇用が悪化
- 家計の支出が増えるのに収入は減る
- 金融政策(利下げで景気刺激 or 利上げで物価抑制)が難しい

各国の対策
そして、2025年3月現在、世界経済はスタグフレーション(景気停滞とインフレの同時進行)の懸念が高まっています。
アメリカの状況と対応策:
米連邦準備理事会(FRB)の最新の経済見通しでは、「軽度のスタグフレーション」が想定されています。これは、関税引き上げなどの政策がインフレを促進し、同時に経済成長を鈍化させる可能性があるためです。FRBは、インフレ抑制と雇用最大化という二重の責務の間で、複雑な政策運営を迫られています。
日本の状況と対応策:
日本では、2025年の春闘で平均賃上げ率が5.0%と予想されていますが、実質賃金の伸び悩みが続いています。これは、物価上昇が賃金上昇を相殺しているためです。政府と日銀は、金融緩和政策を維持しつつ、賃金と物価の好循環を目指していますが、効果は限定的とみられています。
ヨーロッパの状況と対応策:
ユーロ圏では、エネルギー価格の高騰や供給制約により、スタグフレーション的状況が長期化する懸念があります。欧州中央銀行(ECB)は、インフレ抑制のための利上げと、景気支援のための緩和策のバランスを模索しています。
中国の状況と対応策:
中国では、景気の長期低迷から脱出できない可能性が指摘されています。政府は大規模な財政出動や金融緩和を実施していますが、効果は限定的であり、構造的な問題が浮き彫りになっています。
まとめ:
各国はスタグフレーションのリスクに直面し、それぞれの状況に応じた政策対応を進めています。しかし、インフレ抑制と景気刺激の両立は難しく、今後の経済動向には引き続き注意が必要です。

日本の対策
景気減速に対して利下げをする余地はありますが、日本には利下げ余地はほぼありません。それでは、スタグフレーション(景気停滞と物価上昇の同時進行)に直面した際、日本の政策対応と国民の心構えについて考えてみましょう。
日本の政策対応:
- 金融政策の調整: 日本銀行は、長年のデフレからの脱却を目指し、2025年1月に金利を0.5%に引き上げました。 しかし、さらなる利上げは景気を冷やす可能性があり、慎重な判断が求められます。
- 財政政策の強化: 政府は、低所得者層への給付金や地方自治体への補助金など、生活費高騰への対策を含む新たな経済対策を指示しています。 これにより、消費の下支えと景気の安定化を図っています。
- 賃金と投資の促進: 継続的・安定的な賃上げと官民連携での計画的投資を通じて、需給ギャップの縮小を進めることが重要です。 これにより、賃金と物価がともに上昇する好循環を目指します。
国民の心構え:
- 資産の多様化: インフレに備え、現金だけでなく、株式や不動産、金などの現物資産への投資を検討することが有効です。 これにより、資産価値の目減りを防ぐことが期待されます。
- 外貨資産の保有: 円安による購買力低下に備え、外貨建て資産を一部保有することで、リスク分散が図れます。
- 生活防衛意識の向上: 物価上昇に対応するため、家計の見直しや節約を心がけるとともに、必要に応じて副業やスキルアップを検討することが重要です。
スタグフレーションは、政策対応が難しい経済状況ですが、政府と国民が協力し、適切な対策と心構えを持つことで、その影響を最小限に抑えることが可能です。
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