NFTの始め方と注意点を徹底解説!!

NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)は、ブロックチェーン技術を利用してデジタルデータに唯一性と所有権を付与する仕組みです。これにより、デジタルアート、音楽、ゲーム内アイテムなどのデジタル資産が唯一無二のものとして扱われ、所有者や取引履歴が明確に記録されます。


NFTの特徴

  • 非代替性:各NFTは固有の情報を持ち、同一のものが存在しないため、他のNFTと交換できません。
  • 所有権の証明:ブロックチェーン上に所有者情報が記録されるため、デジタル資産の所有権を明確に証明できます。
  • 取引の透明性:取引履歴が公開されており、誰がいつどのように取引したかを追跡可能です。

NFTは、デジタルアートの販売やゲーム内アイテムの取引、音楽や動画の所有権証明など、さまざまな分野で活用されています。特に、アーティストやクリエイターが自身の作品を直接販売し、収益を得る手段として注目されています。

ただし、NFT市場はまだ新興であり、法整備や環境負荷、投機的な価格変動などの課題も指摘されています。NFTの取引や投資を検討する際は、これらのリスクを十分に理解し、慎重に行うことが重要です。


NFTを始めるための手順

1. 仮想通貨取引所で口座を開設し、仮想通貨を購入する

NFTの取引には主にイーサリアム(ETH)が使用されます。まず、国内の仮想通貨取引所で口座を開設し、日本円を入金してイーサリアムを購入します。例えば、Coincheck(コインチェック)では、スマホアプリから簡単に口座開設が可能です。

※NFT(非代替性トークン)の取引には、主に以下の暗号資産(仮想通貨)が使用されています。

・イーサリアム(Ethereum, ETH):最も一般的に使用される暗号資産で、多くのNFTマーケットプレイスがイーサリアムブロックチェーン上で運営されています。

・ソラナ(Solana, SOL):高速かつ低コストの取引が特徴で、ソラナブロックチェーン上のNFTマーケットプレイスも増加しています。

・バイナンスコイン(Binance Coin, BNB):バイナンススマートチェーン上でのNFT取引に使用されます。

・ポリゴン(Polygon, MATIC):イーサリアムのサイドチェーンとして機能し、手数料の低さからNFT取引に利用されています。

これらの暗号資産は、それぞれのブロックチェーン上で発行・取引されるNFTの購入や販売に使用されます。取引を行う際は、各ブロックチェーンの特性や手数料を考慮し、適切な暗号資産を選択することが重要です。

2. 仮想通貨ウォレットを作成する

購入したイーサリアムを保管・管理するために、仮想通貨ウォレットを作成します。MetaMask(メタマスク)は、イーサリアム系の仮想通貨の管理に適したウォレットで、Google ChromeやFirefoxの拡張機能としてインストールできます。

<MetaMaskのインストール方法と使い方>

1. インストール方法

  • PC版(ブラウザ拡張機能)
    1. 公式サイト MetaMask にアクセスし、「Download」からお使いのブラウザ(Chrome、Firefox、Brave、Edge)に対応した拡張機能を選択します。
    2. ブラウザの拡張機能ストアに移動するので、「追加」ボタンをクリックしてインストールします。
  • スマートフォン版(アプリ)
    1. App Store(iOS)またはGoogle Play(Android)で「MetaMask」を検索し、アプリをダウンロード・インストールします。

2. 初期設定

  • ウォレットの作成
    1. インストール後、アプリを起動し、「開始」をクリックします。
    2. 「新しいウォレットの作成」を選択し、利用規約に同意します。
    3. ログイン用のパスワードを設定します。
  • シークレットリカバリーフレーズの保存
    1. 12個の英単語からなるシークレットリカバリーフレーズが表示されます。
    2. このフレーズはウォレットの復元に必要不可欠です。紙に書き留めるなどして安全に保管し、他人と共有しないよう注意してください。

3. 基本的な使い方

  • 入金
    1. MetaMaskを開き、ウォレットアドレスをコピーします。
    2. 仮想通貨取引所からコピーしたアドレス宛にイーサリアムなどの仮想通貨を送金します。
  • 送金
    1. MetaMask内で「送信」を選択し、送金先のアドレスと金額を入力します。
    2. ガス代(手数料)を確認し、問題なければ送信を確定します。
  • dAppsとの連携
    1. 対応するdAppサイトにアクセスし「ウォレット接続」などのボタンをクリックします。
    2. MetaMaskが起動し、接続の許可を求められるので、内容を確認して承認します。

   ※dApps:分散型アプリケーションを意味するDecentralized Applicatoinの略称

MetaMaskは、NFTの購入やDeFiサービスの利用など、さまざまなブロックチェーン関連の活動を安全かつ簡便に行うことができます。ただし、シークレットリカバリーフレーズや秘密鍵の管理には十分注意し、第三者に共有しないよう心掛けてください。

※DeFiDeFi(Decentralized Finance、分散型金融)とは、ブロックチェーンを基盤にした中央集権的な管理者を必要としない金融サービスのことで、イーサリアムチェーンを中心に様々なブロックチェーン上で展開されている。

3. ウォレットにイーサリアムを送金する

取引所で購入したイーサリアムを、作成したMetaMaskウォレットに送金します。取引所の送金画面で、MetaMaskのウォレットアドレスを入力し、送金手続きを行います。ウォレットアドレスの入力ミスを防ぐため、コピー&ペーストを利用すると良いでしょう。

4. NFTマーケットプレイスとウォレットを連携させる

NFTを購入・販売するために、NFTマーケットプレイスとMetaMaskウォレットを連携させます。OpenSea(オープンシー)やCoincheck NFTなどのマーケットプレイスにアクセスし、ウォレット接続の手続きを行います。日本のマーケットプレイスも増えており安全性は高いです。

5. NFTを購入・販売する

マーケットプレイスで気に入ったNFTを探し、購入手続きを行います。また、自身のデジタルコンテンツをNFTとして販売することも可能です。販売する場合は、コンテンツのアップロードや価格設定などの手続きを行います。

これらの手順を踏むことで、NFTの取引を開始できます。取引の際は、手数料(ガス代)やセキュリティに注意し、慎重に進めることが重要です。

NFTを扱う上での注意点

  • コピーとの混同に注意:NFTはデジタルデータの所有権を証明しますが、データ自体はコピー可能です。購入者は公式の所有者となりますが、複製物の作成を防ぐことはできません。
  • 製作者の詐称に注意:NFTプラットフォームでは、アカウントの身分確認が必ずしも完璧ではなく、詐称による詐欺が問題となっています。購入前に、詳細情報や公式サイトのリンクを確認し、製作者が本物であるかを確認することが重要です。
  • データの利用環境に依存:NFT化されたデジタルデータは、閲覧や利用がシステム環境に依存します。例えば、NFTゲームのアイテムは、ゲーム運営会社のサービスが終了すると利用できなくなり、価値が下がる可能性があります。購入前に、サービス提供者の信頼性を確認しましょう。
  • 法整備の未整備:NFTは新しい技術であり、法的な枠組みが整備されていない部分があります。特に、NFTが有価証券とみなされる可能性があり、未登録で販売すると法的リスクが生じる場合があります。最新の法規制情報を常に確認することが重要です。
  • 価格変動リスク:NFT市場は新しく、価格の変動が激しいです。投資目的での購入は、価格のボラティリティを十分に理解し、慎重に行う必要があります。

NFT(非代替性トークン)の普及に伴い、さまざまな詐欺手口が報告されています。主な手口とその対策を以下にまとめます。

主な詐欺手口:

  1. 偽NFTの販売: 有名アーティストや人気プロジェクトを装った偽のNFTを販売し、購入者を欺く手口です。
  2. フィッシング詐欺: 公式サイトやマーケットプレイスを装った偽サイトに誘導し、ウォレット情報やシークレットリカバリーフレーズを盗み取る手口です。
  3. ラグプル(Rug Pull): 新規プロジェクトを立ち上げ、投資家から資金を集めた後、プロジェクトを放棄して資金を持ち逃げする手口です。
  4. サポートを装った詐欺: 公式サポートを名乗り、ユーザーに連絡して個人情報やウォレット情報を取得しようとする手口です。

対策方法:

  • 公式情報の確認: 公式サイトや公式SNSアカウントからの情報を確認し、信頼性を確保しましょう。
  • 個人情報の保護: シークレットリカバリーフレーズやパスワードを他人と共有しないよう徹底しましょう。
  • ウォレットの使い分け: 用途に応じて複数のウォレットを使用し、リスク分散を図りましょう。
  • セキュリティ対策の強化: 二段階認証の設定やセキュリティソフトの導入など、セキュリティ対策を万全にしましょう。
  • 情報収集と慎重な判断: 新しいプロジェクトや投資先については、十分な情報収集を行い、慎重に判断しましょう。

これらの対策を講じることで、NFTに関連する詐欺被害を未然に防ぐことが可能です。

まとめ

NFT(非代替性トークン)は、デジタル資産の所有権を証明する技術として注目されています。2021年には市場が急速に拡大し、取引額は約177億ドルに達しましたが、2023年には約100億ドルに減少しました。今後、音楽、ゲーム、不動産など多様な分野での活用が期待され、技術の進化や法的枠組みの整備により、市場の信頼性と普及が促進されるでしょう。一方で、環境への影響や法的規制の不透明性といった課題も存在します。これらの課題を克服しつつ、NFT市場は成長を続けると期待されています。しかしながら未だ法整備が進んでいないこともありますので常に最新の情報を収集し、注意深く行動してください。

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