S&P500とTOPIXをPER・PBRから分析!どちらに投資妙味があるか?



🧠 まず結論から

  • **PER(株価収益率)**は、株価が「企業の利益」と比べて高いか安いかを見る指標
  • **PBR(株価純資産倍率)**は、株価が「企業の持っている資産」と比べて高いか安いかを見る指標

この2つは、企業価値を評価する基本中の基本ツールです。


🔵 PER(株価収益率)とは?

正式名:Price Earnings Ratio(株価収益率)

  • 計算式
     PER = 株価 ÷ 1株あたり利益(EPS)
  • 意味
     株主が「この企業の利益を何年分買っているか」を示します。
  • イメージ
     たとえばPERが20倍なら「この会社の今の利益水準が続けば、投資額を回収するのに20年かかる」という意味です。
  • 使い方
     ▶ 高すぎるPER ➔ 将来成長を織り込みすぎて割高な可能性
     ▶ 低すぎるPER ➔ 割安か、もしくは業績悪化リスクを織り込んでいる可能性
  • 注意点
     利益が赤字だとPERは出せません。
     また、成長企業はPERが高くても正当化されるケースが多い(例:AI、半導体企業など)

🟡 PBR(株価純資産倍率)とは?

正式名:Price Book-value Ratio(株価純資産倍率)

  • 計算式
     PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)
  • 意味
     株主が「企業の持っている純資産(=資産-負債)」を何倍の値段で買っているかを示します。
  • イメージ
     たとえばPBRが1倍なら、「会社を解散して資産を全部売れば株主に株価相当のお金が返ってくる」イメージです。
  • 使い方
     ▶ PBRが1倍以下 ➔ 市場はその企業の資産を過小評価している可能性(=割安株のサイン)
     ▶ PBRが高すぎる ➔ 企業のブランド力・成長期待が資産価値以上に評価されている
  • 注意点
     資産の中身(例えば在庫や不動産)が実態以上に評価されている場合もあるので、「B/S(貸借対照表)の質」を見ることが大事です。

🏛️実務での活用例

✔️【PERベース】
 ➡ グロース株(成長株)の選別に活用。
  例:「将来利益が急拡大するなら、現在の高PERは問題ない」

✔️【PBRベース】
 ➡ バリュー株(割安株)投資に活用。
  例:「PBR1倍割れ、かつ経営改革中なら再評価される余地あり」

✔️【両方組み合わせ】
 ➡ 市場環境や金利動向によって、PER重視かPBR重視かを使い分けます。   - 金利が高いとき ➔ 割高株(高PER)は売られやすい   - デフレ傾向や低成長局面 ➔ 資産価値重視(PBR)へシフト


🧩 まとめ

指標何を見ている?重要ポイント
PER企業の稼ぐ力利益成長の持続性がカギ
PBR企業の持っている資産資産の質と改革力がカギ


​2025年4月時点におけるS&P 500指数と日本のTOPIX指数のPER(株価収益率)およびPBR(株価純資産倍率)を基に、両市場のバリュエーションを比較・分析いたします。​


📊 S&P 500(米国)

  • PER(株価収益率):​19.8倍(12カ月先予想ベース)
    これは過去5年平均(19.9倍)をやや下回り、10年平均(18.3倍)を上回っています。 ​
  • PBR(株価純資産倍率):​4.65倍(2025年4月24日時点)
    これは長期平均の3.68倍を大きく上回っており、過去最高値の5.22倍に近い水準です。 ​
  • 市場の見方:​一部のアナリストは、S&P 500の高いバリュエーションに懸念を示しており、特にAI関連銘柄の過熱感や、トランプ政権下での関税政策による企業収益への影響が指摘されています。

🇯🇵 TOPIX(日本)

  • PER(株価収益率):​13.83倍(2025年4月時点、12カ月先予想ベース)
  • PBR(株価純資産倍率):​最新の具体的な数値は確認できませんでしたが、過去のデータや市場の動向から、TOPIXのPBRはS&P 500よりも低い水準にあると考えられます。​
  • 市場の見方:​日本市場では、企業の資本効率改善やガバナンス強化が進められており、特にPBRが1倍を下回る企業に対する改革圧力が高まっています。 ​

🔍 総合比較と分析

指標S&P 500TOPIX
PER19.8倍13.83倍
PBR4.65倍約1倍前後(推定)
評価割高(特にPBR)割安(改善余地あり)

  • S&P 500:​PERは過去平均に近いものの、PBRが高水準であり、特にテクノロジーセクターの影響で全体的に割高感が強まっています。​
  • TOPIX:​PER・PBRともに低水準で、企業改革の進展によりバリュエーションの改善が期待されます。​

✅ 結論

現時点では、TOPIXはS&P 500と比較してバリュエーション面で割安と評価されます。​特に日本企業のガバナンス改革や資本効率の向上が進めば、今後の評価見直しが期待されます。​一方、S&P 500は高いPBRを背景に、今後の企業収益や政策動向に注意が必要です。​

ご質問や特定の銘柄・セクターに関する詳細な分析をご希望の場合は、お気軽にお知らせください。

また例として​2025年4月25日時点における、丸紅、トヨタ自動車、良品計画のPER(株価収益率)およびPBR(株価純資産倍率)を基に、各企業のバリュエーションを分析いたします。​


📊 各社の株価指標一覧

企業名株価(円)PER(倍)PBR(倍)配当利回り備考
丸紅2,4959.031.213.76%好業績・株主還元強化
トヨタ2,6907.790.983.60%割安水準
良品計画4,62626.953.840.90%高成長期待

🟢 丸紅(8002)

  • PER:​9.03(2025年4月25日時点)
  • PBR:​1.21倍
  • 配当利回り:​3.76%(2025年4月15日時点)
  • 業績動向:​料金適正化や利益率の高い業務への注力により、上期は営業利益が13.8%増益。通期では21.2%増益を見込んでいます。
  • 評価:​好業績や株主還元の強化を背景に、株価は見直されつつありますが、PERが低位であることから、依然として割安感があると考えられます。

🔵 トヨタ自動車(7203)

  • PER:​7.79倍(2025年4月25日時点)
  • PBR:​0.98倍
  • 配当利回り:​3.60%(2025年4月15日時点)
  • 業績動向:​2025年3月期通期の業績予想を上方修正し、営業収益を過去最高の47兆円、営業利益を4兆7,000億円、純利益を4兆5,200億円に引き上げました。
  • 評価:​PER・PBRともに割安水準であり、安定した配当利回りも魅力的です。業績の上方修正もあり、投資妙味が高いと考えられます。​

🟡 良品計画(7453)

  • PER:​26.95倍(2025年4月25日時点)
  • PBR:​3.84倍
  • 配当利回り:​0.90%(2025年4月18日時点)
  • 業績動向:​2025年8月期中間決算では、営業収益が前年同期比19.4%増、営業利益が同49.8%増と大幅な増収増益を達成。通期予想も上方修正されています。
  • 評価:​PER・PBRともに高水準であり、株価はやや割高と評価される可能性があります。ただし、業績の好調さや成長期待を織り込んだ結果とも考えられます。

🔍 総合評価

  • 丸紅:​業績好調で株主還元も強化されており、PERが低位であることから、引き続き割安感があると評価されます。
  • トヨタ自動車:​PER・PBRともに割安水準で、安定した配当利回りも魅力的です。業績の上方修正もあり、投資妙味が高いと考えられます。
  • 良品計画:​PER・PBRともに高水準で、株価はやや割高と評価される可能性があります。ただし、業績の好調さや成長期待を織り込んだ結果とも考えられます。

PERとPBRは、会社の「未来の稼ぐ力」と「現在の価値」を評価するための基本です。現在のマーケットを見ると、米国は割高な値段を繰り、日本は割安とされる場合が多いです。個別株においても、トヨタや丸紅の割安感、良品計画の成長期待など、PER、PBRを用いた分析で見える機会は多いです。 決して単一の数値だけを信じるのではなく、結合的な視点で扱うことが、現代の投資対策に欠かせません。

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