【危険水域?】PER20倍×VIX上昇局面で日米株はどうなる?ナスダック失速と日本株高の真相

2026年に入ってから、米国の代表的インデックスであるS&P500や**ナスダック(特にナスダック100の主力銘柄群)**が「強そうで強くない」展開になっています。実際、米株は年初来で伸びが限定的で、ナスダック系はむしろマイナス圏が目立ちます。たとえば米主要指数の年初来は、S&P500が小幅、ナスダックはマイナスという報道も出ています。

一方で日本株は、政局イベントも追い風に、日経平均が年初来で大きく上昇し、TOPIXも高値圏を維持。**「米国が止まり、日本が走る」**という“ねじれ”が生まれました。日経平均は「2026年に入ってから約15%上昇」とReutersが伝えています。

そして今、投資家が同時に気にしているのがこの2つです。

  • 日米ともにPER(株価収益率)が20倍を超える水準で、割高感が消えない
  • VIX(恐怖指数)が20近辺〜20超へ戻り、ボラティリティが“平常”ではなくなっている

この記事では、

  1. なぜ米国インデックスが伸び悩むのか
  2. なぜ日本株が相対的に強いのか
  3. PER20倍×VIX上昇局面で、個人投資家はどう動くのが合理的か
    を、できるだけ再現性の高い「型」に落として深掘りします。

  1. 1. まず現状整理:数字で見る“ねじれ”
    1. 米国:S&P500は小幅、ナスダックはマイナス圏が目立つ
    2. 日本:日経平均は年初来+15%近辺、過熱サインも点灯
    3. バリュエーション:日米ともに「20倍台」
    4. ボラティリティ:VIXが20近辺〜20超へ
  2. 2. なぜ米国インデックスが伸び悩むのか:3つの構造要因
    1. 要因①:指数寄与の偏り(=大型テック依存)の副作用
    2. 要因②:バリュエーションの天井感(PER20倍台は“期待の塊”)
    3. 要因③:VIXの再上昇=市場が“保険料”を払い始めた
  3. 3. なぜ日本株が相対的に強いのか:こちらも3つの構造要因
    1. 要因①:政治イベントが「期待の方向」を揃えた
    2. 要因②:業績・需給の相乗効果(自社株買い・TOBなど)
    3. 要因③:過熱しながらも“買う理由”が残っている(ただし注意点も)
  4. 4. PER20倍×VIX20:この局面の“危険水域”の正体
    1. 危険水域A:景気後退型(“利益が落ちるのにPERが高い”)
    2. 危険水域B:期待先行の調整型(“利益は悪くないが期待が高すぎる”)
  5. 5. では最適解は?:(投資行動の“型”)
    1. ① コアは“落とさない”:積立・長期枠は淡々と
    2. ② サテライトは“ボラに合わせてレバレッジを落とす”
    3. ③ ルールは「VIX×PER」で機械化する(感情を排除)
  6. 6. 今後の注目ポイント:チェックすべきは「指標」より「構造」
    1. 米国株のチェック
    2. 日本株のチェック
  7. まとめ:いまは「当てにいく」より「壊れない設計」

1. まず現状整理:数字で見る“ねじれ”

米国:S&P500は小幅、ナスダックはマイナス圏が目立つ

米国株は大崩れではないものの、上値が重い。APの市況記事では、S&P500の年初来が小幅上昇(ほぼ横ばいに近い)ナスダックが年初来マイナスと整理されています。
また、ナスダック100の年初来リターンについては、データサイトでも2月19日引け時点でマイナスが示されています。

ここで重要なのは、「指数が止まっている」というより、指数を押し上げてきた“主役(大型グロース)”が休んでいることです。いわゆる“マグニフィセント7”の不調が象徴例として報じられています。

日本:日経平均は年初来+15%近辺、過熱サインも点灯

日本株は、政治イベント後の期待(財政・税制・政策)と企業業績・需給が噛み合い、日経平均が強い。Reutersは、日経平均が58,000をつけた局面で**「2026年に入ってから約15%上昇」**と明記しています。

同時に、相場が強い局面ほど“裏側のリスク”も上がります。Reutersは同記事で、日経平均の**14日RSIが72(過熱目安70超)**に達したことにも触れています。

バリュエーション:日米ともに「20倍台」

  • 米国:FactSetの週次レポートで、S&P500のフォワードPERが21.5倍(5年平均20.0、10年平均18.8を上回る)と示されています。
  • 日本:日経平均については、日経指数のデータでPER(Market Cap Basis)が2月19日時点で20.43
    TOPIXも、統計スニペットですがP/E Ratio 19.76が示されています。

つまり、「日本は割安だから買われている」だけでは説明できず、**日米とも“高いところでの勝負”**に入っています。

ボラティリティ:VIXが20近辺〜20超へ

VIXは2月中旬にかけて、20前後〜20超の水準が確認できます(例:2/17に21.74など)。
また、地政学リスクなどを背景に「VIXが20を上回った」との市況整理も出ています。

結論として、いまの相場はこう言い換えられます。

“割高圏で、主役が疲れ、ボラが戻ってきた局面”
それでも日本株は政策期待と需給で相対的に強い


2. なぜ米国インデックスが伸び悩むのか:3つの構造要因

要因①:指数寄与の偏り(=大型テック依存)の副作用

S&P500やナスダック100は、好調期に「一部の超大型銘柄」が指数全体を引っ張ります。ところが、その主役が調整に入ると、指数は途端に伸びなくなる。
実際、巨大テック群の不調が指数の重しになりうる、という趣旨の指摘が出ています。

ここでのポイントは、“米国経済が悪いから株が上がらない”とは限らないこと。
むしろ「勝ちすぎた銘柄が休むだけ」で指数が止まり得る。これが指数構造そのものが生む伸び悩みです。

要因②:バリュエーションの天井感(PER20倍台は“期待の塊”)

FactSetが示すように、S&P500のフォワードPERは21.5倍で、過去平均より高い。
PERが高い局面では、株価は「現在の利益」より「将来の利益」を買っています。すると何が起きるか。

  • 良い決算:上がりにくい(すでに織り込み)
  • 少しの失望:下がりやすい(期待が剥がれる)

これが“伸び悩み”の本質です。上値の燃料は「驚き」しかないのに、その驚きのハードルが上がっている。

要因③:VIXの再上昇=市場が“保険料”を払い始めた

VIXが20近辺〜20超になると、機関投資家はポジションを落としたり、ヘッジを厚くしやすい。実際、2月中旬にVIXが20台を示す日が複数あります。

「VIXが上がると必ず暴落」という単純な話ではありません。
ただし、VIXが上がる局面は多くの場合、

  • 需給が慎重(買い上げにくい)
  • イベント待ち(重要指標・要人発言・地政学など)
  • 上昇トレンドの“調整”

になりやすく、結果として「指数が伸びにくい地合い」が生まれます。


3. なぜ日本株が相対的に強いのか:こちらも3つの構造要因

要因①:政治イベントが「期待の方向」を揃えた

Reutersは、選挙結果を受けた市場の反応として、日経平均が上昇基調を強めた文脈を描いています。
政治の安定・政策期待が「海外勢の日本株アンダーウェイト解消」を促しやすい、という連想は起きやすい。

ここでの重要点は、政策そのものの良し悪しよりも、**“期待が同じ方向に揃う”**ことです。市場は不確実性を嫌うので、方向が見えると資金が動きやすい。

要因②:業績・需給の相乗効果(自社株買い・TOBなど)

日本株はここ数年、株主還元や資本効率改善が構造テーマになりやすく、需給が改善しやすい面があります。実際、国内大手証券の解説でも、自社株買いやTOBが高水準で「株数減少」環境が続く、という見立てが語られています。

需給が良くなると、PERが上がっても「下がりにくい」時間が発生します。
(もちろん、行き過ぎると逆回転も起きます。)

要因③:過熱しながらも“買う理由”が残っている(ただし注意点も)

強い相場には必ず「過熱サイン」が出ます。Reutersが挙げたRSIの70超はその代表例です。
さらに、バリュエーションもTOPIXでP/Eが約19.76など、“高水準”が示唆されています。

つまり日本株は、

  • 強い(トレンド)
  • 高い(バリュエーション)
  • 過熱(テクニカル)

が同時に成立している局面です。
ここから先は、「買うか売るか」ではなく、どう買い、どう守るかの局面に移ります。


4. PER20倍×VIX20:この局面の“危険水域”の正体

あなたの指摘どおり、PER20倍超とVIX上昇が同時に来ると、市場は“危険水域”っぽく見えます。CPもここは重要だと思っています。

ただ、危険水域の中身は2種類あります。

危険水域A:景気後退型(“利益が落ちるのにPERが高い”)

これは一番まずい。
利益が下がる(Eが落ちる)のに、株価がまだ高い(Pが高い)=PERがさらに膨らむ。
このタイプは、指数が急落しやすい。

危険水域B:期待先行の調整型(“利益は悪くないが期待が高すぎる”)

今の雰囲気はこちらが近いケースが多い。
FactSetのレポートでは、S&P500は増益基調の説明が続きつつ、同時にフォワードPERが高いことも示しています。
つまり「利益が壊れた」というより、**“期待が先に走ったぶんの調整”**が起きやすい地合いです。

ここでVIXが20近辺に乗ってくると、相場はこうなりがちです。

  • 上昇が“連続しにくい”(押し目・戻り売りが増える)
  • 好材料でも上値が重い(織り込み)
  • 悪材料には反応が大きい(期待が剥がれる)

だから体感としては「危ない」。しかし本質は、暴落が確定した危険というより、**“上下に振れる危険(リスク量の増加)”**です。


5. では最適解は?:(投資行動の“型”)

ここからが実務パートです。
「当てにいく」より「壊れない」ことが重要になる局面なので、CPは次の3階建てを推します。

① コアは“落とさない”:積立・長期枠は淡々と

  • つみたて(インデックス積立)を止めない
  • ただし一括は分割(時間分散)
  • “下げたら買える現金”を残す

VIXが20近辺〜20超の局面は、良いニュースでも急伸しにくい一方、悪材料で急落しやすい。だからコアは「やめない」、サテライトで「調整する」が合理的です。

② サテライトは“ボラに合わせてレバレッジを落とす”

同じ株式比率でも、VIXが高い時はリスク量が大きい。
だからやるべきは単純で、

  • ポジション量を落とす(または新規を減らす)
  • 1回で入らず、3〜5回に分ける
  • 利益が乗っている部分から、段階的に利確(全部降りない)

“当てる売買”じゃなく、“壊れない売買”にするのがコツです。

③ ルールは「VIX×PER」で機械化する(感情を排除)

おすすめの目安(例)です。

  • VIX<18:通常運転(積立+押し目の買い増し)
  • VIX 18〜22:分割・小さく・逆指値や現金比率を意識
  • VIX>22:新規は慎重、守り(キャッシュ確保、ヘッジ検討)

実際にVIXは2月中旬に20台を示す日が確認できます。
また、PERは米国が21倍台(フォワード)、日本も日経平均で20倍台が確認できます。

この2つが同時に高いときは、“上昇余地”より“ブレ幅”が増えるので、ポジション運用の設計が成績を決めます。


6. 今後の注目ポイント:チェックすべきは「指標」より「構造」

最後に、今後の見方を“構造チェック”に落とします。

米国株のチェック

  • 主役(大型テック)が“戻る”のか、“横ばいで時間調整”なのか
  • フォワードPERが高いままでも、EPS見通しが切り上がるか(=PERの正当化)
  • VIXが20近辺で落ち着くか、さらに上に跳ねるか

日本株のチェック

  • 上昇トレンドが継続しても、RSIなど過熱が“解消する形”で進むか(高値揉み合いは健全)
  • TOPIXのバリュエーションが“業績で吸収”されるか(PERが下がる方向=EPS増)

まとめ:いまは「当てにいく」より「壊れない設計」

  • 米国:指数が伸び悩む主因は、指数寄与の偏り高PER下の期待剥落リスク
  • 日本:強さの主因は、政策期待×需給改善×海外資金の方向性
  • ただし日米ともにPER20倍台、かつVIXが20近辺で、相場は“ブレやすい”
  • 最適解は、コアは継続、サテライトはボラに合わせて縮める(分割・現金・ルール化)

相場は「上か下か」を当てるゲームに見えますが、長期で勝つのはだいたい、
**“荒れても退場しない人”**です。
この局面はまさに、そこが問われています。

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