今回は、注目を集める米国高配当ETF投資について、特にSCHDとVYMを中心に、投資信託との比較も交えながら詳しく解説していきます。
9/27に、楽天証券から米国高配当ETFのSCHDを投資対象とする投資信託が販売されました。これまでVYMをインデックスとする投資信託が主流でしたが、新たな選択肢が増えたことで投資家の皆さんも悩まれているのではないでしょうか。購入のさいのメリットとデメリットを考えていきます。
米国高配当ETF:SCHDとVYMの特徴
VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)の基本情報
- 運用会社: バンガード社
- ベンチマーク: FTSE High Dividend Yield Index
- 経費率: 0.06%
- 資産総額: 約514.34億米ドル
- 配当利回り: 直近で約2.76%
- 設定日: 2006年11月10日
VYMは、米国株式市場に上場されている400銘柄以上の高配当株式で構成されています。主な構成銘柄には、ジョンソン・エンド・ジョンソン、エクソンモービル、JPモルガン・チェースなどがあります。
SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)の基本情報
- 運用会社: チャールズ・シュワブ社
- ベンチマーク: ダウ・ジョーンズ U.S. ディビデンド 100 インデックス
- 経費率: 0.06%
- 資産総額: 約615.72億米ドル
- 配当利回り: 直近で約3.34%
- 設定日: 2011年10月20日
SCHDは、ダウ・ジョーンズ U.S. ディビデンド 100 インデックスに連動することを目指しています。主な構成銘柄には、ロッキード・マーチン、アッヴィ、ブラックロックなどがあります。(日本の証券会社ではETFとしての販売はございません。)
SCHDとVYMの比較
- 配当利回りと増配率: SCHDの成績が良好
- 運用銘柄数: VYMが約400銘柄、SCHDが約100銘柄
- 資産総額: SCHDがVYMを上回り、バンガードS&P500(VOO)よりも高額
日本の投資信託で購入する場合
楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)
- 運用会社: 楽天投信投資顧問株式会社
- 投資対象: シュワブ・米国配当株式ETF(SCHD)
- 決算頻度: 年4回(2月、5月、8月、11月)
- 信託報酬: 年率0.132%
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)
- 運用会社: SBIアセットマネジメント
- 投資対象: バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
- 決算頻度: 年4回(2月、5月、8月、11月)
- 信託報酬: 年率0.1238%
米国ETFを日本の投資信託で購入するメリット
- 円建てで投資できる
- 為替リスクの軽減が可能:米国ETFはドル建てで取引されるため、為替変動によって円換算での評価額が変動するリスクがあります。しかし、日本の投資信託であれば、円建てで投資できるため、為替リスクを軽減できます。
- 少額から投資できる
- 1株単位で購入する必要がない: 米国ETFは、1株単位で購入する必要がありますが、投資信託であれば、100円単位など、少額から投資を開始できます。
- 自動積立ができる
- コツコツと資産形成: 多くの投資信託では、毎月一定額を自動で積立投資することができます。忙しい方でも、手間をかけずに長期的な資産形成が可能です。
二重課税に対するメリットとデメリット
メリット
- 外国税額控除の自動適用:日本の投資信託を通じて米国ETFに投資する場合、通常、外国税額控除が自動的に適用されます。外国税額控除とは、外国で既に支払った税金を、日本の所得税から控除できる制度です。これにより、二重課税を回避し、税負担を軽減することができます。
- 確定申告の手間が省ける:個人が直接米国ETFを購入した場合、外国税額控除を受けるために、確定申告の手続きが必要になります。しかし、投資信託であれば、この手続きが不要なため、手間が省けます。
デメリット
- 信託報酬がかかる: 投資信託には、信託報酬と呼ばれる運用管理費用がかかります。直接米国ETFを購入するよりも、コストがかかる可能性があります。
- 運用成果の制限: 投資信託は、プロのファンドマネージャーが運用するため、個人の裁量で売買を行うことができません。そのため、市場の急変動に対応しにくい場合があります。
投資方法の選択
- 税金の手続きを避けたい方: 投資信託がおすすめです。
- コストを抑えたい方: 直接米国ETFを購入する方が良い場合があります。
- 柔軟な運用をしたい方: 直接米国ETFを購入する方が良い場合があります。
その他の注意点
- NISA口座との組み合わせ: 投資信託は、NISA口座と組み合わせることで、非課税で運用することができます。
- 為替リスク: 米国ETFはドル建てで取引されるため、為替変動によって円換算での評価額が変動するリスクがあります。
- 配当金の扱い(再投資と現金受取): 投資信託の分配金は、再投資される場合と、現金で受け取れる場合があります。分配金を再投資すると、投資に回る資金が増えるため、長期的な資産形成に効果的です。また、分配金の再投資による複利効果が期待でき、税金の負担が少なくなるというメリットもあります。ただし、分配金を再投資すると、NISA口座では「分配金の再投資」も新規の投資とみなされてしまうため、非課税投資枠を減らしてしまうことになるので要注意です
まとめ
米国ETFを日本の投資信託で購入する場合、二重課税に関するメリットとデメリットを理解し、ご自身の投資スタイルに合わせて、最適な投資方法を選択することが重要です。
日本株高配当の投資信託もありますがキャピタルゲイン、インカムゲインを考えると米国高配当株投信にぶがありそうです。しかしながら為替リスクや税金を考慮すると・・・・・・・・ご自身のご判断で!
コメント