SCHD:楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)とは?

米国市場への投資において、高配当銘柄に注目している投資家が増えており米国高配当株ETFにはVYM・HDV等優良な銘柄が揃っています。今回ご紹介する、楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)は魅力的な選択肢の一つです。このファンドは、米国の「シュワブ・米国配当株式ETF(SCHD)」を主要投資対象としており、安定した配当収益と中長期的な値上がり益を狙います。


1. SCHDファンドの概要

SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)は、ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックスに連動するETFで、少なくとも10年間配当を支払い続けている米国の大手企業100社に投資しています。具体的には、ロッキード・マーチンやコカ・コーラなどの業界リーダーが含まれています。

特徴

  • 配当収益の確保: 高配当利回り銘柄に分散投資し、安定的な配当収益を狙います。
  • 中長期的な値上がり益: 株価の成長と共に、中長期的なキャピタルゲインも期待できます。
  • 四半期決算: 毎年2月、5月、8月、11月に決算が行われ、定期的に分配金を受け取ることが可能です。

このファンドは、2024年9月に楽天証券で発売されたばかりですが、すでに運用資産100億円を突破しています。


2. 手数料とコスト

投資ファンドにおいて手数料は重要なポイントです。SCHDを主要投資対象とする楽天・高配当株式・米国ファンドの手数料は以下の通りです。

  • 購入時手数料: なし
  • 信託報酬: 年率0.132%(税込)
  • 信託財産留保額: なし
  • 運用管理費用(実質): 年率0.192%(税込)程度

このように低コストで運用できる点が、SCHDの大きな魅力となっています。


3. SCHDファンドのメリット

3.1. NISA成長投資枠を活用

NISA口座での投資は、配当金や売却益が非課税となるため、税金を気にせず資産を増やすことが可能です。NISA口座は、特に長期投資家にとって有利な制度です。

3.2. 安定した収益の確保

SCHDは高配当銘柄に投資するため、定期的な配当収益が見込めます。例えば、過去には5%を超える配当利回りが期待されたこともあり、収益を安定的に享受できる点が魅力です。

3.3. 中長期的な資産の増加

米国株式市場は長期的に見て成長してきた歴史があり、株価の上昇と配当収益の両方を得ることができます。特に、安定的な配当を行う大手企業は市場のボラティリティに強い傾向があるため、リスクを分散しながら運用できます。


4. 特定口座での運用メリット

特定口座(源泉徴収あり)で投資を行うと、税務手続きが大幅に簡略化されます。特に以下の点が魅力です。

4.1. 確定申告が不要

源泉徴収ありの特定口座を利用すると、配当金や売却益に対して源泉徴収が自動的に行われ、確定申告を行う必要がありません。

4.2. 損益通算の自動化

特定口座では、損益通算が自動的に行われます。例えば、株式の売却損と配当金の利益が相殺され、税金の負担を軽減することができます。

4.3. 扶養控除や健康保険料に影響しない

特定口座で得た利益は扶養控除や国民健康保険料の計算に影響しません。主婦や学生、自営業者も安心して運用が可能です。


5. NISA口座での配当金再投資 vs 受け取り

5.1. 配当金の再投資

配当金を再投資することで、複利効果を最大限に活用できます。特にNISA口座内では非課税枠を活用して再投資が行えるため、資産の増加が期待できます。

再投資のメリット

  • 複利効果: 再投資による資産の成長
  • 非課税枠の活用: 税金を気にせず運用可能

再投資のデメリット

  • 非課税枠の消費: 年間投資上限に達しやすい(投資枠を消費します)

5.2. 配当金の受け取り

一方で、配当金を現金として受け取ることも選択肢です。現金化によって生活費や他の投資に回すことができます。(キャッシュフローの増加)

受け取りのメリット

  • 現金化: 即時利用が可能
  • 投資の実感: 配当を定期的に受け取ることで成果を実感しやすい

受け取りのデメリット

  • 複利効果の減少: 再投資しないことで、資産の成長スピードが落ちる

6. 二重課税問題と対策

米国株に投資する際には、米国と日本双方で税金が課される二重課税が問題になります。これを避けるための方法として、外国税額控除租税条約の活用が挙げられます。

6.1. 外国税額控除

米国で課税された税金を日本の税金から控除することで、二重課税の負担を軽減することができます。

6.2. 租税条約の活用

日本と米国の間には租税条約が存在し、これにより二重課税を避けることができます。

具体例

例えば、SCHDに120万円を投資し、年間5%の配当を得た場合の税金を見てみましょう。

  • 米国で6,000円(配当金6万円の10%)が源泉徴収されます。
  • 日本では残りの5.4万円に対して20.315%(約1.1万円)が課税されます。
  • 外国税額控除を利用することで、米国で支払った6,000円を日本の税金から差し引くことができます。

まとめ

米国高配当株ファンドへの投資を行う際には、NISA口座や特定口座の利用、配当金の再投資か現金受け取り、さらには二重課税の問題など、多くの要因を考慮する必要があります。どの選択肢が最適かは、投資家の目標やライフスタイルに依存しますが、SCHDは安定した収益を提供するための有力なツールとなるでしょう。



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