はじめに
2025年6月、楽天証券と楽天銀行が連携して提供を開始した「楽天銀行 証券担保ローン」。このサービスは、株を売らずにお金を借りられるという画期的なローンです。この記事では、サービスの詳細からメリット・デメリット、他社との比較、そして実際のシミュレーションまで、分かりやすく丁寧に解説します。
楽天銀行 証券担保ローンの概要
サービス開始日
- 2025年6月22日スタート
利用対象者
- 楽天証券と楽天銀行の口座を保有し、マネーブリッジ設定済み
- 年齢:20〜80歳未満の個人
担保対象銘柄
- 楽天証券が扱う国内上場株式・ETF(一部除外あり)
- NISA口座・単元未満株・信用代用株は対象外
借入額と条件
- 最低1万円から、1万円単位で借入可能
- 借入上限は担保時価の60%以内
- 担保評価額が10万円以上必要
- 1億円超は個別審査

金利と返済条件
金利(変動型)
- 1,000万円超:年1.875%
- 100万〜1,000万円:年2.875%
- 100万円以下:年3.875%
借入方法
- 担保設定後、即時に楽天銀行口座に入金される
契約・返済
- 契約期間:6カ月ごとに自動更新
- 返済方式:自由返済
- 遅延損害金:年率14%

証券担保ローンのメリット
項目 | 内容 |
🏦 現金化せずに資金調達 | 保有株を売却せず、値上がり益・配当のチャンスを維持 |
💸 低金利 | 無担保ローンより有利な金利設定 |
⚡ 審査が迅速 | 所得証明なしでもOK、即日借入可 |
🔁 資金使途自由 | 納税・生活費・相続など多様に対応 |
📉 相場下落中でも株を保持 | パニック売りを防げる |
デメリット・リスク
項目 | 内容 |
📉 担保割れリスク | 株価下落により追加担保が必要(追証) |
🔄 強制売却の可能性 | 指定期日までに追証がなければ自動売却される |
📊 銘柄制限 | 一部株式・ETFは担保対象外 |
⏰ 長期借入に不向き | 利息が増大し投資リターンを圧迫 |
📈 ポートフォリオ管理が必要 | 集中投資は危険 |
担保割れ時の流れ(例)
- 担保株が下落 → 担保維持率を割る
- 通知:「追加担保または返済せよ」
- 応じなければ自動売却
- 売却でも不足なら、現金で不足分を請求される
安全に利用するためのコツ
- ✅ 流動性の高い大型株・ETFを担保に選ぶ
- ✅ 借入額は評価額の50〜55%に抑える
- ✅ 急落時のため現金等の予備資産を用意
- ✅ 資金使途を明確にして短期利用に留める
名言から学ぶローン哲学
🥖 ウォーレン・バフェット:「借金して株を買うことは、自分が裕福でないことを証明するだけだ」
🧙 孫子:「勝てる見込みある時にのみ動き、危うき時は退け。担保は命なり、乱すべからず」
担保比率に関する重要ルール(楽天)
- 担保融資比率60%超:借入・担保解除停止
- 70%超:返済or追加入金の案内
- 85%超:全担保株を強制売却 → ローン返済に充当
他社サービスとの比較
証券会社 | 借入上限 | 金利 | 担保評価 | 強制売却基準 | 入金速度 | 備考 |
楽天 | 時価の60% | 1.875〜3.875% | 60% | 85%超 | 即時 | 楽天経済圏と連携 |
野村 | 最大5億円 | 約1.9% | 50〜80% | 個別評価制 | 即日 | 金利最安水準 |
大和 | ネット:3,000万円SAT II:10億円 | 約3.9% | 約50〜60% | 通知・売却ルール | 即〜翌営業日 | 法人対応可能 |
JSF | 最大5億〜10億円 | 2.4〜4.4% | 最大60% | 維持率遵守 | 数営業日 | 多証券に対応 |
シミュレーション:JT・NTTを担保に借りる
保有株式
- JT:1,000株 × 4,198円 = 4,198,000円
- NTT:10,000株 × 156円 = 1,560,000円
- 合計:5,758,000円
各社借入上限(担保60%)
- 借入可能額:約3,454,800円
年間利息(345.48万円借入)
証券会社 | 金利 | 年間利息 |
楽天 | 約3% | 約103,644円 |
野村 | 約1.7% | 約58,732円 |
大和 | 約3.94% | 約136,121円 |
JSF | 約2.4% | 約82,915円 |
リスクシナリオ
- 株価が20%下落 → 時価総額:約4,606,400円
- 借入額が時価の75%に → 追証・強制売却リスク
- 対策:借入比率を50〜55%に抑えること
まとめ:どこを選ぶ?
- 🔹 低金利&安定重視 → 野村Webローン
- 🔹 オンライン即時完結 → 楽天銀行ローン
- 🔹 高額・法人対応 → 大和SAT II or JSFセレクト
特に、JT・NTTといった高配当・安定株を担保に資金調達するなら、借入額を50%以下に抑えておけばリスクも低く、柔軟に活用できます。
資産を活かす賢い選択肢として「証券担保ローン」は魅力的です。ただしお金を借りて投資を行うということはレバレッジをかける!ということ、すなわち短期トレードに適していると考えます。リスクを理解した上で、戦略的に使いこなしていきましょう!


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