フリーランス・副業にも！個人事業主の手続きと節税方法を徹底解説

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1. 個人事業主とは？

個人事業主とは、法人を設立せずに個人の名前で事業を営む形態です。飲食店の経営、ネットショップの運営、フリーランスのライターやデザイナー、コンサルタントなど、職種の幅は広く、最近では副業としての開業も増えています。

自分で収入を得る主体となることから、自由度が高い一方、税金や社会保険、老後資金の確保など、自ら管理・対応する範囲が広がります。

2. 設立方法（開業届の提出）

■ 提出書類

個人事業の開業・廃業等届出書
（任意）青色申告承認申請書

■ 提出先

所轄の税務署（事業所所在地を基準）

■ 提出期限

開業後1ヶ月以内

■ 書き方のポイント（例）

項目	記入例
納税地	自宅住所または事業所所在地
屋号	「〇〇工房」「△△デザイン」など（空欄でもOK）
職業	「Webライター」「小売業」「ITコンサル」など
事業の概要	「〇〇商品の販売」「Webサイト制作業務」など

■ 青色申告も同時提出を推奨

青色申告を選ぶと最大65万円の控除や赤字の繰越制度が利用可能で、節税効果が非常に高くなります。

3. 運用（会計・経費管理）

■ 会計ソフトを活用した記帳

白色申告：簡単な帳簿でOK
青色申告：複式簿記と仕訳帳・総勘定元帳が必要

推奨ソフト： freee、マネーフォワード、弥生会計

■ 経費の考え方

事業に必要な支出は経費として認められます。例：

通信費（スマホ、ネット）：按分して一部経費計上
水道光熱費：自宅兼事務所の場合、使用面積や時間比で按分
交通費：電車代・ガソリン代・タクシー代（業務使用分）
減価償却：10万円以上の備品は耐用年数で分割計上

4. 社会保険と年金制度

個人事業主になると、社会保険の扱いが変わります。

■ 加入先一覧

種別	加入制度	内容
健康保険	国民健康保険	所得に応じて保険料変動
年金	国民年金	第1号被保険者、定額（月約17,000円）

■ 任意加入制度（老後対策）

小規模企業共済（退職金代わり）
iDeCo（個人型確定拠出年金）
国民年金基金（老齢基礎年金の上乗せ）

5. 税金と節税対策

■ 主な税金

税種	内容
所得税	売上－経費＝事業所得に課税（5%～45%）
住民税	所得に応じて約10%程度
消費税	年間売上が1,000万円超で課税対象（2年間免税）

■ 節税対策

青色申告特別控除：最大65万円
経費計上の徹底：按分計算もOK
小規模企業共済・iDeCo：全額所得控除

6. 小規模企業共済の活用

中小企業庁管轄の「退職金制度」のようなもので、節税効果と老後資金準備を同時に叶えられます。

■ 特徴

掛金：月1,000円～7万円まで自由に設定
所得控除：掛金全額が対象
受取：廃業・老齢・死亡時に一括または分割受け取り
任意解約では元本割れのリスクあり（特に20年未満で解約）

7. iDeCoの活用法

老後資金形成＋税制優遇を兼ねた制度。

■ 主な特徴

項目	内容
対象	原則20～60歳（今後65歳へ拡大予定）
掛金	最大月68,000円（年816,000円）
控除	全額所得控除対象
商品	投資信託・定期預金・保険など
受取時	退職所得 or 年金扱い（控除あり）

■ 注意点

原則60歳まで解約不可
長期運用による資産形成が前提

8. 廃業時の手続きとその後

■ 廃業手続き

税務署へ「廃業届」を提出
青色申告を取りやめる場合は別途届出が必要

■ 社会保険・年金の切り替え

状況	加入先
再就職	健康保険（協会けんぽ等）、厚生年金（第2号）
無職・求職中	国民健康保険・国民年金継続、扶養に入ることも可

■ 雇用保険について

雇用保険未加入のため基本的に失業手当は対象外。ただし、特例で「高年齢求職者給付金」などを受け取れる可能性あり。

■ 国民年金の未納に注意

収入が無くても保険料納付義務あり。支払い困難な場合は「免除申請」や「納付猶予申請」が可能です。

9. まとめ｜自立と備えの両立が鍵

個人事業主は自由度が高い一方、社会保険や老後資金など自己責任で管理すべき項目が多くあります。

項目	内容
設立	開業届＋青色申告の申請でスタート
会計	会計ソフト活用＋経費管理
社会保険	国民健康保険＋国民年金＋任意制度活用
税金	所得税・住民税・消費税（免税制度あり）
節税	青色申告・共済・iDeCoの3本柱
廃業時	廃業届・保険切替・年金継続に注意