「高配当株のETFや投資信託はたくさんあるけれど、結局どの銘柄が“本物”なの?」——そんな疑問にお答えします。今回は、日本を代表する高配当株のETF・投資信託を5本並べ、そのすべてに採用されている銘柄と、逆にどの指数にも入っていない割安な高配当株を、プロのファンドマネージャー目線で選び抜きました。むずかしい言葉はできるだけ使わず、ひとつずつ丁寧に解説します。
今回くらべた「高配当ファンド」5本
比べたのは、低コストと実績で評価の高い次の5本です。指数(ものさし)の性格がそれぞれ違うのがポイントです。
- 1489 NF・日経高配当株50 ETF(日経平均高配当株50指数)
- 1651 iFreeETF TOPIX高配当40指数
- 1577 NF・日本株高配当70 ETF(野村日本株高配当70)
- 1494 One ETF 高配当日本株(S&P/JPX配当貴族指数=10年以上の連続増配・配当維持)
- 日経平均高配当利回り株ファンド(三菱UFJアセットマネジメントのアクティブ投信/日経225の利回り上位だけを約20〜30銘柄に厳選)
そもそもETF選びの基本から知りたい方は、下落局面で仕込む!日本高配当株ETFの選び方と買いタイミング完全ガイドもあわせてご覧ください。NISAでの注意点はHDVが新NISAで買えない?毎月分配型ETFと投資信託の注意点でまとめています。
① 5本すべてに入っていた“横綱”銘柄は、たった4社
実際に各ファンドの中身を確認したところ、5本すべてに採用されていたのは次の4社だけでした。「高い配当利回り」と「10年以上の安定した増配」の両方を満たす、まさに日本の高配当株の横綱です。
| コード | 銘柄 | 配当利回り(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 4502 | 武田薬品工業 | 約4.5% | 15年以上の配当維持。利回りも常に上位 |
| 4503 | アステラス製薬 | 約4.5% | 連続増配の常連。株価調整で利回り上昇 |
| 8725 | MS&AD | 約4.0% | 大手損保。増配基調で配当貴族にも採用 |
| 1928 | 積水ハウス | 約4.3% | 連続増配の住宅大手 |
なぜ「5社目」がいないのか
意外にも、5本すべてを満たす5社目は見つかりませんでした。理由は、5本のうち2本が正反対の性格を持っているからです。
- アクティブ投信(日経高配当利回り株)は「いま利回りが高い銘柄」だけを約20〜30本に絞るため、利回りが下がった銘柄は容赦なく外れます。実際に三菱商事・三井物産・NTTはここから漏れていました。
- 配当貴族指数(1494)は逆に「10年以上減配していない」ことが条件。過去に減配したJT・ホンダ・日本郵船などは、利回りが高くてもここで弾かれます。
つまり「高利回り」と「安定増配」を同時に求めると、上の4社に集約されるというわけです。あえて5社目を挙げるなら、配当貴族にも大型高配当指数にも入り、外れたのは超高利回り特化のアクティブ投信だけだったNTT(9432)が、もっとも横綱に近い存在です。
② どの指数にも入らない「割安高配当株」5選(クロー厳選)
次に、主要な高配当指数(いずれも大型株が中心)には入っていない、割安で配当利回りの高い銘柄を5つ選びました。指数から漏れているのは「会社の規模が中くらい」「上場からの増配年数が短い」といった理由が中心で、中身は良好です。セクター(業種)も分散させています。
| コード | 銘柄 | 業種 | 配当利回り(目安) | 割安度(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 5901 | 東洋製罐GH | 包装容器 | 約4.8% | PBR約0.83倍 |
| 3291 | 飯田GH | 戸建住宅 | 約4.2% | PER約8.7倍/PBR約0.58倍 |
| 9110 | NSユナイテッド海運 | 海運 | 約4.0% | PER約7〜8倍 |
| 8098 | 稲畑産業 | 化学専門商社 | 約3.7% | PBR約0.88倍 |
| 8066 | 三谷商事 | 建材・燃料 | 約3.6% | PER約9.7倍 |
このうち、東洋製罐GH・稲畑産業・三谷商事は業績の振れがくらべて小さい安定型。一方でNSユナイテッド海運(海運市況)・飯田GH(住宅市況や金利)は景気の波を受けやすく、好調時の高い配当がいつまでも続くとは限らない点に注意が必要です。同じ「割安・出遅れの高配当株」というテーマでは、日経平均PER18倍台で狙う出遅れ日本株5選や、AIエージェント時代に静かに伸びる日本の高配当DX企業5選も参考になります。
まとめ:横綱で守り、割安株で攻める
- 軸(守り)は、5本すべてが認めた横綱4社=武田薬品・アステラス製薬・MS&AD・積水ハウス。手間をかけたくないなら、これらを多く含む1489を主軸にするのが手堅い選び方です。
- 上乗せ(攻め)として、指数の外にある割安高配当株を少しだけ加えると、利回りの底上げが期待できます。ただし個別銘柄のリスクは指数より高めなので、1銘柄に集中させず分散を心がけましょう。
「日経平均が高い今、高配当株はどう向き合えばいい?」という方は、TOPIXでわかる“本当の日本株”と高配当株投資の勝ち方もぜひ。指数の見方が変わると、銘柄選びの軸もぶれにくくなります。
※本記事の配当利回り・PER・PBRなどの数値は2026年6月時点のウェブ公開情報をもとにした「目安」であり、株価により変動します。指数の構成銘柄は各運用会社の公開範囲(上位銘柄のみ等)に基づく確認・推定を含み、最新の月次レポートと異なる場合があります。本記事は情報提供を目的とした一般的な解説であり、特定の銘柄の購入や投資行動を推奨するものではありません。投資の最終判断は、ご自身のリスク許容度に応じてご自身の責任で行ってください。

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