SBI証券のセキュリティ設定完全ガイド|パスキーで口座乗っ取り・フィッシングから資産を守る【2026年最新版】

  1. はじめに
  2. 1. SBI証券の口座はどうやって狙われるのか
    1. 狙われるのは「SBI証券のサーバー」ではなく「利用者」
    2. 乗っ取りの典型的な流れ
  3. 2. 結論:最初に設定したい5項目
  4. 3. パスキー認証とは? 🔐
    1. 従来の方式とパスキーの違い
    2. なぜフィッシングに強いのか
    3. パスキーの設定手順
    4. 知っておくと安心なこと
  5. 4. パスワードログインを無効化する理由
    1. パスキーを設定しても、古い入口は開いたまま
    2. 設定の順番が大切です
    3. 無効設定の対象になるチャネル
  6. 5. SBI証券だけでなく「メール」を守る
    1. メールを乗っ取られると何が起きるか
    2. 守るのは3つセットで
    3. Gmailの場合の設定手順
  7. 6. ログイン通知メールをONにする
    1. 「自分が操作していない時間の通知」は貴重なサイン
    2. 設定場所
    3. 通知が来ても慌てなくていいケース
  8. 7. 不要なアプリ・ツールは入口を閉じる
    1. 使っていない勝手口を閉める
    2. ログインを一時的に止めておく方法もあります
  9. 8. 出金時のセキュリティ
    1. お金が外に出るときには、別の確認がかかります
    2. 振込先の変更について
    3. 「複数の防御がある」という考え方
  10. 9. 不正ログインだけでなく「不正取引」にも注意
    1. 出金されなくても被害は起きます
    2. 使える設定
  11. 10. 古い情報に注意
    1. デバイス認証サービスは終了しています
    2. 検索で出てくる記事には注意してください
  12. 11. フィッシングメール対策
    1. たった1つのルール
    2. では、どうやってアクセスするか
    3. 「送信元がSBI証券」でも本物とは限りません
    4. 文章の上手さで判断してはいけません
  13. 12. パスワードの使い回しをやめる
    1. リスト型攻撃という手口
    2. 対策は3つ
  14. 13. ログイン履歴を定期的に確認
    1. 見かたの具体例
  15. 14. 長期投資家なら取引制限も検討
  16. SBI証券セキュリティ12項目チェック
  17. まず今日やること
    1. 短時間で確認できること
    2. 少し時間を取って
    3. 時間があるときに
  18. 対策と防げるリスクの一覧
  19. 万一、不審なログインを見つけたら
    1. こんな症状があったら
    2. 公式が案内している手順
    3. 連絡先
    4. 補償について
  20. やってはいけないこと
      1. ⚠️ NG例とその理由
  21. セキュリティの3層構造
    1. 第1層:SBI証券を守る
    2. 第2層:登録メールを守る
    3. 第3層:PC・スマホを守る
  22. まとめ
      1. まず、パスキーを設定してください。
  23. よくある質問(FAQ)
    1. Q. パスキーを設定すれば、パスワードは不要になりますか?
    2. Q. パスキーを設定すると、スマホをなくしたときにログインできなくなりますか?
    3. Q. パソコンを買い替えた場合はどうなりますか?
    4. Q. SBI証券から認証メールが来たら、リンクを押していいですか?
    5. Q. 身に覚えのないログイン通知が来たら、どうすればいいですか?
    6. Q. Gmailの2段階認証も必要ですか?
    7. Q. Windows HelloのPINは安全ですか? 4桁の数字では心配です。
    8. Q. デバイス認証を設定していれば大丈夫ですか?
    9. Q. パスキーを設定しないと、ログインできなくなりますか?
  24. 参考情報(確認日:2026年10月29日)

はじめに

「SBI証券に大切な資産を置いているけれど、もし口座を乗っ取られたらどうしよう」

「証券口座の不正アクセスというニュースを、最近よく見かける」

「自分の設定が安全なのか、そもそも分からない」

そんな不安を感じている方に向けて書きました。

結論からお伝えすると、難しい専門知識は必要ありません。 重要なポイントを順番に確認していけば、不正アクセスのリスクをかなり下げられます。

この記事では、2026年10月時点のSBI証券公式情報をもとに、設定の順番までお伝えします。手元にスマホかパソコンを置いて、読みながら一緒に進めていきましょう。

先にお伝えしておきたいこと
セキュリティに100%はありません。この記事の設定をすべて行っても「絶対に安全」にはなりません。
ただ、狙われにくくすること、万一入られても気付けること、被害を広げにくくすることはできます。それが目的です。

1. SBI証券の口座はどうやって狙われるのか

まず、仕組みを知っておきましょう。これが分かると、どの設定が効くのかが見えてきます。

狙われるのは「SBI証券のサーバー」ではなく「利用者」

「証券会社がハッキングされるのが心配」と思われるかもしれません。

ですが、実際に多く起きているのは利用者側を狙う攻撃です。つまり、私たち一人ひとりのIDとパスワードを盗む手口です。

主な入口はこちらです。

  • フィッシングメール(SBI証券を装った偽メール)
  • 偽のSBI証券サイト(見た目はそっくり)
  • パスワードの使い回し(他のサイトから漏れた組み合わせを試される)
  • マルウェア(パソコンに入り込んで入力内容を盗む)
  • メールアカウントの乗っ取り(認証コードを盗み見られる)
  • SMS・SNSを使った詐欺
  • 偽のサポート窓口(電話をかけさせる)
  • 遠隔操作(パソコンを操作させてほしいと頼まれる)

乗っ取りの典型的な流れ

① 偽メール・偽SMSが届く
      ↓
② 本物そっくりの偽サイトに誘導される
      ↓
③ ユーザーネーム・ログインパスワードを入力してしまう
      ↓
④ 犯人がその情報を手に入れる
      ↓
⑤ 本物のSBI証券サイトに不正ログインされる
      ↓
⑥ 勝手に売買される/出金される

ここで大事なのは、③を成立させないことです。

そして、偽サイトでは使えない仕組みのログイン方法があります。それが次にご説明する「パスキー認証」です。

ただし、先にお伝えしておきます。パスキーを設定しても、パスワードでもログインできる状態のままだと、盗まれたパスワードを使われる危険は残ります。 だからこの記事では、パスキーと「ログインパスワード無効設定」をセットでご案内します。

なぜ2025年から急に注目されたのか
2025年、日本の証券会社で口座乗っ取りによる不正取引が相次ぎました。金融庁は、フィッシングサイトなどで盗まれたIDとパスワードが使われ、口座の中の株が勝手に売られ、その代金で値動きの荒い小型株などが買われるケースが多いと説明しています。
これを受けて、業界全体でパスキーなど「フィッシングに強い認証」への移行が進んでいます。SBI証券でも、2026年6月30日からパスキー認証が原則必須化されています。

📎 あわせて読みたい
証券会社や官公庁からの情報漏えいについては、大和証券・デジタル庁でも情報漏えいの恐れ|50代・60代が今日からできる証券口座の守り方でも取り上げています。

2. 結論:最初に設定したい5項目

細かい説明の前に、やることをお見せします。上から順に、注意点を確認しながら進めていきましょう。

優先度 設定 何を防ぐのか おすすめ度
1 パスキー認証 偽サイトでのID・パスワード窃取(フィッシング) ★★★★★
2 ログインパスワード無効設定 盗まれたパスワードでのログイン ★★★★★
3 登録メールアドレスの2段階認証・パスキー メール乗っ取りによる認証コードの盗み見 ★★★★★
4 ログイン通知メール 不正アクセスの早期発見 ★★★★★
5 アプリ・ツールのログイン制限設定 使っていない入口からのログイン ★★★★☆

いちばん大事なのは1と2がセットだということです。パスキーだけ設定しても、古い入口(ID+パスワード)は開いたままになります。

また、3を忘れないでください。 SBI証券だけ固めても、登録しているメールアドレスを乗っ取られると意味が薄れてしまいます。ここは独立した章でご説明します。

3. パスキー認証とは? 🔐

この記事でいちばん重要な部分です。ゆっくりいきましょう。

従来の方式とパスキーの違い

【従来のログイン】

ユーザーネームを入力
      ↓
ログインパスワードを入力
      ↓
ログイン
【パスキーでのログイン】

自分のPC・スマホを使う
      ↓
顔認証・指紋認証・PIN(暗証番号)で本人確認
      ↓
ログイン

パスキーは、パスワードの代わりに、自分の端末に保管された「鍵」でログインする仕組みです。ログインパスワードの入力は不要になります(端末のPINを入力する場合はあります)。

身近な例でいうと、こういうものを使います。

端末 使う機能
Windowsパソコン Windows Hello(顔・指紋・PIN)
Mac Touch ID
iPhone・iPad Face ID・Touch ID・パスコード
Androidスマホ 指紋認証・画面ロック
セキュリティキー USB・NFCなどの物理キー

ふだんスマホのロックを解除するのと同じ動作で、SBI証券にログインできる、というイメージです。

なぜフィッシングに強いのか

ここが肝心なところです。

パスワードは「正解の文字列」です。だから、偽サイトに入力してしまえば、そのまま犯人の手に渡ります。

一方パスキーは、秘密の鍵そのものをサイトに入力・送信しません。 さらに、本物のサイトに結び付いた鍵なので、偽サイトでは使えません。

SBI証券の公式FAQも、パスキー認証ならログイン時のパスワード入力や電話番号認証が不要になり、偽サイトでは認証が利用できない仕組みのためフィッシングに強い、と説明しています。

⚠️ ここは正確に理解しておきたいところです
パスキーは「本物のサイト向けの鍵を、偽サイトでは使えないようにする」仕組みです。
ですので、パスワードでもログインできる設定のままだと、偽サイトに入力してしまったパスワードを悪用される危険は残ります。 「パスキーを登録したから、もう偽サイトは怖くない」とは考えないでください。
この入口を閉じるのが、次の第4章です。

用語の整理:パスキーとFIDOは同じもの?
SBI証券には「パスキー認証」とは別に「FIDO(スマホ認証)」という機能もあります。名前が似ていて混乱しやすいので整理します。

  • パスキー認証……顔・指紋・PINでログインする方式。パスワードの入力が不要になります。公式FAQでは「パスキー認証」という名称で統一されています。
  • FIDO(スマホ認証)……ユーザーネーム・パスワードに加えて、スマホの生体認証やパスコードで確認する多要素認証です。対象は各商品アプリ・PCツールで、SBI証券Plusは対象外。利用には「SBI証券 スマートアプリ」のインストールが必要で、1口座につき1端末のみ設定できます。

つまり、SBI証券のこの2つのサービスでいえば、パスキーは「パスワードの代わり」、FIDO(スマホ認証)は「パスワードに足すもの」という整理になります(FIDOという技術全般が常に「足すもの」という意味ではありません)。
なお、SBI証券の公式ページには、2025年10月22日以降、「FIDO2(パスワードレス認証)」から「パスキー認証」へ名称を変更したと明記されています。

パスキーの設定手順

公式FAQに書かれている画面の順番です。

メインサイト(PC・スマートフォン)にログイン
→ 「セキュリティ設定」
→ 「パスキー認証」
→ 「変更」

設定の入口は、ログイン後のTOPページにある「セキュリティ設定」のリンク、または「My設定」→「各種サービス」内の「セキュリティ関連」からも開けます。

先に端末側の準備が必要です。 公式FAQには「事前に端末側でパスキーを利用するための環境を設定してから、SBI証券で登録を行う必要があります」とあります。

  • Windows……「設定」→「アカウント」→「サインイン オプション」でWindows Hello(顔・指紋・PIN)を設定しておく
  • iPhone・Mac……iCloudキーチェーンが有効になっているか確認
  • Android……Googleパスワードマネージャーでパスキーを保存できる状態にしておく

登録の流れは、取引パスワードを入力 → 「パスキーを設定」 → 登録メールアドレスに届く認証コードを公式サイトの画面に入力して認証 → 端末の認証(Windows Helloなど)→ 登録完了、という形です。

📝 ここで入力するのは「取引パスワード」です
ログインパスワードではありません。間違えやすいところなので、先に取引パスワードを手元で確認しておくとスムーズです。

知っておくと安心なこと

  • パスキーは10個まで登録できます。 パソコンとスマホの両方に登録し、それぞれで実際にログインできるか確認しておくと、1台の故障・紛失への備えになります
  • 同じパスキープロバイダ(Googleパスワードマネージャー、iCloudキーチェーンなど)で、複数の端末に対応しているものを使う場合は共有できます。ただし同じアカウントでサインインしていること、同期が有効になっていることなど、保存先ごとの条件を満たす必要があります
  • 生体認証がない端末でも使えます。 Windows HelloのPIN(暗証番号)や画面ロックのパスコードでも設定できます

⚠️ 画面名称について
設定画面の名称や並びは変更されることがあります。この記事は2026年10月時点の公式FAQの表記にもとづいています。見つからない場合は、SBI証券のFAQで「パスキー」と検索するか、サポート窓口にご確認ください。

4. パスワードログインを無効化する理由

ここも非常に重要です。

パスキーを設定しても、古い入口は開いたまま

意外に思われるかもしれませんが、パスキーを設定しただけでは、ユーザーネーム+ログインパスワードでのログインも引き続きできます。

公式FAQにも、パスキー認証とユーザーネーム・ログインパスワードは併用して利用できると書かれています。

これは利便性のための仕様です。ただ、裏を返すと、フィッシングでパスワードを盗まれた場合、そこからログインされる可能性が残るということです。

そこで使うのが「ログインパスワード無効設定」です。これを有効にすると、パスワードによるログインが止まり、パスキーでしかログインできなくなります。

【パスキーだけ設定した状態】

パスキー ────→ ○ ログインできる
ID+パスワード ─→ ○ ログインできる(ここが残る)


【ログインパスワード無効設定を有効にした状態】

パスキー ────→ ○ ログインできる
ID+パスワード ─→ × ログインできない

設定の順番が大切です

必ずこの順番で進めてください

① パスキーを設定する
② 実際にパスキーでログインできることを確認する(一度ログアウトして試す)
③ 予備の端末やブラウザでもログインできるか確認する
④ ログインパスワード無効設定を有効にする

②を飛ばさないでください。パスキーが正常に使えないまま無効設定をしてしまうと、自分自身がログインできなくなるおそれがあります。

万一そうなった場合は、SBI証券のテクニカルサポートデスクに連絡することになります(連絡先は記事後半にまとめています)。すぐにご自分で復旧できるとは限らないので、②③で確かめてから進めてください。

あわせて、次の点も確認しておくと安心です。

  • 登録しているメールアドレスと電話番号が、今使っているものになっているか
  • パスキーの保存先(Googleアカウント、iCloudなど)の復旧方法を把握しているか
  • 設定するのは、自分で管理している端末か(共用PCや他人の端末は避けてください)
  • 機種変更や初期化の前に、新しい端末でログインできるか確認する

無効設定の対象になるチャネル

公式の案内では、ログインパスワード無効設定の対象はメインサイト(PC・スマートフォン)、スマートフォン専用サイト、SBI証券Plusアプリです。

なお、この設定を行うにはパスキーを登録済みであることが必要で、設定するときにもパスキーによる認証を求められます。

では、それ以外のアプリやツール(株アプリ、HYPER SBI 2など)はどうなるのでしょうか。

2026年7月10日以降は、ログインパスワード無効設定を有効にすると、それ以外のチャネルには「アプリ・ツールのログイン制限設定」が自動的に適用されます。 つまり、無効設定を入れるだけで、使っていないアプリ側の入口もまとめて閉じられる形です。

💡 解除するときの注意
あとでパスワードログインを再開した場合、アプリ・ツールのログイン制限は自動では解除されません。 別途、解除の手続きが必要です。「アプリが使えなくなった」と慌てないよう覚えておいてください。

5. SBI証券だけでなく「メール」を守る

ここは独立した章にします。それだけ重要です。

メールを乗っ取られると何が起きるか

SBI証券に登録しているメールアドレス(Gmailなど)には、こういったものが届きます。

  • 認証コード
  • セキュリティに関する通知
  • 出金や振込先変更の通知
  • パスワード再設定に関する案内

つまり、メールアカウントを乗っ取られると、これらを先に読まれてしまう可能性があります。 認証コードを横から取られれば、せっかくの多要素認証も通り抜けられてしまいます。

SBI証券を金庫だとすると、メールアカウントは「合鍵がしまってある場所」です。ここを固めておかないと、金庫の鍵を増やした意味が薄れます。

守るのは3つセットで

SBI証券
  ├─ パスキー認証
  ├─ ログインパスワード無効設定
  ├─ ログイン通知メール
  └─ 取引・出金の認証
        │
登録メールアドレス(Gmail等)
  ├─ 2段階認証
  ├─ パスキー
  └─ 再設定用メール・電話番号の確認
        │
PC・スマホ
  ├─ OSを最新に保つ
  ├─ 画面ロックをかける
  └─ セキュリティ機能を有効にする

Gmailの場合の設定手順

パソコンでもスマホでも、手順はほぼ同じです。

パスキー(おすすめ)

Googleアカウント を開く
→ 「セキュリティとログイン」
→ 「Googleにログインする方法」
→ 「パスキーとセキュリティキー」
→ 「パスキーを作成」

2段階認証

Googleアカウント を開く
→ 「セキュリティとログイン」
→ 「Googleにログインする方法」
→ 「2段階認証プロセスを有効にする」

再設定用メール・電話番号の確認

「セキュリティとログイン」
→ 「Googleにログインする方法」
→ 「再設定用のメールアドレス」「再設定用の電話番号」

最後の項目は、古い携帯番号や、もう使っていないメールアドレスのままになっている方がとても多いところです。ぜひ確認してください。

Googleの画面の文言は順次更新されており、環境によって「セキュリティ」「Googleへのログイン方法」のように少し違って見えることがあります。意味は同じものとして進めてください。
まとめて見直すなら、myaccount.google.com/security-checkup(セキュリティ診断)が便利です。

Yahoo!メールやOutlookをお使いの場合も、同じように2段階認証やパスキーの設定項目があります。お使いのサービスの公式案内をご確認ください。

📎 あわせて読みたい
メールやパスワードの守り方を、SBI証券に限らず全体的に見直したい方は2026年版|個人が今すぐやるべきセキュリティ設定10選をご覧ください。優先順位順に整理しています。

6. ログイン通知メールをONにする

「自分が操作していない時間の通知」は貴重なサイン

SBI証券には「ログイン通知メールサービス」があります。口座にログインがあると、登録メールアドレスに「ログインがありました」というお知らせが届く仕組みです。

これは侵入を防ぐ機能ではありません。侵入に早く気付くための機能です。

たとえば、こんな場合です。

夜中の3時に「ログインがありました」という通知が届いた。
でも自分はそのとき寝ていた。

→ 要確認です。

早く気付けば、パスワードを変えたり、ログインを止めたりできます。被害が広がる前に手を打てるわけです。

設定場所

ログイン後 → 「My設定」
→ 「Eメール通知サービス」
→ 「ログイン通知サービス」の項目で「変更」

通知の配信先は、登録しているメールアドレスのうち1つです。複数のアドレスを登録している方は、どれに届く設定になっているかも一緒に確認してください。

⚠️ ここは必ずご自分の画面で確認してください
「設定してあるつもりだった」が一番危ないところです。一度ご自分の画面を開いて、現在の通知設定と、通知の送信先メールアドレスを確かめ、通知を受け取れる状態にしておきましょう。設定場所の名称も変わることがあります。

通知が来ても慌てなくていいケース

公式FAQには、認証コードのメールについて、こんな説明があります(ログイン通知メールとは別の種類のメールです)。

身に覚えのない認証コードのメールは、資産管理アプリや家計簿アプリなどを使用されていることによる自動ログインが関係している可能性がございます

マネーフォワード、マネーツリー、カビュウ、ロボフォリオなどの資産管理アプリは、アプリを開いていなくても定期的にSBI証券へアクセスします。 そのたびにメールが届くことがあるのです。公式アプリの自動ログインも同様です。

ですので、通知が来たらまず「自分が資産管理アプリを使っていないか」を確認してください。心当たりがなければ、次の章以降の対処に進みます。

⚠️ 逆に、心当たりのない認証コードをすべて無害と考えるのも危険です。 使っているアプリに当てはまらないコードが届いたときは、記事後半の「万一、不審なログインを見つけたら」の手順に進んでください。

7. 不要なアプリ・ツールは入口を閉じる

使っていない勝手口を閉める

SBI証券には、Webサイト以外にもたくさんの入口があります。公式の案内に載っている、ログイン制限の対象チャネルはこちらです。

アプリ

  • SBI証券 株アプリ
  • 米国株アプリ
  • 先物・オプションアプリ
  • 投信つみたてアプリ
  • FXアプリ
  • 取引所CFDアプリ
  • 店頭CFDアプリ
  • SBI証券Plusアプリ

PC用ツール

  • HYPER SBI 2
  • HYPER SBI FX

玄関の鍵を頑丈にしても、使っていない勝手口が開いていたら守りが弱くなります。 使っていないものは閉めておきましょう。

これを行うのが「アプリ・ツールのログイン制限設定」です。各アプリ・ツールごとにWebサイトから設定・変更できます。

💡 第4章とのつながり
前述のとおり、2026年7月10日以降は、ログインパスワード無効設定を有効にすると、この制限が自動的に適用されます。
つまり、パスキー+ログインパスワード無効設定まで済ませた方は、この部分もすでにカバーされている可能性があります。設定画面で現在の状態を確認してみてください。

なお、第4章の「ログインパスワード無効設定の対象(メインサイト・スマホ専用サイト・Plusアプリ)」と、この章の「ログイン制限の対象一覧」は別の話です。Plusアプリは両方に登場するので、混同しないようご注意ください。

ログインを一時的に止めておく方法もあります

もうひとつ、「ログイン一時利用停止設定」という機能があります。

公式の説明では、Webサイト・アプリ・ツールのすべてのチャネルでログインを止められる機能です。「夜間などログインや取引をしない時はログインを制御することができます」とされ、次回のログイン時にリアルタイムで解除できます。 設定・解除には登録メールアドレスによる認証が必要です。

ふだん夜に取引しない方なら、使い方として検討の余地があります。なお、法人口座では利用できません。

⚠️ 止まるのは「ログイン」です
これは取引そのものを一括で止める機能ではありません。すでに出している積立注文や、信用取引の追証・強制返済などは、ログインを止めてもなくなりません。
また、停止中は重要なお知らせを閲覧できません。 長期間かけたままにするのは避けてください。

8. 出金時のセキュリティ

お金が外に出るときには、別の確認がかかります

SBI証券には「出金時の二要素認証サービス」があります。

出金の操作をすると、登録メールアドレスに認証コードが届き、それを入力しないと手続きが進まない仕組みです。認証コードのメールは info@sbisec.co.jp から送られます。

ここはうれしいお知らせです。公式の案内によると、2025年7月25日夕刻以降、この認証はすべてのお客さまの、すべての出金額に自動で適用されています。

つまり、ご自分で「利用する」設定をONにする手続きは不要です。すでにかかっている、と考えてください。

現在の出金の流れはこうなります。

出金額と取引パスワードを入力
→ 出金指示の確認画面
→ 登録メールアドレスに届いた認証コードを入力
→ 出金手続き完了

やっておきたいのは1つだけです。 登録しているメールアドレスで、いま確実にメールを受け取れるか確認しておいてください。ここが受け取れないと、出金そのものができなくなります。

振込先の変更について

送金先をすり替えられる手口への備えとして、振込先金融機関口座の変更にも確認の手続きがあります。

ただし、現在の手続き方法はメールの認証コードだけではありません。 公式FAQでは、マイナポータルアプリとマイナンバーカードを使う方法、本人限定受取郵便、書類の請求といった案内がされています。登録情報を見るだけでも、取引パスワードとメールの認証コードが必要です。

古い案内ページも残っているため、実際に変更するときは必ずログイン後の画面と最新の公式FAQでご確認ください。

「複数の防御がある」という考え方

ここで「だから出金は絶対に安全」とは申し上げません。

大事なのは、役割の違う守りを組み合わせるということです。処理の順番ではなく、役割の整理として見てください。

【役割ごとの守り】

◆ 侵入を防ぐ
   パスキー認証/ログインパスワード無効設定

◆ お金が動くときに追加で確認する
   出金時の二要素認証/取引時認証

◆ 異変に気付く
   ログイン通知メール/ログイン履歴

◆ 使わない入口・取引を閉じる
   アプリ・ツールのログイン制限/取引制限

この4つは、どれか1つが「最後の砦」というものではありません。 たとえば通知は、侵入を防ぐ機能ではなく、気付くための機能です。出金の認証は、勝手な売買そのものを止めるものではありません。

1枚の壁を厚くするより、役割の違う守りを重ねるほうが現実的です。これがセキュリティの基本的な考え方です。

9. 不正ログインだけでなく「不正取引」にも注意

出金されなくても被害は起きます

「出金の認証を固めておけば大丈夫」と思いたくなりますが、ここに落とし穴があります。

2025年に実際に問題となったのは、出金ではなく不正な売買でした。

不正ログインされる
      ↓
保有していた株を勝手に売却される
      ↓
その代金で、値動きの荒い小型株などを勝手に購入される
      ↓
お金は口座に残っているが、中身が入れ替わって損失が出る

お金が外に出ていないので、出金の壁は働きません。だから、「取引そのものを監視・制限する」視点も必要になります。

使える設定

取引制限設定

公式FAQには「第三者による不正な取引や出金からお客さまのご資産を守るため、お客さまご自身で各商品の取引制限を設定することができます」とあります。公式FAQでは「取引制限受付フォーム」から申し込むよう案内されています。

取引時認証(リスクベース認証)

これは自分で設定するものではありません。 利用環境などから「ふだんと異なる」とシステムが判断した場合に、取引時に追加の認証がかかる仕組みです。事前の申込や設定は不要です。

ただし、ここに一点だけ確認しておきたいことがあります。公式ページの現在の説明では、2026年2月21日から6月27日の間に、認証方法がメールから電話による認証へ変更されたとされています。

つまり、登録している電話番号が古いままだと、必要なときに認証を受けられないおそれがあります。

💡 数分で終わる確認
ログイン後の画面で、登録している電話番号が今お使いのものか確認してください。昔の固定電話や解約した携帯番号のままになっている方は意外に多いところです。

なお、パスキーでログインした場合も、取引時認証がかかることはあります。「パスキーにしたから追加の確認は一切ない」とは考えないでください。

電話番号認証サービス

セキュリティ関連の設定一覧にある機能です。パスワードでログインする際の追加確認として使われ、パスキー認証でログインする場合はこの認証が不要になる、と公式FAQで説明されています(上の「取引時認証」とは別の機能です)。

ログイン履歴サービス

ログインの日時とチャネル(PCサイト、アプリなど)を確認できます。詳しくは第13章でご説明します。

10. 古い情報に注意

デバイス認証サービスは終了しています

これは特にお伝えしたい点です。

SBI証券の公式FAQには、はっきりこう書かれています。

※デバイス認証サービスは終了しておりますが、設定状況につきましては、表示されております。

以前は「デバイス認証」が主要な対策として案内されていましたが、現在は終了しています。 設定状況の表示だけは画面に残っているため、「設定済みになっているから大丈夫」と誤解しやすいところです。

「設定状況の確認方法」を案内する公式FAQでは、確認できる項目として次の6つが挙げられています。

  1. パスキー認証
  2. FIDO(スマホ認証)
  3. 電話番号認証サービス
  4. 出金時の二要素認証サービス
  5. ログイン一時停止設定
  6. アプリ・ツールのログイン制限設定

ただし、これはこのFAQで案内されている6項目です。SBI証券のセキュリティ機能がこの6つだけ、という意味ではありません。このほかにも、ログインパスワード無効設定、取引制限設定、ログイン履歴サービス、取引時認証(リスクベース認証)などがあります。

検索で出てくる記事には注意してください

「SBI証券 セキュリティ」で検索すると、2024年や2025年に書かれた記事が上位に出てくることがあります。

当時は正しかった内容でも、現在の仕様とは違っている可能性があります。 実際、この1〜2年でこれだけ変わっています。

項目 変化
デバイス認証 終了しました
FIDO2(パスワードレス認証) 2025年10月22日以降、「パスキー認証」に名称変更
パスキー認証 2026年6月30日から原則必須化(実施済み)
出金時の二要素認証 2025年7月25日夕刻以降、全額・全顧客に自動適用
ログインパスワード無効設定 パスキー利用者向けに提供されています
アプリ・ツールのログイン制限 2026年7月10日以降、パスワード無効設定で自動適用

ですので、最終的にはSBI証券の公式FAQとログイン後の画面で確認するのが確実です。この記事も、お読みになった時点で変わっている部分があるかもしれません。

11. フィッシングメール対策

ここは設定ではなく習慣の話です。でも、効果は設定に負けません。

たった1つのルール

メールやSMSのリンクから、SBI証券にログインしない。

これだけです。内容がどれだけ本物に見えても、です。

では、どうやってアクセスするか

端末 おすすめの方法
パソコン SBI証券の公式サイトをブックマークに登録して、そこからアクセスする
スマホ 公式アプリを自分で開いてアクセスする

公式FAQにも「メールやSMSに記載されているリンクを不用意にクリックしないようにしましょう。お気に入り・ブックマークからのアクセスも有効です」と書かれています。

今日やっておくとよいこと
SBI証券の公式サイトを、自分で正しいURLからアクセスしてブックマークに登録する。そして、そこからしか入らない習慣にする。
検索結果からアクセスするのも、広告枠に偽サイトが出る場合があるので万全ではありません。正しい公式サイトを登録したブックマークか、公式アプリから開くようにしてください。

「送信元がSBI証券」でも本物とは限りません

ここは誤解されやすいところです。公式FAQの記述を引用します。

メールの送信者名が「SBI証券」となっている場合、アドレスが(@sbisec.co.jp)となっている場合でも、SBI証券をなりすました偽装メールの場合があります。

送信元アドレスは偽装できます。 「@sbisec.co.jp だから本物」という判断はできません。

また、公式FAQはこうも明言しています。

当社では、電子メール等で、お客さまのユーザーネーム・ログインパスワード・取引パスワード等を照会することはありません。

メールでパスワードを聞かれたら、それは偽物です。 例外はありません。

💡 BIMIという目印
SBI証券は、BIMI対応のメールソフトで受信すると公式ロゴが表示される仕組みを導入しています。表示されるロゴが「SBI証券 公式ロゴ」かどうかを確認する方法です。
ただし、特定の環境ではロゴが表示されない場合もあるとされています。ロゴが出ないから偽物、とは言い切れません。 あくまで補助的な目印として考えてください。

文章の上手さで判断してはいけません

以前は「日本語がおかしいから詐欺だ」と見分けられる場面がありました。

その判断方法は、もう頼りになりません。 生成AIによって、日本語として自然な文章が簡単に作れるようになりました。氏名が入った精巧なフィッシングメールも確認されています。

判断基準を変えてください。

「文面を見て判断する」から「リンクを押さずに自分で確認する」へ。

これなら、相手の文章がどれだけ上手でも関係ありません。

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生成AIを使った攻撃に個人がどこまで対応できるかは、AIサイバー攻撃から資産を守る方法|個人でできること・できないことで整理しています。

12. パスワードの使い回しをやめる

パスキーを設定したあとも、これは基礎として大切です。

リスト型攻撃という手口

① あるサービスから、メールアドレスとパスワードの一覧が漏れる
↓
② 犯人がその組み合わせを手に入れる
↓
③ Amazon、楽天、Yahoo!、Google、証券会社などに、同じ組み合わせを機械的に片っ端から試す
↓
④ 同じパスワードを使っていたサービスに、そのまま入られてしまう

これをリスト型攻撃といいます。

犯人はパスワードを一から推測しているのではありません。漏えい元で実際に使われていた「IDとパスワードの組み合わせ」を持っていて、それが他でも通るか試しているのです。

だから、どれだけ複雑なパスワードでも、使い回していると一か所の漏えいが他のサービスにまで広がってしまいます。

対策は3つ

  1. サービスごとに違うパスワードにする(これが一番効きます)
  2. できるだけ長くする(複雑な記号より長さが効きます)
  3. パスワードマネージャーを使う(覚える必要がなくなります)

パスワードマネージャーは、パスワードを金庫のように保管して自動入力してくれる仕組みです。すでにお使いの環境に無料で入っているものがあります。

環境 入っているもの
Googleアカウント/Chrome Google パスワード マネージャー
iPhone/Mac 「パスワード」アプリ
Microsoft Edge Edgeのパスワード保存機能
単体のサービス 1Password、Bitwardenなど

まずはすでに使っている環境のものから始めるのが一番ラクです。 特定の製品を買う必要はありません。

📝 ITの操作が負担に感じる方なら、「サービスごとに違う長いパスワードを紙に書いて、自宅の安全な場所にしまう」という方法も現実的です。危ないのは「紙に書くこと」ではなく「同じパスワードを使い回すこと」のほうです。
ただし、持ち歩かない・PCの横に貼らない・端末とは別に保管する、という条件は守ってください。

13. ログイン履歴を定期的に確認

SBI証券の「ログイン履歴サービス」では、ログインの日時とチャネルを確認できます。

見かたの具体例

日時 チャネル 判断
10月28日 09:12 PCサイト 自分が見た時間。問題なし
10月28日 21:40 株アプリ 自分が見た時間。問題なし
10月29日 03:14 PCサイト 自分はこの時間に使っていない → 要確認

このように、「自分が使っていない時間のログイン」を探すのが見かたです。

確認できる範囲は、最大100件まで、当日から2年以内とされています。履歴を削除することはできません。

見かたは、PCならログイン後TOPページ上部のリンク、スマートフォンサイトなら右上のメニュー内のリンクから開く形です。

⚠️ 履歴や通知にログインの記録が出ていても、それだけで「不正ログインが成功した」「被害が発生した」とは判断できません。心当たりがないときは、次の章の手順で確認してください。

💡 他社アプリ経由のログインも表示されます
公式FAQには、マネーツリー、マネーフォワード、カビュウ、ロボフォリオなどの資産管理サービスからSBI証券にログインした場合も履歴に表示される、と書かれています。
見慣れない履歴があっても、まずこれに当てはまらないかを確認してください。

月に1回でも見る習慣をつけておくと安心です。

14. 長期投資家なら取引制限も検討

この記事の読者には、NISAや投資信託、日本株・高配当株を長く持ち続けている方が多いと思います。

そういう方には、こんな考え方が向いています。

ふだん使わない取引は、あらかじめ制限しておく。必要になったときだけ解除する。

たとえば、こういう場合です。

  • 投資信託の積立だけで、個別株の売買はしていない
  • 信用取引、先物・オプション、FX、CFDは一度も使っていない
  • 日本株だけで、外国株は持っていない

使っていない取引の入口が開いていても、自分には何のメリットもありません。一方で、口座の開設状況や設定によっては、そこが不正利用の経路になり得ます。

SBI証券では「取引制限設定」として、各商品の取引制限を自分で設定できます。公式FAQでは「取引制限受付フォーム」から申し込むよう案内されています。

同じ考え方で、前述の「ログイン一時利用停止設定」も使えます。夜間など使わない時間帯にログインを止めておき、次回ログイン時にリアルタイムで解除する、という使い方です。

⚠️ 申し込む前に確認したいこと
取引制限は、ログイン一時停止とは別の仕組みです。「必要なときにすぐ解除できる」とは限りません。

申込の前に、次の点をSBI証券に確認しておくことをおすすめします。

  • 制限の対象になるのはどの商品・どの操作か
  • 解除の方法と、解除までにかかる時間
  • 積立の設定、すでに出している注文、保有分の売却や建玉の決済、出金への影響

相場が急に動いたときに困らないか、ご自身の投資スタイルと照らして判断してください。「長期保有だから」という理由だけで一律におすすめするものではありません。

📎 あわせて読みたい
長期で何を持ち続けるかという話は、2027年NISAで何を買う?年間360万円ポートフォリオ戦略でまとめています。

SBI証券セキュリティ12項目チェック

印刷して、鉛筆で埋めていただくのがおすすめです。

チェック 確認項目 済
1 パスキー認証を設定した □
2 パスキーで実際にログインできることを確認した □
3 ログインパスワード無効設定を確認した □
4 SBI証券に登録しているメールアドレスに2段階認証を設定した □
5 メールアカウントにもパスキーを設定した □
6 ログイン通知メールの設定状況を確認した □
7 使っていないアプリ・ツールのログインを制限した □
8 出金時の認証コードが届く登録メールを受け取れる状態か確認した □
9 SBI証券を公式ブックマーク(またはアプリ)から開くようにした □
10 パスワードを他のサイトと使い回していない □
11 ログイン履歴を確認した □
12 登録メールアドレスと電話番号が今のものか確認した □

全部で12項目です。

2番は飛ばさないでください。ここを確認しないまま3番に進むと、自分がログインできなくなるおそれがあります。

まず今日やること

全部を一度にやらなくて大丈夫です。3段階に分けました。

短時間で確認できること

  • ログイン通知メールの設定状況を見る
  • 登録しているメールアドレスと電話番号が今のものか確認する
  • SBI証券の公式サイトをブックマークに登録する
  • ログイン履歴をざっと見る

少し時間を取って

  • パスキーを設定する(この記事でいちばん優先したいところです)
  • パスキーでログインできることを確認する
  • Gmailなど登録メールの2段階認証・パスキーを設定する

時間があるときに

  • ログインパスワード無効設定を有効にする
  • 使っていないアプリ・ツールのログインを制限する
  • 出金の認証コードが届くメールを受け取れるか確認する
  • 取引制限設定を検討する(申込前に解除方法と影響を確認)
  • パスワードの使い回しを解消する

所要時間は端末や慣れによって変わるので、あえて書きませんでした。1つだけでもいいので、今日のうちに手を動かすことを大切にしてください。

対策と防げるリスクの一覧

対策 防げる主なリスク 優先度
パスキー認証 フィッシング・パスワード窃取 ★★★★★
ログインパスワード無効設定 盗まれたパスワードによる不正ログイン ★★★★★
登録メールの2段階認証・パスキー メール乗っ取りによる認証コードの盗み見 ★★★★★
ログイン通知メール 不正アクセスの早期発見 ★★★★☆
アプリ・ツールのログイン制限 使っていないログイン経路からの侵入 ★★★★☆
出金時の二要素認証(自動適用) 勝手な出金 ★★★★☆
取引時認証(自動・設定不要) ふだんと異なる環境からの取引 ★★★★☆
ログイン履歴の確認 不正アクセスの発見 ★★★★☆
取引制限設定 勝手な売買 ★★★☆☆
ログイン一時利用停止 使わない時間帯の侵入 ★★★☆☆
パスワードの使い回し解消 リスト型攻撃 ★★★★★

万一、不審なログインを見つけたら

落ち着いて、順番に進めてください。

こんな症状があったら

  • 身に覚えのないログイン通知が届いた
  • 身に覚えのない注文が入っている
  • 保有していた株が売却されている
  • 知らない銘柄が購入されている
  • SBI証券から突然、認証コードが届いた
  • 登録しているメールアドレスや電話番号が変更されている

公式が案内している手順

公式FAQにもとづく流れです。

⚠️ 先にお伝えします
身に覚えのない取引や出金が実際に入っている場合は、①②の確認を待たずに、すぐSBI証券へ連絡してください。 以下の順番は「通知だけが届いた」という場合の流れです。

① まず、資産管理アプリの自動ログインではないか確認する

マネーフォワード等の資産管理アプリ・家計簿アプリを使っている場合、その自動ログインが原因のことがあります。接続状況を確認してください。

② ログイン履歴とログイン通知メールを確認する

実際に不審なログインがあるかどうかを見ます。

③ ①②に当てはまらず、身に覚えのないログインや取引・出金を見つけた場合

  • ログインパスワード・取引パスワードを変更する
  • ログイン一時利用停止を設定する(これ以上の侵入を止めます)
  • SBI証券に連絡する

④ 登録メールアカウントのセキュリティも確認する

メール側が乗っ取られている可能性もあります。パスワード変更と2段階認証の確認をしてください。

⑤ パソコン・スマホのウイルスチェックをする

マルウェアが原因の場合、パスワードを変えてもまた盗まれてしまいます。

📝 公式FAQには、「パスワード変更を先に」と書かれているページと、「ログイン一時利用停止を先に」と書かれているページがあります。どちらが先でも構いませんが、とにかく両方を早めに行うと考えてください。

連絡先

2026年10月時点で公式FAQに記載されている窓口です。

窓口 電話番号 受付時間
セキュリティに関する臨時のお問い合わせ窓口 0800-170-5333 平日 8:00〜17:00(ガイダンス3で不正アクセス・不正取引)
テクニカルサポートデスク(パスキー関連) 0120-581-255 平日 8:00〜17:00(年末年始を除く)
同(携帯電話から) 0570-010-702(ナビダイヤル・通話料有料) 同上
同(国際電話・IP電話) 03-4330-4337 同上

⚠️ 電話番号や受付時間は変更されることがあります。ご連絡の前に、SBI証券の公式サイトで最新の窓口をご確認ください。 検索結果に出てくる番号や、メールに書かれている番号にかけるのは避けてください(偽のサポート窓口の可能性があります)。

補償について

SBI証券は、フィッシング詐欺等による不正アクセス被害の補償について、公式サイトで案内を出しています。

ただし、補償の内容は一律ではありません。 公表されている方針では、発生時期によって扱いが分かれており、2025年10月26日以降に発生した被害については、補償されるかどうかとその内容が個別に判断されるとされています。判断の材料として、ID・パスワードの管理状況やセキュリティ機能の利用状況などが挙げられています。

ですので、「設定をすれば必ず補償される」とも、「設定していなければ必ず補償されない」とも言えません。 一律の説明ができる話ではない、ということです。

いずれにしても、「万一やられても補償があるから大丈夫」とは言えません。 だからこそ、設定をしておく意味があります。詳しい条件は必ずSBI証券の公式案内でご確認ください。

やってはいけないこと

⚠️ NG例とその理由

❌ メールのリンクからSBI証券にログインする
→ 偽サイトに誘導されても見分けがつきません。本物に見えても押さないでください。

❌ SMSのリンクからログインする
→ メールと同じです。SMSは差出人の表示も偽装できます。

❌ 検索結果の広告だけを見てログインする
→ 広告枠に偽サイトが出る場合があります。ブックマークか公式アプリから入ってください。

❌ SBI証券と他のサイトで同じパスワードを使う
→ 他のサイトから漏れた1組の情報で、SBI証券にも入られてしまいます。

❌ 認証コードを他人に教える
→ 認証コードは、あなたが手続きをしていることを確認するための一時的な番号です。教えた瞬間に、その確認の意味がなくなります。SBI証券が電話で認証コードを聞くことはありません。

❌ 「SBI証券サポート」を名乗る人にパソコンの遠隔操作を許可する
→ 画面を共有させて口座を操作される手口があります。こちらから連絡していない相手の指示で操作してはいけません。

❌ 電話でパスワードを教える
→ 公式FAQに「電子メール等で、お客さまのユーザーネーム・ログインパスワード・取引パスワード等を照会することはありません」と明記されています。聞いてくる相手は偽物です。

❌ よく分からないChrome拡張機能をたくさん入れる
→ 拡張機能は、見ているページの内容を読み取れる強い権限を持つことがあります。入力したパスワードが盗まれる可能性があります。使っていないものは削除してください。

セキュリティの3層構造

この記事の内容を、最後に整理します。

第1層:SBI証券を守る

パスキー認証、ログインパスワード無効設定、ログイン通知メール、出金時の二要素認証、取引制限。

第2層:登録メールを守る

Gmail等の2段階認証とパスキー。再設定用メール・電話番号の確認。

第3層:PC・スマホを守る

OSを最新に保つ。画面ロックをかける。セキュリティ機能を有効にする。怪しいアプリや拡張機能を入れない。

この3層は、どれか1つでは完成しません。

SBI証券だけを固めても、メールを乗っ取られたら認証コードを読まれます。メールを固めても、パソコンがマルウェアに感染していたら入力内容を盗まれます。

だから「3つセット」なのです。

第1層  SBI証券
   │  パスキー/パスワード無効設定/通知/出金認証
   ↓
第2層  登録メール(Gmail等)
   │  2段階認証/パスキー/再設定用情報
   ↓
第3層  PC・スマホ
      OS更新/画面ロック/セキュリティ機能

まとめ

完璧なセキュリティはありません。これはどんな方法を使っても変わりません。

ただ、パスキー認証、ログインパスワード無効設定、登録メールの2段階認証、ログイン通知メールを組み合わせることで、不正アクセスのリスクを大きく下げることができます。

大事なのは、次の4つを重ねることです。

  1. 入られにくくする(パスキー、パスワードログインの無効化)
  2. 入られても被害を広げにくくする(アプリ制限、取引制限、パスワードの使い回し解消)
  3. 異変に早く気付く(ログイン通知、ログイン履歴)
  4. 困ったときに動けるようにする(連絡先の確認、登録情報の最新化)

そして、今日やっていただきたいことは1つです。

まず、パスキーを設定してください。

メインサイトにログイン → 「セキュリティ設定」 → 「パスキー認証」 → 「変更」

これが、いまのSBI証券でいちばん効果の大きい設定です。設定したあと、パスキーでログインできることを確認して、それからログインパスワード無効設定に進んでください。

1つ設定するたびに、守りは着実に厚くなります。どうぞご無理なく、できるところから進めてください。

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SBI証券で何を買うかという話題では、SBIから信託報酬0%のオルカン「ゼロカン」登場もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. パスキーを設定すれば、パスワードは不要になりますか?

設定しただけでは、パスワードも引き続き使えます。 公式FAQには、パスキー認証とユーザーネーム・ログインパスワードは併用して利用できると書かれています。

パスキーだけにしたい場合は、「ログインパスワード無効設定」を別に行う必要があります。これを有効にすると、パスワードでのログインができなくなり、パスキーのみになります。

ただし、ログインパスワード自体は他の場面でも使うことがあるため、忘れないように管理は続けてください。

Q. パスキーを設定すると、スマホをなくしたときにログインできなくなりますか?

先に備えておけば、慌てずに対応できます。

まず、パスキーは10個まで登録できます。 スマホとパソコンの両方に登録し、それぞれで実際にログインできることを確認しておくと、1台の故障・紛失への備えになります。

ただし、2台で使えていても、同じ保存先(クラウド)で同期された同じパスキーということがあります。その場合、クラウドのアカウントが使えなくなると両方とも使えません。できれば、対応している別の保存先にも予備を登録して、動作を確認しておくと安心です。

また、iPhoneやAndroidは、iCloudキーチェーンやGoogleパスワードマネージャーといった「パスキープロバイダ」に保存されるため、同じアカウントで新しい端末にサインインすれば引き継げる場合があります。

紛失した場合は、公式FAQでは「当社に登録しているパスキープロバイダの削除を行ってください」と案内されています。別の端末からログインできないときは、ユーザーネームとログインパスワードでログインして削除します。

ユーザーネームやパスワードが分からない場合、またはログインパスワード無効設定をしている場合は、テクニカルサポートデスク(0120-581-255)に連絡してください。

Q. パソコンを買い替えた場合はどうなりますか?

端末の種類によって扱いが変わります。 公式FAQの内容はこうです。

ケース 対応
Windows Helloに保存したパスキー 新しいPCで再登録が必要
Mac・スマホで、新しい端末のOSが前と同じ(かつ同じアカウントで同期が有効) 登録済みのパスキーをそのまま使える
Mac・スマホで、OSが違う(例:iPhone → Androidに変更) パスキーは移行できません。新しい端末で登録し直します

これは、SBI証券のFAQが想定している標準的な保存先についての案内です。Windowsパソコンでも、Googleパスワードマネージャーなど同期できる保存先にパスキーを保存していた場合は、扱いが変わることがあります。

買い替えの前に、古い端末が使えるうちに新しい端末でパスキーを登録しておくと、いちばんスムーズです。また、古いパスキーを削除する前に、残っている手段で本当にログインできるか確認してください。

Q. SBI証券から認証メールが来たら、リンクを押していいですか?

押さないでください。 これは本物であっても同じです。

理由は、本物かどうかを見分ける確実な方法がないからです。送信者名が「SBI証券」で、アドレスが @sbisec.co.jp でも、偽装の可能性があると公式FAQが明言しています。

確認したいときは、ブックマークから公式サイトを開くか、公式アプリを自分で開くかのどちらかにしてください。本当に手続きが必要な場合は、ログイン後のお知らせやメッセージボックスに案内があることが多いです。見つからないときは、メールのリンクではなく、公式サイトに載っている窓口に自分で問い合わせてください。

なお、認証コードの数字自体をメールから読んで、自分で開いた公式サイトに入力するのは問題ありません。押してはいけないのはリンクです。

Q. 身に覚えのないログイン通知が来たら、どうすればいいですか?

まず、資産管理アプリを使っていないか確認してください。

公式FAQには「身に覚えのない認証コードのメールは、資産管理アプリや家計簿アプリなどを使用されていることによる自動ログインが関係している可能性がございます」とあります。マネーフォワードなどは、アプリを開いていなくても定期的にアクセスします。

それに当てはまらない場合は、

  1. ログイン履歴を確認する
  2. ログインパスワード・取引パスワードを変更する
  3. ログイン一時利用停止を設定する
  4. SBI証券に連絡する(セキュリティに関する臨時のお問い合わせ窓口 0800-170-5333/平日8:00〜17:00)

という流れです。身に覚えのない取引や出金を見つけた場合は、すぐに連絡してください。

Q. Gmailの2段階認証も必要ですか?

必要です。むしろ優先度は高いほうです。

SBI証券の認証コードやセキュリティ通知は、登録しているメールアドレスに届きます。そのメールアカウントを乗っ取られると、認証コードを横から読まれてしまいます。

パスワード再設定の案内もメールに届くため、メールを取られると他のサービスまで連鎖する可能性があります。

Gmailなら、「セキュリティとログイン」→「Googleにログインする方法」から2段階認証を設定できます。可能ならパスキーも設定しておくと、さらに安心です。

Q. Windows HelloのPINは安全ですか? 4桁の数字では心配です。

心配は分かりますが、仕組みが違います。

Windows HelloのPINは、インターネット上のサーバーに送られる「パスワード」ではありません。その1台のパソコンの中だけで本人確認をするための番号です。

ですので、PINだけを別のパソコンに入力しても、同じ認証の鍵は使えません。 PINがネットの向こう側に送られることも、保存されることもありません。

ただし、そのパソコンを他人に操作させたり、PINを人に教えたりしてはいけません。 パソコンを他人と共有している場合や持ち出す場合は、推測されにくいPINにするか、顔認証・指紋認証を併用してください。パソコン自体の盗難対策、マルウェア対策も忘れずに。

Q. デバイス認証を設定していれば大丈夫ですか?

いいえ。デバイス認証サービスは終了しています。

SBI証券の公式FAQには「※デバイス認証サービスは終了しておりますが、設定状況につきましては、表示されております」と書かれています。

設定状況の表示だけが画面に残っているため、「設定済みだから安心」と誤解しやすいところです。古い解説記事ではデバイス認証が推奨されていることがありますが、現在はパスキー認証を設定してください。

Q. パスキーを設定しないと、ログインできなくなりますか?

現時点では、ログインできなくなるという案内は出ていません。

パスキー認証は2026年6月30日から原則必須化されていますが、公式FAQには同時に「引き続きユーザーネーム/パスワードでログインは可能」とも書かれています。ただし、設定するまでは継続的に設定を促す案内が表示・配信され、お取引を急ぐときに不便が生じる可能性があるとされています。

今後の方針は変わる可能性があります。不便になる前に、早めに設定しておくのがおすすめです。

参考情報(確認日:2026年10月29日)

SBI証券 公式

公的機関・業界団体

その他(記事内で参照)

この記事は2026年10月29日時点の公開情報をもとに作成しています。SBI証券のサービス内容・画面名称・連絡先は変更されることがあります。実際の設定にあたっては、SBI証券の公式サイトおよびログイン後の画面を必ずご確認ください。また、本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。

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