GPIFは資産配分を変更するのか?7〜9月期は5.2兆円のマイナス──約314兆円の年金運用と日本株・米国債・ドル円への影響【2026年11月6日】

2026年11月6日、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2026年度第2四半期(7〜9月期)の運用状況を公表しました。 期間の収益額は マイナス5兆2,533億円、収益率は マイナス1.65% でした。

発表前から、市場では「GPIFが資産配分(アセットアロケーション)を変える兆しが見えるのではないか」という関心が高まっていました。2026年7月に政府の閣僚から相次いで発言があり、8月21日の経営委員会では基本ポートフォリオの検証に関する議論が報告事項として取り上げられていたためです。

GPIFの運用資産は約314兆円。世界最大級の機関投資家です。GPIFが構成割合を示すときの分母は、年金特別会計分を含めた約320兆円で、構成比1ポイントは約3.2兆円に相当します(実際の売買額を示すものではありません)。だからこそ、日本株・日本国債・米国債・ドル円のすべてに関係してきます。

先に結論をお伝えします。2026年11月6日時点で、筆者が確認した公式資料の範囲では、GPIFが基本ポートフォリオを変更したという正式な発表は見当たりませんでした。 何がどこまで確認できて、何がまだ分からないのかを、以下で順に切り分けていきます。

  1. この記事でわかること
  2. 第1章 GPIFとは何か|年金と積立金の関係
    1. 保険料と積立金はどう違うのか
    2. 損失が出ても、すぐに年金が減らない3つの理由
  3. 第2章 2026年7〜9月期の運用実績|5.2兆円のマイナス
    1. 資産ごとに見ると
  4. 第3章 基本ポートフォリオと実際の構成比|ここが一番大事
    1. 2026年9月末の実際の構成比
    2. 比率の変化は、売買の証拠ではありません
  5. 第4章 なぜいま資産配分の変更が注目されているのか
    1. 背景1:日本の金利環境が根本的に変わった
    2. 名目金利と実質金利は違います
    3. 背景2:2026年8月21日の経営委員会で何が起きたのか
    4. 検証はどういう手順で行われるのか
    5. 背景3:政府側からの発言
    6. 金融機関の分析
  6. 第5章 配分が1ポイント動くと、いくら動くのか
    1. この表の読み方には厳重な注意が必要です
  7. 第6章 日本株への影響|高配当株投資家の視点
    1. 配分が維持される場合と引き下げられる場合
    2. 日本株の需給(買いたい量と売りたい量の関係)には、GPIF以外の要因もあります
    3. 高配当株投資家が見るべきは、GPIFではなく企業です
  8. 第7章 日本国債と米国債ETF|2255・2621の仕様を確認する
    1. 債券価格と利回りは逆に動きます
    2. デュレーションという「金利への敏感さ」
    3. 2255と2621の公式仕様
    4. 実績を見ると違いがはっきり出ています
    5. 金利が動いたときの価格への影響(概算)
    6. 日本国債の需給と長期金利
    7. 外国債券を減らすことは、米国債の売却と同じではありません
  9. 第8章 ドル円への影響|「外債を売れば円高」は本当か
    1. 円高圧力が生まれる仕組み
    2. しかし、必ず円高になるとは限りません
    3. 日銀・FRBと日米金利差
  10. 第9章 2027年に向けた3つのシナリオ
  11. 第10章 個人投資家が今考えておきたいこと
  12. まとめ
  13. よくある質問(FAQ)
  14. 参考資料・出典
  15. 投資リスクと免責事項

この記事でわかること

  • 2026年7〜9月期のGPIFの運用実績(公表されたばかりの実数値)
  • 2026年9月末の資産構成比と、6月末からどう変わったか
  • 「比率が変わったこと」と「GPIFが売買したこと」はまったく別の話である理由
  • なぜいま資産配分の変更が注目されているのか(閣僚発言と経営委員会の中身)
  • 配分が1〜5ポイント動いたら理論上いくら動くのか
  • 日本の高配当株、日本国債、米国債ETF(2255・2621)、ドル円への影響の考え方
  • 2027年に向けた3つのシナリオと、個人投資家が今できること

事実と予想が混ざると判断を誤るので、本文は 【確認済みの事実】(公式資料で筆者が直接確認)、【市場の観測・予測】(報道や金融機関の見方。確定ではありません)、【筆者の推論】(筆者が公表資料から考えたこと。外れる可能性があります)に分けて書きます。情報の基準日は2026年11月6日です。


第1章 GPIFとは何か|年金と積立金の関係

【確認済みの事実】 GPIFの正式名称は「年金積立金管理運用独立行政法人」です。英語名 Government Pension Investment Fund の頭文字をとってGPIFと呼ばれます。厚生労働大臣から預かった年金積立金を運用する独立行政法人で、2026年9月末の運用資産額は 314兆3,876億円 です。

保険料と積立金はどう違うのか

公的年金(国民年金・厚生年金)は、現役世代が払う保険料と税金で給付の大部分をまかない、積立金もあわせて活用する仕組みで動いています(賦課方式)。皆さんが毎月払う保険料は、将来の自分のために積み立てられているのではなく、おもに今の受給者に届いています。

積立金は、保険料収入が給付に必要な額を上回った時期に積み上がった余剰分です。GPIFはこれを運用しています。

区分 誰のお金か どう使われるか
保険料 現役世代が毎月納める 大部分は今の受給者への給付に直接充てられる
国庫負担(税金) 国民全体 基礎年金の給付などに充てられる
積立金(GPIFが運用) 過去に積み上がった余剰分 将来、保険料と税金だけでは足りなくなる時期に給付の一部を補う

【確認済みの事実】 市場運用を始めた2001年度から2026年度第2四半期までの累積収益額は プラス215兆7,669億円、うち利子・配当収入が 64兆6,629億円 です。保険料を上げたり給付を下げたりせずに確保できたお金で、将来の給付を支える原資になります。

損失が出ても、すぐに年金が減らない3つの理由

理由1:積立金は年金財源の一部にすぎません。 給付の原資は保険料・国庫負担・積立金の3つです。【確認済みの事実】 GPIFは公式サイトのよくあるご質問で「今後100年間の平均でみると、年金財源全体のうち、積立金からまかなわれるのは約1割です」と説明しています。

理由2:いま受け取っている年金額には影響しません。 年金額の改定は、物価や賃金の変動率と、「マクロ経済スライド」(年金を支える人の減少や平均寿命の伸びを踏まえて年金額の伸びを抑える調整)という仕組みで決まります。【確認済みの事実】 GPIF自身も公式サイトのよくあるご質問で「年金積立金の収益が、現在の年金受給者の受取額に影響を与えることはありません」と明記しています。

理由3:100年先まで見据えた年金財政の中で考える仕組みです。 【確認済みの事実】 第5期中期目標(2025〜2029年度)の運用目標は「長期的に年金積立金の実質的な運用利回り(運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いたもの)1.9% を最低限のリスクで確保すること」。四半期の数字で成否を判断する設計ではありません。

【確認済みの事実】 GPIFも「株式や債券の運用によって得られる収益は、短い期間ではプラスやマイナスに大きく振れることもありますが、運用の期間が長くなるほど、プラスとマイナスが互いに打ち消し合うことで、年率平均の収益の振れ幅を小さくする効果が期待できます」と説明しています。

ただし 長期にわたって想定を下回り続ければ、将来の給付水準の見通しには影響が出ます。 短期の上下は気にしなくてよいが長期の方向性は見ておく、というのが正しい距離感だと筆者は考えます。

【確認済みの事実】 第5期中期計画は「資産や地域等を分散させた長期国際分散投資を基本とする」「市場の価格形成や民間の投資行動等を歪めないよう配慮する」こと、株式では「個別銘柄の選択は行わない」ことを定めています。長期・分散・低コスト、そして市場をかき乱さない。これがGPIFの基本です。

GPIFの仕組みと個人のリバランスは GPIFはなぜ41兆円も稼げたのか?個人投資家が学ぶポートフォリオ戦略とリバランス術、年金制度の見直し議論は 基礎年金の底上げで厚生年金は減る?2025年年金改革法の「損する世代・得する世代」 で解説しています。


第2章 2026年7〜9月期の運用実績|5.2兆円のマイナス

【確認済みの事実】 2026年11月6日公表の「2026年度第2四半期運用状況(速報)」の内容です。

項目 2026年度第2四半期(7〜9月) 2001年度〜2026年度第2四半期
収益率 −1.65%(期間) +4.83%(年率)
収益額 −5兆2,533億円 +215兆7,669億円(累積)
うち利子・配当収入 +1兆2,967億円 +64兆6,629億円
運用資産額 314兆3,876億円(2026年9月末) —

注意点があります。 GPIF公式サイトのトップページには、2026年11月6日時点で「年率+4.95%、累積+221.0兆円」という記載が残っていますが、これは 2026年6月末時点の数字 です。7〜9月期を反映した最新値は 年率+4.83%・累積215.8兆円 です。他のサイトで4.95%や221兆円を見たら、どの時点のものか確かめてください。

期間 収益率 収益額 期末の運用資産額
2025年度(通年) +16.47% +41兆3,995億円 293兆6,437億円
2026年度 第1四半期(4〜6月) +8.20% +24兆895億円 317兆7,596億円
2026年度 第2四半期(7〜9月) −1.65% −5兆2,533億円 314兆3,876億円
2026年度 4〜9月累計 +6.42% +18兆8,363億円 314兆3,876億円

第1四半期に24.1兆円稼いだあと、第2四半期で5.3兆円減らした形です。ただし2026年度の半年間では、まだ18.8兆円のプラスです。

資産ごとに見ると

資産 収益率 収益額
国内債券 −1.80% −1兆4,452億円
外国債券 −6.52% −5兆2,301億円
国内株式 +3.71% +2兆8,822億円
外国株式 −1.86% −1兆4,602億円

マイナスの主因は外国債券です。 1つの資産だけで5.2兆円のマイナスとなり、全体の赤字幅とほぼ同じ規模になりました。

【確認済みの事実】 GPIFの内田理事長は2026年11月6日のコメントで、7〜9月期の環境をこう説明しています。中東情勢を受けて原油価格が再び上昇に転じ、AI投資に関連する品目の価格上昇もあって世界的にインフレの上振れリスクが高まった。これに伴い 日本銀行・米国連邦準備制度理事会(FRB)・欧州中央銀行(ECB)がそれぞれ9月に利上げ を行い、国内外ともに幅広い年限で国債金利が上昇した。為替は 日米の円買い協調介入 の影響などもあり対ドル・対ユーロともに円高となった。株式はハイテク銘柄の上昇ペースが減速し、国内株式はプラス、外国株式は自国通貨建てではプラスだが円建てではマイナスとなった――。

【確認済みの事実】 実際の市場指標(GPIF参考資料)です。

指標 2026年3月末 2026年6月末 2026年9月末
日本10年国債利回り 2.35% 2.68% 3.07%
米国10年国債利回り 4.32% 4.47% 5.28%
TOPIX 3,497.86 3,994.76 4,108.65
ドル/円 159.09円 162.53円 157.14円

外国債券が大きくマイナスになった背景は、この表から読み取れます。 米国の長期金利が4.47%から5.28%へ上がって債券価格が下がり、さらにドル円が162.53円から157.14円へ円高に進んで円換算の価値も下がりました。金利上昇と円高のダブルパンチです。ただしGPIFの外国債券は米国以外の国債も含むため、どの要因がどれだけ効いたのかまでは、この表からは分かりません。


第3章 基本ポートフォリオと実際の構成比|ここが一番大事

【確認済みの事実】 2025年4月1日から適用されている第5期中期計画(2025〜2029年度)の基本ポートフォリオです。

資産 資産構成割合 乖離許容幅
国内債券 25% ±6%
外国債券 25% ±5%
国内株式 25% ±6%
外国株式 25% ±6%
債券合計 / 株式合計 50% / 50% ±9% / ±9%

「乖離許容幅(かいりきょようふく)」は、基本の割合からどれだけ離れてもよいかを定めた範囲です。 国内債券なら25%を中心に19%〜31%の範囲で動いてよい、という意味です。外国債券だけ±5%と少し狭くなっています。

【確認済みの事実】 第5期についてGPIFは「資産構成割合は第4期と同様となった」「乖離許容幅は、4資産の幅とともに、株式リスクの管理強化の観点から、債券・株式全体についても設定した。新たに想定したリスクを元に乖離許容幅を推計したところ、第4期と比べて小さくなった」と説明しています。つまり 配分そのものは変わらず、動ける幅はむしろ狭くなりました。 オルタナティブ資産(インフラ、プライベートエクイティ=非上場企業への投資、不動産など)は独立した区分とせず4資産の中で管理し、資産全体の5%を上限としています。

2026年9月末の実際の構成比

【確認済みの事実】 GPIFが公表する構成割合は、年金特別会計で管理する積立金を含む「年金積立金全体」が分母です(2026年9月末は319兆7,802億円)。

資産 基本配分 2026年6月末 2026年9月末 変化
国内債券 25% 25.59%(81兆9,976億円) 26.49%(84兆7,132億円) +0.90pt
外国債券 25% 24.60%(78兆7,980億円) 24.05%(76兆9,007億円) −0.55pt
国内株式 25% 24.48%(78兆4,321億円) 24.80%(79兆2,902億円) +0.32pt
外国株式 25% 25.33%(81兆1,454億円) 24.67%(78兆8,761億円) −0.66pt
債券 / 株式 50% / 50% 50.19% / 49.81% 50.54% / 49.46% +0.35pt / −0.35pt
オルタナティブ 上限5% 1.70% 1.72% +0.02pt

4資産はすべて乖離許容幅の中に収まっています。 最も離れている国内債券でもずれは1.49ポイントで、許容幅±6%にはまだ余裕があります。

比率の変化は、売買の証拠ではありません

国内債券の比率が0.90ポイント上がったことを「GPIFが国内債券を買い増した」と受け取るのは危険です。 理由は3つあります。

理由1:市場価格が動くだけで比率は変わります。 日本株が大きく上がれば、GPIFが1円も売買しなくても国内株式の比率は自然に上がります。資産を持っているだけで比率は勝手に動くのです。 株が上がった年末に「株の割合が増えていた」という経験をされた方も多いと思います。

理由2:3つの「比率の変化」はまったく別のものです。

種類 何が起きているか 公表のされ方
① 値動きによる比率変化 売買しなくても、価格や為替が動けば比率は変わる 四半期の構成割合に自動的に表れる
② 乖離許容幅内の調整 許容幅の中でGPIFが判断して配分を傾ける 個別の発表はなく、構成割合の変化としてのみ表れる
③ 基本ポートフォリオの変更 25%という中心の数字そのものを変える 経営委員会の議決、厚生労働省の審議会の諮問・答申、厚生労働大臣の認可を経て公表される

③の基本配分の変更はとりわけ大きな注目材料ですが、②の許容幅内の調整でも、取引の規模や市場の状況によっては相場が動き得ます。そして四半期の構成割合の変化だけでは、①②③を区別できません。

理由3:今回は「年金特別会計の積立金」が増えています。 【確認済みの事実】 GPIFの資料の注記によれば、年金積立金全体に含まれる「年金特別会計で管理する積立金」は 2026年6月末で約2.6兆円、9月末で約5.4兆円 と、3か月で約2.8兆円増えています。注記にはさらに「円建ての短期資産は国内債券に区分している」とあります。

【筆者の推論】 国内債券の残高の増加は+2兆7,156億円で、年金特別会計分の増加(約2.8兆円)と近い規模です。年金特別会計分の増加も、国内債券の残高や比率に影響し得ます。ですから、国内債券比率の上昇を「GPIFが国内債券を買い増した証拠」と読むことはできません。 なお国内債券の7〜9月期の収益額は−1兆4,452億円(−1.80%)でした。この数字は利子収入や売買損益も含んだ期間収益であって、純粋な評価損ではありません。残高の増減には、期間収益・売買・資金の出入り・区分の変更がすべて混ざるため、この公表値だけで増加の内訳を特定することはできません。

正確に言えることはここまでです。 GPIFが四半期ごとに公表するのは構成割合と資産額であり、売買の金額は公表されていません。 残高の増減には値動き・売買・年金給付のための資金の出入り・特別会計分の変動がすべて混ざっています。「比率が上がった=買った」という読み方は、どの資産についても成り立ちません。


第4章 なぜいま資産配分の変更が注目されているのか

背景1:日本の金利環境が根本的に変わった

【確認済みの事実】 日本の10年国債利回りは2026年3月末2.35% → 6月末2.68% → 9月末3.07%と上昇しました。財務省の国債金利情報では 2026年11月5日時点で10年 2.806%、20年 3.640%、30年 3.915% です。四半期末の3.07%(9月末)と比べると、足元はやや低い水準にあります。日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で無担保コールレート(オーバーナイト物)を 1.25%程度 とすることを決定し(賛成7・反対2)、新しい方針は9月24日から適用されました。10月30日の会合では維持を決定しています(賛成8・反対1)。

これが重要なのは、2020年に基本ポートフォリオを4資産均等にしたときとは前提がまるで違うということです。当時の日本の長期金利はほぼゼロで、国内債券を持ってもほとんど利息が得られませんでした。だから国内債券を35%から25%へ引き下げたのです。今は10年国債で2.8%前後の利回りがあります。「国内債券を増やしても年金に必要な利回りを確保できるのではないか」という議論が成り立つ環境になりました。

名目金利と実質金利は違います

「名目金利」は、物価上昇の影響を調整する前の金利です。10年国債の利回りが2.8%なら名目金利は2.8%。「実質金利」は名目金利からインフレ率を引いたもので、こちらが実際の購買力の増え方に近い数字です。

【確認済みの事実】 総務省が2026年10月23日に公表した消費者物価指数(2026年9月分、2025年基準)は、総合指数が前年同月比 +2.1%、生鮮食品を除く総合が +2.1%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合が +2.4% の上昇でした。

【筆者の推論】 10年国債2.806%から生鮮食品を除くCPI上昇率2.1%を引くと その差はざっと0.7ポイント です。プラスですが大きな数字ではありません。「名目金利が2.8%もある」という印象ほど、実質的な利回りは高くないのです。 なおこれは今の金利と直近の物価上昇率を並べた参考値であって、今後10年間の実質利回りを示すものではありません。将来の購買力は、その間の物価の動き次第で変わります。

さらにGPIFの物差しはもうひと段階ずれます。【確認済みの事実】 運用目標は「名目賃金上昇率を上回る実質的な運用利回り1.9%」で、物価ではなく賃金が基準です。賃金が伸びれば必要な名目利回りも上がります。「国内債券の利回りが上がったから増やせばよい」と単純に言えないのは、このためです。

背景2:2026年8月21日の経営委員会で何が起きたのか

【確認済みの事実】 GPIF公式サイトで公開されている第126回経営委員会(2026年8月21日開催)の議事次第を確認しました。

区分 議題
議決事項 組織規程の改正について
審議事項 国内の日中取引時間以外のリスク管理体制の強化について(2)
報告事項(1) 基本ポートフォリオ検証等PTにおける議論について
報告事項(2)〜(5) 2026年度第1四半期運用状況(速報)/外国株式ESG指数選定/2025年度業務概況書の過誤訂正/足元の運用リスク管理状況及び業務執行状況

議論されたこと:基本ポートフォリオの検証に関するプロジェクトチーム(PT)の議論が、報告事項として経営委員会に上がりました。「PT」は「基本ポートフォリオ検討作業班」のことです。第5期の基本ポートフォリオの詳細資料に「基本ポートフォリオ検討作業班(基本ポートフォリオ検証等PT)における議論」と書かれており、第5期の策定時にも議論を重ねてきた組織です(同資料によれば、経営委員会の下に2022年度から置かれた、経済・金融の専門家による作業班です)。

議事次第に書かれていること:この日の 議決事項として挙がっているのは「組織規程の改正について」だけ です。公表されている議事次第に、基本ポートフォリオの変更を議決する項目はありません。

公表されていないこと:報告事項(1)の資料本文は公開されておらず、議事概要も2026年11月6日時点で未掲載です(GPIFは議事概要を数か月遅れで掲載しており、同時点の最新掲載は第123回・第124回分)。「PTで何が議論されたのか」の中身は、現時点では公式には分かりません。

検証はどういう手順で行われるのか

【確認済みの事実】 ヒントになるのがひとつ前の記録です。第122回経営委員会(2026年5月22日)の議事概要には、議決事項「2025年度基本ポートフォリオの検証について」についてこう書かれています。

2025年度における基本ポートフォリオの検証について、基本ポートフォリオ検討等PTにおける検証①の状況を報告し、2025年度については検証②及び見直しの検討は必要ないことについて、議決を行い、出席した10名の全委員の賛成により承認された。

検証には段階があることが分かります。検証①を行い、その結果を見て検証②や見直しの検討に進むかどうかを経営委員会が議決する流れです。そして 2025年度については「必要ない」と全委員一致で判断されました。

【確認済みの事実】 第5期中期計画は、基本ポートフォリオについて「策定時に想定した運用環境が大きく変化する可能性がないか等について毎年度適時適切に検証を行い、経営委員会が必要と認めるときは、中期目標期間中であっても、見直しの検討を行い、必要に応じて速やかに修正を行う」と定めています。5年を待たずに動ける仕組みがある、ということです。

【確認済みの事実】 その後の経営委員会も確認しました。第127回(2026年9月28日)の報告事項には「マクロ経済レビュー」がありますが基本ポートフォリオに関する議題はなく、第128回(2026年10月23日)にもありません。2026年11月6日時点で、GPIFの基本ポートフォリオのページ、第5期中期計画、最新の運用状況、経営委員会の公開資料、公式サイトの新着情報を筆者が確認した範囲では、変更の正式な発表は見当たりませんでした。

【筆者の推論】 2025年度は5月に「見直し不要」と判断され、その3か月後の8月にPTの議論が報告事項として上がった。この並びを見ると 2026年度の検証プロセスが動いているところ と読むのが自然だと筆者は考えます。ただし「検証が動いている」ことと「変更が決まる」ことの間には距離があります。2025年度も検証①は行われ、結論は「見直し不要」でした。

背景3:政府側からの発言

【確認済みの事実】 2026年7月、政府の要人から相次いで発言がありました。下の表のうち財務大臣(7月10日・7月14日)と厚生労働大臣(7月14日)の発言は、筆者が財務省・厚生労働省の公式な会見記録に直接あたって確認しています(URLは記事末尾の参考資料に掲載しました)。

日付 誰が 発言の要旨
7月10日 片山さつき財務・金融担当相(閣議後会見) 「GPIFをはじめとする年金基金により日本の金融資産にさらなる投資をしていただくという方向で後押しをする方策を追求したい」
7月14日 片山さつき財務・金融担当相(閣議後会見) 基本ポートフォリオは「全く不磨の大典でも何でもない」。運用環境が変化すれば検証や見直しはあり得る
7月14日 上野賢一郎厚生労働相(大臣会見) 「現在の運用環境が基本ポートフォリオの想定から大きく乖離しているとは考えていない」としつつ、必要があれば見直しの検討を進める
7月17日 高市早苗首相(参議院予算委員会) 家計やGPIFをはじめとする年金基金による「日本の金融資産へのさらなる投資を後押しする方策を追求する」ことは重要だと答弁 ※この1件のみ、筆者は会議録の原文を確認できておらず、第一生命経済研究所のレポートが参議院インターネット審議中継を出典として紹介している内容です

「不磨の大典(ふまのたいてん)」は、永久に変えてはいけない決まりという意味です。 財務相はそれを否定しましたが、GPIFを所管する厚生労働相は「大きく乖離しているとは考えていない」と慎重です。閣内でもトーンが違うことに注意してください。

【確認済みの事実】 この7月14日の会見で、上野厚生労働大臣は乖離許容幅についても答えています。「GPIFは、適時適切なリバランスを通じて、基本ポートフォリオからの乖離を極力抑えるように運用しています」「運用の高度化を図ることで4資産均等の基本ポートフォリオを維持するリバランスを機動的に実施しています」と述べました。つまり所管大臣の認識では、GPIFは許容幅を積極的に使って配分を傾ける運用はしていない、ということです。 この点は、のちほど第9章のシナリオを考えるときに効いてきます。

金融機関の分析

【市場の観測・予測】 第一生命経済研究所(第一ライフ資産運用経済研究所)の奥田宏二主席研究員は、2026年7月28日付レポートで次の分析を示しています。

  • GPIFは2020年に国内債券比率を35%から25%へ引き下げた。背景には国内債券の実質的なリターンが▲1.6%まで低下し、外国債券との格差が拡大したことがあった
  • GPIFが現在の基本ポートフォリオの期待リターンを示す際に用いた条件(パターンA)では、国内債券の実質的なリターンは4つの経済シナリオで▲0.8%
  • 他の3資産の実質的なリターンを固定した簡易試算では、これが ▲0.6%程度まで改善すれば国内債券30%型は運用目標1.9%を満たし、約▲0.4%まで改善すれば35%型もほぼ満たす(国内債券を増やした分を他のどの資産から持ってくるかという前提の置き方で、結果は変わります)
  • 「国内債券比率30〜35%も検討する価値はあるだろう」

これは民間の研究機関による予測・試算であり、GPIFが決めたことではありません。 レポート自体も「情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません」「見通しは予告なく変更されることがあります」と明記しています。分析日は2026年7月28日で、その後の金利や為替の動きは反映されていません。

【市場の観測・予測】 同研究所は2026年7月14日付の別レポートで、国内投資を増やす手段を3つに整理しています。

手段 特徴
① 乖離許容幅の活用 理論的には国内資産比率を最大61%まで引き上げられ、2025年度末比で約31兆円の追加配分に相当。3つの中で最も機動的。ただし恒久的な国内傾斜を想定した仕組みではない
② 国内オルタナティブ投資の拡大 2025年度末時点で1.74%(積立金に占める割合)を、5%の上限に向けて拡大する余地がある
③ 基本ポートフォリオの改定 同レポートが 「国内資産比率を恒久的に引き上げられる唯一の手段」 と位置づける方法。ただし運用目標とリスク制約を満たすことを財政検証の経済前提に沿って示す必要がある

同レポートは、問われるのは「国内投資を増やすことが『専ら被保険者の利益』に資すると示せるか」だと指摘しています。これは制度上の要請です。 GPIFは国の成長戦略のための道具ではなく、年金の加入者・受給者の利益のために運用する組織だと法律で定められています。


第5章 配分が1ポイント動くと、いくら動くのか

【確認済みの事実】 GPIFが公表する構成割合の分母である年金積立金全体は、2026年9月末で 319兆7,802億円 です。「1ポイント」とは、たとえば構成比が25%から26%に変わるような動きのことです。単純計算すると次のようになります。

配分の変化 金額の目安
1ポイント 約3.2兆円
2ポイント 約6.4兆円
3ポイント 約9.6兆円
5ポイント 約16.0兆円

国内債券を25%から30%へ(+5ポイント)なら約16兆円という計算です。

この表の読み方には厳重な注意が必要です

この金額は「実際の売買額」ではありません。 資産総額に比率の差をかけただけの概算です。

注意1:移行には時間をかけます。 【確認済みの事実】 第5期中期計画は、見直した場合「市場への影響等に鑑み必要があると認めるときは、ポートフォリオを見直し後の基本ポートフォリオに円滑に移行させるため、移行ポートフォリオ(基本ポートフォリオを実現するまでの経過的な資産の構成をいう)を策定する」と定め、さらに「資金の投入及び回収に当たって、特定の時期への集中を回避する」ことも定めています。段階的に移していく仕組みが制度に組み込まれており、16兆円を一気に動かすという発想自体がGPIFの行動原則と合いません。

注意2:年金給付のための資金の出入りも使えます。 年金給付のために取り崩す動きや、配当・利息・償還金、新たに預かる資金があります。これらを使えば、保有資産を売る額を抑えながら比率を動かせる場合があります。

注意3:①②③の区別を忘れないでください。 基本配分の変更(③)・許容幅内の調整(②)・値動きによる変化(①)は別のものです。上の表は、配分の差を金額に置き換えただけのもので、実際の売買額とは一致しません。

【市場の観測・予測】 第一生命経済研究所の試算では、2025年度末のGPIF運用資産294兆円を基準に、国内債券30%型への移行は 約15兆円、35%型は 約29兆円 の外貨売り・円買いに相当するとされています。ただし同レポートは注記で「機械計算であり、実際の為替取引額と時期は、移行時点の資産構成、資金流出入、為替ヘッジの利用、移行期間によって異なる」と明記し、「この規模で国内債券比率を引き上げる場合、国内債券市場の規模や流動性も考慮する必要がある」とも指摘しています。

【筆者の推論】 数字の大きさに目を奪われると判断を誤ります。大事なのは「金額」ではなく「いつ・どのくらいのペースで・どの資産から」です。 それは変更が決まった後に公表される移行計画を見るまで分かりません。


第6章 日本株への影響|高配当株投資家の視点

【確認済みの事実】 2026年9月末の国内株式の構成比は 24.80% で、基本配分25%をわずかに下回っています(6月末24.48%)。7〜9月期の収益率は +3.71%(+2兆8,822億円) で、4資産の中で唯一のプラスでした。

配分が維持される場合と引き下げられる場合

【筆者の推論】 想定できるケースを整理します。

ケース 日本株の需給への意味
国内株式25%が維持される リバランス(資産の割合を元に戻す調整。上がれば売り、下がれば買う)が続く。下落局面では買い手、上昇局面では売り手に回りやすく、相場の振れを小さくする方向に働き得る
国内株式が引き下げられる 中心の比率が下がり、移行期間をかけて売却が進む。売り圧力は出るが期間が分散される
国内株式が引き上げられる 買い需要が生まれる。なお国内債券と国内株式を同時に増やす配分も、外国資産の減らし方しだいで成り立ちます

注意していただきたいことがあります。 国内債券比率を引き上げるという話が出たとき、その原資をどこから持ってくるかで意味がまったく変わります。外国債券・外国株式から持ってくるなら日本株への売り圧力は生じません。国内株式を減らす形なら売り要因になり得ます。 ただし実際の売却額や時期は、比率だけでは決まりません。この区別が報道では曖昧になりがちです。

日本株の需給(買いたい量と売りたい量の関係)には、GPIF以外の要因もあります

【確認済みの事実】 日本銀行は2026年10月30日の金融政策決定会合で、保有ETFの売却について 年間の売却ペースを3,300億円程度から8,600億円程度(簿価ベース=帳簿に記録された金額ベース)に拡大 することを決定しました(2027年1月から実施、全員一致)。日銀の注記では時価に換算すると 年間2兆4,600億円程度 とされています(換算の前提に基づく金額で、将来の実際の売却額を保証するものではありません)。

【筆者の推論】 GPIFの資産配分変更はまだ決まっていませんが、日銀のETF売却ペース拡大はすでに決まった事実です。 日本株の需給を考えるなら、まだ決まっていない話より先にこちらを見るべきだと考えます。もっとも日銀は「市場全体の売買代金に占める売却割合が0.1%程度となる規模」と説明しており、市場規模に対しては小さく抑える設計です。

高配当株投資家が見るべきは、GPIFではなく企業です

商社・銀行・通信・建設・内需関連といった高配当株を持つ方にとって、GPIFの売却可能性と、企業の利益成長・配当政策はまったく別の問題です。 GPIFが売れば株価は一時的に下がるかもしれません。しかし 配当金はGPIFの売買では決まらず、企業の利益と配当方針で決まります。

「累進配当(るいしんはいとう)」 は、減配をせず配当を維持または増配するという方針です。業績が一時的に落ちても配当を下げないと宣言するもので、商社や銀行を中心に採用企業が増えています。配当を生活費の一部に充てたい方には意味が大きい方針です。

「DOE(ディー・オー・イー)」 は Dividend On Equity の略で 株主資本配当率 と訳します。利益に対して何%配当するか(配当性向)ではなく、株主資本に対して何%配当するかで決める方式です。利益は年ごとに大きく振れますが株主資本は比較的安定しているため、配当が安定しやすいのが特徴です。

「自己株式取得(自社株買い)」 は、企業が自社の株を買い戻すことです(市場で買う方法だけではありません)。同じ利益なら、1株当たり利益の計算に使う株数(自己株式を除いた株数)が減るため、1株当たりの利益が押し上げられます。 ただし、買い戻しただけで発行済株式総数が減るわけではなく、減るのは消却したときです。また、自社株買いをしたからといって増配が決まるわけでもありません。

【筆者の推論】 GPIFの動向が気になるときほど、自分の保有銘柄が累進配当やDOEを掲げているか、自己株式取得をどのくらい実施しているかを確認するほうが、実際の受取配当に効きます。

高配当株の環境は 原油116ドル・円157円台・金利上昇|守りの高配当株投資家が確かめたい3つのこと、インフレ下のTOPIXは 【完全版】デフレ終了の日本。インフレ2〜3%時代にTOPIXは最適解か? もご覧ください。


第7章 日本国債と米国債ETF|2255・2621の仕様を確認する

債券価格と利回りは逆に動きます

債券の価格と利回りは、シーソーのように逆に動きます。 額面100円で毎年2円の利息が出る債券があるとします。値段が100円なら利回りは2%です。世の中の金利が上がって新しい債券が3円の利息を出すようになると、2円しか出ない古い債券は人気がなくなって値段が下がります。値段が下がることで買った人から見た利回りが3%に近づく――これが逆に動くということです。

つまり金利が上がる局面では、すでに持っている債券の価格は下がります。 7〜9月期にGPIFの国内債券が−1.80%、外国債券が−6.52%となったのは、これが起きたからです。

デュレーションという「金利への敏感さ」

「デュレーション」は、利回りが1ポイント動いたときに価格が何%動くかの目安です。(1ポイントとは、たとえば金利が4%から5%になるような変化のことです。)単位は「年」ですが、感覚としては 金利への敏感さの指標 と考えてよいです。5年なら利回り1ポイントの上昇でおおよそ5%の下落、15年なら15%程度の下落になります。ほかの条件が同じなら、残存期間が長い債券ほどデュレーションは大きくなる傾向があります。 だから「20年超の米国債」のファンドは大きく上下するのです。

2255と2621の公式仕様

【確認済みの事実】 運用会社ブラックロック・ジャパンの公式ファクトシート(データ時点 2026年9月30日)で確認しました。

項目 2255 2621
正式名称 iシェアーズ 米国債20年超 ETF iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)
連動対象指数 FTSE米国債20年超セレクト・インデックス(国内投信用、円ベース) 同インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース)
為替ヘッジ なし あり
運用対象 残存期間20年超の米国財務省証券(20年債指標銘柄を除外、時価総額加重) 同じ
設定日 2023年11月27日 2020年10月14日
信託報酬 税抜0.1400%/税込0.1540% 税抜0.1400%/税込0.1540%
純資産総額 約68.7億円 約1,004.1億円
加重平均残存期間 26.10年 26.08年
平均利回り 5.68% 5.67%
実効デュレーション 14.71年 14.68年
保有銘柄数 / 分配頻度 40銘柄 / 年4回 40銘柄 / 年4回
NISA 成長投資枠対象 成長投資枠対象

2つのETFは中身の債券がほぼ同じで、主な違いは為替ヘッジの有無です(ほかに純資産の規模や売買単位も異なります)。

実績を見ると違いがはっきり出ています

【確認済みの事実】 同じファクトシート(2026年9月30日時点)の運用実績です。いずれも税引前分配金を再投資したものとして算出した、費用控除後の基準価額ベースの数字です(市場での売買価格の騰落率とは異なります)。

期間 2255(ヘッジなし) 2621(ヘッジあり)
1年 −3.51% −11.47%
設定来(年率) +1.15% −12.44%
2025年(暦年) +4.45% +1.27%
2022年(暦年) (設定前) −32.99%

2621の2022年のマイナス32.99%は、ぜひ覚えておいてください。 米国の金利が急上昇した年に、為替ヘッジありの米国債ETFは1年で3分の1近く値を下げました。「債券だから安全」という思い込みは、ここで崩れます。

一般に、円安はヘッジなしの外貨資産の円換算価値を押し上げます。 2255は為替ヘッジがないので、円安が進んだ時期には債券価格の下落を為替が打ち消す形になります。一方、2621は為替の影響を抑える代わりに、債券価格の下落をそのまま受けます。

加えて、ヘッジありには 為替ヘッジコスト がかかります。仕組みはこうです。ドル建ての資産を円ヘッジするときは、将来ドルを売って円を受け取る「為替予約」 を結びます。米ドルの短期金利が円より高いと、その金利差などが予約の価格に反映され、一般にコストとして効きます(実際には通貨の需給なども影響します)。

なお、上の表の2022年は2621だけの数字です。2255は2023年11月設定なので、2022年の比較はできません。 また、両者の実績差を為替だけで分解した資料があるわけではありません。

金利が動いたときの価格への影響(概算)

【筆者の推論】 実効デュレーションを使った概算です。他の条件をすべて固定した理論上の試算で、実際の値動きとは一致しません。

金利の変化 2255(14.71年) 2621(14.68年)
+1.0%(上昇) 約 −14.7% 約 −14.7%
+0.5%(上昇) 約 −7.4% 約 −7.3%
−0.5%(低下) 約 +7.4% 約 +7.3%
−1.0%(低下) 約 +14.7% 約 +14.7%

この試算には3つの限界があります。 ①デュレーションの計算は金利が小さく動く範囲での近似で、大きく動くときは誤差が出ます(実際には下落幅がやや小さく、上昇幅がやや大きく出る傾向があります)。②デュレーションは債券の入れ替えや時間の経過で変わります。上の数字は2026年9月30日時点のものです。③2255には為替の影響が加わります。 金利が1%上がって価格が14.7%下がっても、同時に円安が進めば円換算のマイナスは小さくなり、円高が重なればマイナスはさらに大きくなります。

主要なリスクを整理すると、両方に共通するのが 金利上昇リスク(デュレーション約14.7年)と 価格変動リスク で、信用リスクは米国財務省証券なので小さいと考えられます。違いは、2255には 為替リスク(円高で不利・円安で有利)があり、2621はそれを抑える代わりに 為替ヘッジコスト(日米金利差が大きいほど負担が重い)を負うという点です。

【筆者の推論】 「円高が心配だから2621(ヘッジあり)」という選び方は半分しか見ていません。為替リスクを避ける代わりに、ヘッジコストと金利リスクをそのまま引き受けることになります。 2022年の−32.99%がその結果です。どちらが良いという話ではなく、自分が何のリスクを取りたいかで選ぶものです。

日本国債の需給と長期金利

【確認済みの事実】 日本の長期金利は2026年9月末に10年3.07%まで上昇し、2026年11月5日時点では2.806%です(財務省「国債金利情報」)。

【筆者の推論】 GPIFが国内債券を増やせば、日本国債に大きな買い手が現れます。買い手が増えれば価格は上がり 利回りは下がる方向に働きます。 ただし日本国債市場の残高は非常に大きく、GPIFが数年かけて十数兆円を買っても金利を大きく押し下げるとは限りません。日本銀行が国債買入れの減額を進める一方で政府の国債発行も続いており、需給は複数の要因で決まります。 「GPIFが買えば金利が下がる」という単線的な見方は危険です。

外国債券を減らすことは、米国債の売却と同じではありません

理由1:外国債券は米国債だけではありません。 【確認済みの事実】 GPIFの外国債券のベンチマーク(運用成績を比べる基準)は「FTSE世界国債インデックス(除く日本、除く中国、ヘッジなし・円ベース)」で、米国以外の先進国の国債も含まれます。外国債券を減らしても、どの国の債券をどれだけ減らすかは別の判断です。

理由2:為替ヘッジ付き外国債券は「国内債券」に区分されます。 【確認済みの事実】 GPIFの資料には「為替ヘッジ付き外国債券及び円建ての短期資産は国内債券に区分している」と明記されています。つまり米国債を為替ヘッジ付きで持てば、それは国内債券としてカウントされます。 米国債を売らずに為替ヘッジを付けて国内債券比率を上げるという選択肢も、制度上は存在します。

理由3:満期まで持てば売る必要がありません。 満期が来た分を再投資せずに国内債券に回せば、市場で売らずに比率を変えられます。

日本国債の仕組みは 【2026年最新版】日本国債は買い時?初心者向けに仕組み・金利・投資戦略を完全解説、2255・2621を含む米国債の見方は 米国中間選挙2026で民主党が上下両院を制覇|2027年の米国株・日本高配当株・米国債2255/2621・ドル円を徹底分析 で扱っています。


第8章 ドル円への影響|「外債を売れば円高」は本当か

円高圧力が生まれる仕組み

GPIFが外国債券を減らして日本国債を増やすとします。外国債券は ドルなどの外貨建て です。これを売ってドルを受け取り、そのドルを 円に換えて 日本国債を買います。この「ドルを売って円を買う」動きが円高の圧力になります。 第一生命経済研究所の試算では、国内債券30%型への移行で約15兆円、35%型で約29兆円の外貨売り・円買いに相当するとされています(2025年度末の運用資産294兆円を基準にした機械計算)。

しかし、必ず円高になるとは限りません

理由1:為替ヘッジを使えば、債券そのものを売らずに調整できる場合があります。 第7章のとおり、為替ヘッジ付き外国債券は国内債券に区分されます。【筆者の推論】 既に持つ外国債券に為替ヘッジを付けて国内債券区分に移すなら、債券の売却は起きません。ただし、ヘッジそのものにもドル売り・円買いの取引が伴うため、為替相場への影響がなくなるわけではありません。 現物をまとめて売って円に換える場合とは、取引の形と出方が変わる、ということです。

理由2:段階的に行われる可能性が高いです。 【確認済みの事実】 中期計画は「資金の投入及び回収に当たって、特定の時期への集中を回避する」ことを定めています。また見直しの際は、「市場への影響等に鑑み必要があると認めるとき」に 移行ポートフォリオを策定するとしています(策定は条件付きです)。期間を分けて行われれば1日あたりの為替取引額は小さくなりますが、実際の期間や公表される内容は、発表を見るまで分かりません。

理由3:為替は他の要因でも動きます。 為替相場は日米の金利差、貿易や投資の資金の流れ、投機的な動き、政策当局の介入など多くの要因で決まります。GPIFの動きはその一要素にすぎません。

【確認済みの事実】 実際、2026年7〜9月期には円高が進みました。内田理事長は「日米の円買い協調介入の影響などもあり、対ドル・対ユーロともに円高となった」と説明しており、ドル円は6月末162.53円から9月末157.14円へ動きました。ただし、どの要因がどれだけ効いたのかを、この資料から比べることはできません。 為替は多くの要因が重なって動く、ということだけは確かです。

日銀・FRBと日米金利差

項目 内容(確認日 2026年11月6日)
日銀の政策金利 無担保コールレート(オーバーナイト物)1.25%程度(2026年9月18日に引き上げ、10月30日の会合で維持)
日本の長期金利 10年 2.806%(2026年11月5日、財務省)
米国の長期金利 10年 5.28%(2026年9月末、GPIF参考資料)
9月の中央銀行の動き 日銀・FRB・ECBがそれぞれ9月に利上げ(GPIF理事長コメント)

為替の教科書的な説明では、金利が高い通貨にお金が集まります。 日米の金利差が縮まれば円高、広がれば円安に向かいやすいとされます。日本が利上げを進め、将来アメリカが利下げに転じれば金利差は縮まる方向です。

【筆者の推論】 ただし2026年は日米が同じ9月に利上げを行いました。「日本が利上げするから円高」という単純な図式では説明できない年です。 為替の予想はプロでも当て続けられない分野です。自分の資産配分を為替の予想に賭けないことが、長く続けるうえで大事だと考えています。

円相場の見方は ドル円163円時代、個人投資家はどう資産を守るべきか、来週は円高へ?米10年債5%台・欧州債不安で読む円相場と米国債 もご覧ください。


第9章 2027年に向けた3つのシナリオ

【筆者の推論】 ここからは筆者の整理です。どのシナリオになるかは分かりません。 確率や実施時期を数字で示すこともしません。根拠のない数字はかえって判断を狂わせるからです。

  • シナリオA:現状維持 ── 基本ポートフォリオは4資産25%ずつのまま。検証は続くが「見直し不要」と判断される(2025年度と同じ結論)
  • シナリオB:乖離許容幅の中で調整 ── 基本配分は変えず、許容幅の中で国内資産を厚めにする。【確認済みの事実】 中期計画は「基本ポートフォリオの乖離許容幅の中で市場環境の適切な見通しを踏まえ、機動的な運用ができる」と定めており(ただし「その際の見通しは、合理的な根拠を持つものでなければならない」)、制度上は可能な動きです。ただし第4章で見たとおり、上野厚生労働大臣は2026年7月14日の会見で「GPIFは適時適切なリバランスを通じて、基本ポートフォリオからの乖離を極力抑えるように運用している」と述べています。所管大臣の認識としては、許容幅を積極的に使う運用は現在行われていないということになります
  • シナリオC:基本ポートフォリオの変更 ── 25%という中心の数字そのものを変える。【確認済みの事実】 基本ポートフォリオは中期計画の一部なので、変更には経営委員会の議決、厚生労働省の社会保障審議会資金運用部会の諮問・答申、厚生労働大臣の認可が必要で、その手続きを経て公表されます。
A 現状維持 B 許容幅内で調整 C 基本配分の変更
日本株 リバランスによる売買が続く。下落時は買い手 国内株を厚くすれば緩やかな買い。原資が外国資産なら日本株に売り圧力はかからない 引き上げなら買い需要、引き下げなら売り圧力。いずれも移行期間で分散
日本国債 大きな変化なし 緩やかな買い需要。金利を押し下げる方向だが影響は限定的 継続的な買い手が現れる。ただし市場規模は大きく金利への影響は不確実
米国債 大きな変化なし 外国債券を減らす場合も、満期到来分の再投資を止める形なら市場での売却は限定的 売却の可能性はあるが、為替ヘッジ付きへの切り替えや満期保有で対応される余地もある
ドル円 GPIF要因は中立 円買い要因が多少出る可能性 円買い要因になりうるが、影響の出方は取引の方法・時期・他の資金の流れによって変わる
個人投資家への意味 変化を前提にした売買は不要 四半期の構成割合を確認する価値がある 公式発表と移行計画を確認してから考える
公表のされ方 検証結果が議事概要で分かる(数か月遅れ) 個別の取引が逐一公表されるとは限らない。構成割合の変化から読むことになる 正式な手続きを経て公表される

【筆者の推論】 この表で一番伝えたいのは、どのシナリオでも「今すぐ売買すべき」という結論にはならないということです。Aなら何もしなくてよく、Bは発表されないので追いかけられず、Cは発表を見てから考える時間があります。


第10章 個人投資家が今考えておきたいこと

1. 報道だけで慌てて売買しない ── 四半期の構成割合の変化からは、GPIFが売買したのかを判断できません。「GPIFが国内債を買い増した」「米国債を売る」という見出しを見たら、それが①値動き②許容幅内の調整③基本配分の変更のどれなのかを確かめてください。 ③であれば、経営委員会の議決と厚生労働大臣の認可という手続きを経て公表されます。公式発表を確認できない段階では、変更が決まったと判断せず、いま公表されている基本配分を確かめてください。

2. 高配当株は企業の業績と配当方針を重視する ── GPIFが売るかどうかより、自分の持つ企業が利益を出し続けられるか、配当を維持・増配する方針かどうかが受取配当に直結します。累進配当やDOEを掲げているか、自己株式取得をどのくらい行っているかを決算資料で確認してみてください。

3. 日本国債は利回りとインフレ率の両方を見る ── 10年国債2.806%(2026年11月5日)だけ見ると魅力的ですが、生鮮食品を除くCPIが前年同月比+2.1%(2026年9月) であることを合わせると、その差は0.7ポイント程度です(今の数字どうしを比べた参考値で、今後10年の実質利回りではありません)。「名目の数字」と「物価を引いた数字」を分けて見る習慣が、これからの日本では大切になります。

4. 米国債ETFは為替ヘッジと金利リスクを分けて考える ── 2255と2621は中身の債券がほぼ同じで、違いは為替ヘッジの有無です。2621の2022年が−32.99%だったことを思い出してください。 ヘッジがあっても金利上昇からは守ってくれません。実効デュレーション約14.7年は金利1%の上昇で約15%の下落に相当します。買う前に「金利が1%上がったら、この下落を受け入れられるか」を自分に聞いてみてください。

5. 株式・債券・現金の分散を自分の基準で持つ ── 【確認済みの事実】 GPIFが4資産を25%ずつにしているのは、「名目賃金上昇率を上回る実質的な運用利回り1.9%を最低限のリスクで確保する」目標に合わせて設計された結果です。これは個人の目標とは違います。 GPIFは約100年にわたる年金財政の計画の中で運用していますが、個人には 運用期間 があり 途中でお金が必要になる場面 があります。

立場 運用期間 取り崩しの時期 向いている考え方
GPIF 約100年の年金財政計画の中で運用 将来の給付不足を補うとき 年金財政に必要な利回りを最低限のリスクで確保
50代で現役の方 10〜30年以上 退職後から徐々に 株式比率を保ちつつ債券・現金も確保
70代で年金生活の方 残りの生活期間 今まさに使っている 現金と安定資産を厚めに。値動きの大きい資産は控えめに

一律の正解はありません。 同じ70代でも、年金だけで生活が成り立つ方と資産の取り崩しが前提の方では持つべき配分が変わります。リスク許容度(どのくらいの下落なら眠れるか)と運用期間(いつお金を使うか)の2つで決めるのが基本です。 迷う場合は金融機関や専門家に相談することをおすすめします。

6. GPIFの四半期ごとの資産構成を確認する習慣を持つ ── 年に4回、5分だけ見る習慣をつけると、報道の見出しに振り回されなくなります。 まず見るとよいのは「構成割合が許容幅の中にあるか」と「基本ポートフォリオ自体が変わったという発表があるか」の2点です。

2027年に向けた具体的なポートフォリオの考え方は 2027年NISAで何を買う?新しい投資信託・ETFから考える年間360万円ポートフォリオ戦略 でも扱っています。


まとめ

GPIFが資産配分を変更するかどうかは、2026年11月6日時点では不透明です。 確認できたのは次のことです。

  • 2026年7〜9月期の運用は −1.65%(−5兆2,533億円)。主因は外国債券の−6.52%。2026年度の半年累計では +6.42%(+18兆8,363億円)のプラス
  • 2026年9月末の運用資産額は314兆3,876億円。構成比は国内債券26.49%、外国債券24.05%、国内株式24.80%、外国株式24.67%で、4資産すべてが乖離許容幅の中
  • 2026年8月21日の第126回経営委員会で「基本ポートフォリオ検証等PTにおける議論について」が 報告事項 として扱われた。議決事項は組織規程の改正のみで 基本ポートフォリオの変更は議決されておらず、資料本文と議事概要は11月6日時点で未公開
  • 2026年5月22日の第122回経営委員会では、2025年度について「検証②及び見直しの検討は必要ない」と全委員一致で議決されている
  • 2026年11月6日時点で、筆者が確認した公式資料(基本ポートフォリオのページ、第5期中期計画、最新の運用状況、経営委員会の公開資料、新着情報)の範囲では、変更の正式発表は見当たらない

それでも環境は確かに変わりました。 日本の10年国債利回りは2.8%前後、日銀の政策金利は1.25%、消費者物価は前年比+2%台です。金利がゼロでインフレもなかった時代の判断をそのまま続ける理由はなくなりました。国内債券という選択肢が「利息がほぼゼロの資産」から「2%台の利回りがある資産」に変わったことは、GPIFにとっても個人投資家にとっても同じです。

最後に一番お伝えしたいことです。 GPIFの動向は参考になりますが、GPIFの資産配分はあなたの資産配分ではありません。 GPIFは約100年にわたる年金財政の計画の中で運用していますが、あなたには運用できる期間があり、お金が必要になる時期があります。GPIFの動きは「市場に何が起きているか」を知る材料として使い、実際の判断は自分の資産配分と運用目的を優先してください。 GPIFを理由に慌てて動かず、まず公式情報を確かめる。その姿勢が大切だと筆者は考えています。


よくある質問(FAQ)

Q1. GPIFが5兆円の赤字を出したら、私の年金は減りますか?

今回の四半期の損失によって、いま受け取っている年金額が直接減ることはありません。 GPIF自身が公式サイトのよくあるご質問で「年金積立金の収益が、現在の年金受給者の受取額に影響を与えることはありません」と明記しています。年金額の改定は物価や賃金の変動率とマクロ経済スライドで決まります。また同FAQによれば、今後100年間の平均でみた年金財源全体のうち積立金からまかなわれるのは約1割で、給付の大部分は現役世代の保険料と国庫負担で支えられています。2026年度の半年累計では18.8兆円のプラスであることも、あわせて見てください。

Q2. 国内債券の比率が26.49%に上がったのは、GPIFが日本国債を買ったからですか?

そう断定することはできません。 比率は市場価格や為替が動くだけで変わります。さらに今回は年金特別会計で管理する積立金が約2.6兆円から約5.4兆円へ増えており、円建ての短期資産は国内債券に区分されるため、国内債券の残高増(+2兆7,156億円)にはこの増加も影響し得ます。ただし残高の変化には期間収益や資金の出入りも混ざるため、この公表値だけで内訳を特定することはできません。GPIFは売買の金額を公表していません。

Q3. 基本ポートフォリオが変更されたら、いつ分かりますか?

正式な手続きを経て公表されます。 基本ポートフォリオは中期計画の一部で、変更には経営委員会の議決、厚生労働省の社会保障審議会資金運用部会の諮問・答申、厚生労働大臣の認可が必要です。公表が見当たらない限り、現在の4資産25%ずつが続いていると考えてよいでしょう。

Q4. GPIFが米国債を売るかもしれないので、2255や2621は売ったほうがよいですか?

GPIFの動向を理由に売買する判断はおすすめできません。 第一に、外国債券の配分を減らすことは米国債の売却と同じではありません(米国以外の国債も含まれ、為替ヘッジ付きにすれば国内債券に区分され、満期保有という手段もあります)。第二に、これらのETFの価格を動かす最大の要因は米国の金利です。実効デュレーション約14.7年(2026年9月30日時点)は、金利1%の変化で約15%の価格変動に相当します。見るべきは米国の金利と、ご自身がその変動を受け入れられるかどうかです。

Q5. 2255と2621は、どちらを選べばよいですか?

どちらが優れているという答えはなく、取りたいリスクで決まります。 2255(為替ヘッジなし)は円安で有利・円高で不利になり、2621(為替ヘッジあり)は為替の影響を抑える代わりに為替ヘッジコストを負担します。両方とも金利上昇には弱く、2621は2022年に暦年で−32.99%となりました。為替の予想に自信がなければ、どちらかに全額を集中させない方法もあります。投資判断はご自身の状況に合わせ、必要に応じて専門家に相談してください。


参考資料・出典

GPIF(一次資料)

政府(一次資料・筆者が直接確認)

日本銀行ほか(一次資料)

運用会社の公式資料(ETF)

金融機関の分析(予測・試算を含みます)

この記事で扱わなかったこと

一部の海外金融機関によるGPIF関連の分析が報じられていますが、筆者が原文を確認できなかったため引用していません。 分析の前提条件や分析日が分からないまま数字を使うと、読者の判断を誤らせる恐れがあるためです。また2026年8月21日の経営委員会で報告されたPTの議論の内容は公表されていないため、推測で中身を書くことはしていません。


投資リスクと免責事項

  • 本記事は、公表されている情報をもとに筆者(とす)が整理した 情報提供を目的とするもの であり、特定の金融商品の売買を勧めるもの、投資助言を行うものではありません。
  • 記載した数値・事実は 2026年11月6日 時点で筆者が確認したものです。その後の発表や相場の変動により内容が実際と異なる場合があります。GPIFの四半期運用状況は 速報値 であり、業務概況書等で変更される場合があることが公式資料に明記されています。
  • 【市場の観測・予測】および【筆者の推論】として記載した部分は確定した事実ではなく、将来の結果を保証するものではありません。記載と異なる展開になる可能性があります。
  • 株式・債券・ETF・投資信託などへの投資は 元本が保証されていません。 価格変動、金利変動、為替変動、信用リスク等により、投資した金額を下回る損失が生じることがあります。本記事で触れた米国債ETFは、過去に暦年で30%を超える下落を記録しています。
  • デュレーションを用いた価格への影響の試算は 他の条件をすべて固定した理論上の概算 であり、実際の価格変動とは一致しません。
  • 個別の投資判断は、ご自身のリスク許容度・運用期間・資金の使い道をふまえてご自身で行ってください。判断に迷う場合は金融機関や資格を持つ専門家にご相談ください。
  • 本記事の情報を用いて行った判断により生じたいかなる損失についても、筆者および当サイトは責任を負いません。

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