2026年、なぜSCHDはS&P500やオルカンより強いのか?高配当株インデックスの強さを徹底分析

2026年の株式市場では、少し意外なことが起きています。

個人投資家の王道とされてきたS&P500やオルカン(全世界株式)よりも、米国高配当株ETFのSCHDのほうが好成績になっているのです📈

日本でも楽天証券やSBI証券で、SCHDに投資する投資信託が買えるようになりました。「乗り換えたほうがいいのでは?」と迷っている方もいると思います。

私自身、年初にSCHDの投資信託・オルカン・S&P500の3本をNISAで買いました。いまのところ、いちばん成績が良いのはSCHDです。

ただ、「高配当株が上がっているから」だけでは、今年の強さは説明しきれません。この記事では、SCHDの中身と強さの理由を図で整理していきます。

📌 この記事でわかること

  • 2026年のSCHD・S&P500・オルカンの成績のちがい
  • SCHDが「ただの高配当株ランキング」ではない理由
  • 今年SCHDが強かった5つの理由
  • 楽天とSBIのSCHD投信の選び方
  • 50代・60代が組み合わせるときの考え方

📊 まず数字で確認|2026年の成績くらべ

はじめに、どれくらい差がついているのかを見ておきます。

2026年 年初来リターン(ドル建て・配当込み/10月上旬時点の目安)

SCHD(米国高配当株)
約+23%
S&P500(米国大型株)
約+15%
全世界株式(MSCI ACWI連動ETF)
約+15%

※各種の公開データをもとにした概算です。集計日や計算方法で数字は前後します。日本の投資信託は為替の影響を受けるため、円建ての成績はこれと一致しません。

ドル建てで見ると、SCHDはS&P500やオルカンを8ポイントほど上回っています。

ただし、知っておきたい点が2つあります。

⚠️ 冷静に見ておきたい2つの事実

① SCHDは9月に年初来+29%前後まで上がりました。そこから6%ほど下げ、差は少し縮んでいます。

② 過去10年の合計では、S&P500が約256%、SCHDが約240%でした(2026年8月時点の米メディア集計)。長い目ではS&P500がまだ少し上です。

つまり「SCHDがずっと強かった」のではありません。2026年という相場に、SCHDの設計がよく合ったと見るのが正確です。

🔎 そもそもSCHDとは?

SCHDの正式名称は「Schwab U.S. Dividend Equity ETF」です。米国のシュワブ・アセット・マネジメントが運用しています。

ETF(株のつめ合わせ商品)の一種で、「ダウ・ジョーンズ米国配当100指数」という指数に連動します。

ここで押さえたいのは、SCHDもインデックス投資のひとつだという点です。「SCHD対インデックス投資」という図式ではありません。

🇺🇸 S&P500

会社の大きさ(時価総額)の順に買う指数。大きい会社ほど多く持ちます。

🌍 オルカン

世界中の株を、会社の大きさの順に買う指数。分散の広さが持ち味です。

💰 SCHD

配当・財務・収益力で選んだ約100社を買う指数。「質」で絞ります。

くらべているのは「どの指数の設計が、いまの相場に合っているか」です。優劣ではなく、設計のちがいの話になります。

🧩 SCHDは単なる「高配当株ランキング」ではない

SCHDの最大の特徴は、利回りの高い順に買っているわけではないことです。

指数のルールでは、次のような手順で銘柄をふるいにかけます。

STEP1 🏁 出発点
10年以上つづけて配当を出している米国企業(REITは対象外)

▼

STEP2 💰 利回りで半分に
配当利回りが高い側の半分を候補に残す

▼

STEP3 🔍 4つのものさしで採点

  • フリーキャッシュフローと負債のバランス(借金に対して稼ぐ力があるか)
  • ROE(自己資本利益率。元手でどれだけ利益を出したか)
  • 配当利回り
  • 過去5年の増配率

▼

STEP4 🏆 上位100社を採用
1銘柄は4%まで、1業種は25%までに制限。年1回(3月)に入れ替え

選ばれるのは「配当利回りが高い会社」ではありません。稼ぐ力があり、財務が比較的すこやかで、配当を増やしてきた会社です。

このちがいが、今年の成績に効いてきました。

理由① 🤖 AI・大型テック集中からの資金分散

近年のS&P500を引っぱってきたのは、NVIDIA、Microsoft、Apple、Amazonといった巨大テクノロジー企業です。

AI関連の上昇で、S&P500は大きなリターンをあげてきました。その一方で、値動きが一部の巨大企業に左右されやすくなった面もあります。

2026年は、次のような点が意識される場面が増えました。

  • AI向け設備投資の負担の重さ
  • 高い株価水準
  • AI投資が本当に利益につながるのかという疑問

SCHDは、巨大テック企業への依存がS&P500よりずっと小さい指数です。そのかわり、ヘルスケア、生活必需品、エネルギーなどの成熟した企業が多く入っています。

AI関連株から、割安で稼ぐ力のある企業へ。この資金の流れが、SCHDの追い風になりました。

理由② ⛽ エネルギーやヘルスケアが強かった

SCHDの業種の配分は、S&P500とかなりちがいます。

SCHDの主な業種の比率(2026年3月の入れ替え後・概算)

🛒 生活必需品
約19%
💊 ヘルスケア
約19%
⛽ エネルギー
約17%
💻 情報技術
約11%
📡 通信サービス
約7%

※運用会社の公表資料をもとにした報道ベースの概算です。比率は日々変わります。

S&P500は情報技術が最大の業種で、比率が突出しています。SCHDでは、生活必需品・ヘルスケア・エネルギーの3つで半分をこえます。

2026年は原油や資源の価格が上がり、エネルギー株が好調でした。医薬品や医療保険、生活必需品といった守りの株が買われる場面も増えています。

SCHDが多く持っている業種そのものが上がった。これが2つめの理由です。

理由③ 🏦 高金利では「いまの利益」が評価されやすい

2026年の市場を考えるうえで、金利は外せません。

金利が高いときは、「将来大きく育つかもしれない会社」より、「いますでに利益や現金を生んでいる会社」が評価されやすくなります。

なぜでしょうか。株価は、将来もらえる利益を「いまの価値」に直して計算するからです。金利が高いほど、遠い将来のお金の「いまの価値」は小さくなります。

10年後にもらえる100万円の「いまの価値」

10年後の金額
100万円
金利2%で計算した、いまの価値
約82万円
金利5%で計算した、いまの価値
約61万円

※100万円÷(1+金利)の10乗で計算した、しくみを知るための例です。

同じ100万円でも、金利が2%から5%に上がると、いまの価値は約82万円から約61万円に下がります。

利益の大半を「遠い将来」に見込む成長株ほど、この影響を強く受けます。SCHDには、安定した利益と配当をすでに出している企業が多く入っています。高金利と相性がよかったのです。

理由④ 🪤 「高配当の罠」を避けるしくみ

高配当株投資には、有名な落とし穴があります。「配当利回りの罠」です。

年間の配当が40円の会社で、株価が半分になった場合を考えてみます。

株価 1,000円のとき

利回り 4%

➡

株価 500円に急落

利回り 8%

見かけは魅力的。でも…

利回りが上がったのは、配当が増えたからではありません。株価が下がったからです。

業績の悪化で売られているなら、このあと減配になる可能性もあります。利回りだけを見て買うと、こうした会社をつかみやすくなります。

SCHDは、キャッシュフロー、負債、ROE、増配率もあわせて確認します。そのため、「質の高い高配当企業」が選ばれやすいしくみになっています。

もちろん、ルールで選んでも減配する会社がゼロになるわけではありません。あくまで「つかみにくくする」工夫です。

理由⑤ 🎯 約100銘柄にしぼり込んでいる

オルカンには世界中の数千社が入っています。S&P500は約500社です。SCHDは約100社にしぼっています。

「米国株を全部買う」のではなく、条件を満たした企業だけを選ぶ考え方です。

2026年のように、市場全体が同じように上がらない相場では、この選別がプラスに働くことがあります。

裏を返せば、しぼり込むぶん、選んだ業種がはずれた年は成績が落ちます。強みと弱みは表と裏の関係です。

📋 SCHD・S&P500・オルカンのちがい

ここまでの特徴を表にまとめます。

項目 SCHD S&P500 オルカン
投資対象 米国高配当株 米国大型株 世界の株
銘柄数 約100 約500 数千
選び方 配当・増配・財務 会社の大きさ 会社の大きさ(世界)
テックの比率 低め 高い やや高い
配当利回り 高め(3%台前半) 低め(約1%) 低め
成長株 少ない 多い 多い
高金利への強さ 比較的強い やや弱い 中くらい
分散の広さ 米国のみ・約100社 米国のみ・約500社 もっとも広い

※配当利回りは2026年10月上旬時点の目安です。

配当利回りを棒にすると、ちがいがよくわかります。

配当利回りの目安(2026年10月上旬)

SCHD
約3.2%
S&P500
約1%

3つは「どれが上か」ではなく、それぞれ役割がちがう商品です。

⚖️ SCHDがS&P500よりいつも優秀なわけではない

2026年だけを見ると、SCHDはとても強く見えます。けれども「S&P500を全部売ってSCHDへ」という話にはなりません。

相場の環境によって、主役は入れかわるからです。

💰 SCHDが有利になりやすい環境

  • 金利が高い
  • 割安株(バリュー株)が強い
  • エネルギー株が強い
  • 配当が見直される

🚀 S&P500が有利になりやすい環境

  • 金利が下がっていく
  • AI・半導体が相場を引っぱる
  • 大型テック株の業績が伸びる
  • 成長への期待が高まる

実際、AI相場が強かった数年間は、SCHDはS&P500に大きく後れをとっていました。今年はその逆が起きています。

🇯🇵 楽天SCHDとSBI SCHDはどちらがよい?

日本では、SCHDに投資する投資信託が2社から出ています。

  • 楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(愛称:楽天・SCHD)
  • SBI・S・米国高配当株式ファンド(愛称:S・米国高配当株式100)

どちらも中身はSCHDです。長い目で見た値動きに、大きな差は出にくいと考えています。

どちらにも「分配金を出すタイプ」と「あまり出さずに育てるタイプ」があります。育てるタイプの実質コストは、どちらも年0.12%台でほぼ同じ水準です(2026年8月前後の公表情報)。

分配金を出すタイプはコストが異なる場合があります。買う前に、最新の目論見書(商品の説明書)で確かめておくと安心です。

それよりも大事なのは、受け取るタイプにするか、育てるタイプにするかの選択です。

🌱 資産成長型(年1回決算型)

配当をファンドの中で再投資します。複利の効果を生かしやすいタイプです。

向いている方:まだ資産を増やしている途中の方

💴 分配型(年4回決算型)

年4回、分配金を受け取れます。受け取るたびに使えるお金が入ります。

向いている方:退職後などで定期的な収入がほしい方

投資信託は円で買うため、為替の影響も受けます。円高が進めば、SCHD本体が上がっていても基準価額が下がることがあります。

証券会社そのものの選び方は、50代・60代のNISA・高配当投資に向く証券会社比較でまとめています。

🤝 S&P500・オルカン・SCHDは競争相手ではない

投資を考えるとき、つい「どれが一番ふえるか」でくらべてしまいます。

けれども、この3つは役割がちがいます。

  • S&P500:米国の成長力を取りこむ
  • オルカン:世界経済全体の成長を取りこむ
  • SCHD:配当と増配を重視しながら、米国の稼ぐ企業に投資する

「どれか1本を選ぶ」だけでなく、組み合わせるという考え方もあります。値動きのちがうものを一緒に持つと、全体のゆれをおさえやすくなります。

👴 50代・60代にはSCHDが合うケースも

50代・60代になると、「資産を最大にする」だけが目的ではなくなります。資産を守りながら収入を生み出すことも大切になります。

その点でSCHDには、次のような特徴があります。

  • 配当がある
  • 増配の実績がある
  • 比較的安定した企業が多い
  • テクノロジー株への集中をさけられる

S&P500だけを持つのではなく、いくつかを組み合わせる方法も考えられます。

退職後を見すえた組み合わせの考え方(例)

🚀 S&P500・オルカン
成長を取りこむ
💰 SCHD
ドル建ての配当と増配
🇯🇵 日本高配当株
円でもらえる配当
🛡️ 債券・現金
下落時のクッション

※割合は年齢・収入・資産額で変わります。特定の配分をおすすめするものではありません。

私はこう考えています

ここからは私自身の体験と考えです。

私は2026年の年初に、NISAで3本をまとめて買いました。

🧾 私が年初に一括で買った3本(すべてNISA)

💰 SBI・S・米国高配当株式ファンド
(年4回決算型)
🥇 分配金も値上がりも1位
🌍 オルカン
🇺🇸 S&P500

同じ時期に、同じNISA口座で買った3本です。条件がそろっているので、くらべやすい結果になりました。

ここまでの成績は、インカム(分配金)もキャピタル(値上がり益)も、SCHDがいちばん良いという結果です。円建ての私の口座でも、順位はドル建ての数字と同じでした。

正直に言うと、買ったときにこの結果は予想していませんでした。だからこそ、「なぜこうなったのか」を調べてみたのがこの記事です。

そのうえで、うれしい結果ほど冷静に見ておきたいと考えています。

ウォーレン・バフェット氏は、2008年の「株主への手紙」で、師であるグレアムの教えを紹介しています。

「価格とは支払うもの、価値とは得るもの」

今年のSCHDを見ていて、私はこの言葉を思い出しました。

SCHDは年初から2割以上、値上がりしました。そのぶん、配当利回りは3%台前半まで下がっています。同じ配当を受け取るのに、支払う値段が上がったということです。

「今年いちばん強かったから買う」は、順番が逆だと私は考えています。強かったあとは、買う値段が高くなっているからです。9月の高値から6%ほど下げたことも、追いかけて買う難しさを示しています。

もうひとつ、気になった点があります。2026年3月の銘柄入れ替えは、例年よりかなり大がかりでした。報道によれば、25銘柄が新しく入り、22銘柄がはずれています。

ルールにそって機械的に入れ替えるのは、SCHDの強みです。人の思いこみが入りません。ただ、「中身は毎年変わる」という点は、持つ側も知っておきたいところです。

では、どう付き合うか。私の考えは次の3つです。

  • オルカンやS&P500を土台にしたまま、SCHDは「ちがう値動き」を足す役にする
  • 今年の上昇を見て、あわてて買い足さない
  • S&P500が強い年に、SCHDを見放さない

3つめが、実はいちばん難しいと感じています。数年前、AI相場のなかでSCHDには「もう役目を終えた」という声もありました。そこで手放した人は、今年の上昇を受け取れていません。

私は3本とも持っているので、どれが勝つかを当てる必要がありません。今年はSCHDが引っぱってくれました。来年はS&P500かもしれませんし、オルカンかもしれません。

今年の成績が来年もつづく保証はどこにもありません。期待しすぎないことが、長く持ちつづけるコツだと考えています。

📝 まとめ|2026年のSCHD好調から学ぶこと

今年のSCHDの好調は、偶然ではありません。2026年の相場と、SCHDの指数の設計がうまくかみ合いました。

✅ SCHDが強かった5つの理由

  1. AI・大型テック株への集中からの資金分散
  2. エネルギー・ヘルスケア株の上昇
  3. 高金利で「いまの利益」が評価された
  4. 「高配当の罠」をさける選び方
  5. 約100銘柄へのしぼり込み

SCHDの強さの本質は「高配当」だけではありません。「高配当+質の高さ+割安さ」の組み合わせにあります。

そして大事なのは、「今年いちばん上がった商品に乗りかえること」ではありません。特徴のちがう資産を組み合わせることです。

  • S&P500には成長力があります
  • オルカンには世界分散があります
  • SCHDには配当と財務のすこやかさがあります
  • 日本高配当株には円でもらえる配当があります

50代・60代では、「資産形成」から「資産形成+配当収入+資産を守る」へ、考え方を少しずつ変えていく時期に入ります。

2026年のSCHDの好調は、そのことをあらためて教えてくれているように思います😊

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※本記事は筆者個人の考えをまとめたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任においてお願いいたします。記載のデータは執筆時点(2026年10月中旬)のもので、リターンや利回りは米ドル建ての概算です。将来の成果を約束するものではありません。

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